2019年 10月 18日 (金)

どうなる2019年 データ改ざん、検査不正...... 揺らぐ信頼、膿は出し切ったか!?

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   「高品質」を売りモノに、消費者からの信頼を勝ち取ってきた日本企業が、どうもおかしい。

   2017年~18年にかけて、東芝や神戸製鋼、日産自動車、宇部興産、SUBARU、スズキ、三菱マテリアル、日立化成...... 誰もが知っている有名企業が、品質不正に手を染めていた。続々と表面化した品質不正だが、果たして「膿」は出し切ったのだろうか――。

  • 自動車メーカーの品質不正は深刻かもしれない……(画像は、日産自動車のホームページ)
    自動車メーカーの品質不正は深刻かもしれない……(画像は、日産自動車のホームページ)

「自浄能力なし」ガバナンスが原因か?

   過去の不祥事にフタをして決算をごまかしていた光学機器メーカーのオリンパスや「チャレンジ」の大号令の下で不正会計に手を染めた東芝、国土交通省に提出する排気ガス・燃費データを改ざんした日産自動車やSUBARUと、ここ数年、企業の不正が後を絶たない。

   2018年には、スルガ銀行の書類改ざんによる不適切融資が明るみに出たほか、SUBARUでは新たなデータ改ざんが見つかった。こうした企業の不正の背景に、J-CASTニュース会社ウォッチで「社長のお悩み相談 ~オレの話を聞いてくれ~」を執筆している企業アナリストの大関暁夫氏は、「過度な業績追及が蔓延しています」と指摘する。

   年功序列が廃止され、成果主義が当たり前になったサラリーマンが、「至上命令」に追い込まれ、「多少のことに目を瞑っても、なりふり構わず稼がなくては自分の地位が危ない」という状況に陥った。そんな流れが、「収益追求型」の不祥事につながったとみている。

   2018年は、「一時の食品偽装のように、企業が膿を出し切ってしまおうと動く年」と話していた大関氏。2月にはポリエチレン製品の検査データの虚偽記載で宇部興産が発覚したが、問題はSUBARUや日産自動車のように、次から次へと不正が発覚したこと。自浄能力が疑われ、「底なし」の事態となった。

   SUBARUは2018年4月に排気ガス・燃費データの改ざんで調査報告書を提出したにもかかわらず、6月に排気ガス・燃費データで新たな不正が発覚。9月にはブレーキなどの安全性能の検査で不正が見つかった。

   日産自動車は2018年7月に排気ガス・燃費データの改ざんが、12月にはブレーキなどの安全性能の検査での不正が発覚した。同社は、前会長のカルロス・ゴーン氏が特別背任容疑で逮捕されたことや、西川(さいかわ)広人社長が検査不正の記者会見に姿を見せなかったことでもわかるように、ガバナンス(企業統治)そのものに問題があるのかもしれない。

「製品は問題ありません」が意味すること

   企業アナリストの大関暁夫氏は、不正が次々に明るみなった背景には「グローバルスタンダード(世界標準)の中で、余裕がなくなってきた。合わなくなってきた。それを無理やり合せてきた結果です」とみている。

   これまで製品の安全性を支えてきたのは、日本人の職人気質であり、高い技術力だったが、そこは不正があった企業でも、「製品の安全性」には問題がなかった。現状で、大きな事故・事件につながったケースが相次いでいるとは聞いていない。つまり、グローバルスタンダードに合わせようと、「コンプライアンス」を懸命に守ろうとして、急いだり、無理したりしてきた。それが「追いつかなくなった」結果だ。

   その一方で、株主重視するあまり、「数字をつくること(業績)ばかりを気にしてきたことが、『収益追求型』の不祥事の温床になってきたのではないかと考えています」(大関氏)という。また、そこにはお上(経済産業省や国土交通省、金融庁などの監督官庁)の顔色をうかがうようなこともあったかもしれない。

   大関氏は、「品質偽装の問題は、基本的には高すぎる日本の品質基準を変えない限り、終わらないとは思います。日本人は求めている品質が高すぎるのです」と話す。

   「プロの職人たちは、経験則から品質基準を若干下回ったとしても、若干の手抜きをしようとも、それが致命的な事故にはつながらないとわかっているので、規定では『100遵守ルールのところを90でもよし』とするようなやり方がまかり通ってしまっているのです」と、指摘。もちろん、そんなやり方がいいわけではない。「このくらいなら」「ここまでなら」が行き過ぎれば、大事故につながる。

   ただ、品質基準に無理やり合わせようとした結果が、品質不正の「元凶」だとしたら、どうだろう。たとえば、2013年ごろに相次いだ、食品の賞味期限の改ざんの食品・食材偽装で、食中毒などの大事故はなかった。「事故が起きてからでは遅いものの、目くじらを立てるほどの偽装かといえば、そこはモノによっては騒ぎ立てるほどの問題ではないとも思えます」。

   コスト削減を目的とする人員削減や働き方改革の促進などで、ただでさえ人手が足りない、時間が足りないなか、「現状の厳し過ぎる品質基準を守り続けることのほうが、無理であるといえます。そのあたりを勘案して、管理基準の弾力的運用や見直し、基準に幅を持たせるなど、ある程度の自由裁量で安全性を守る、自主性を重視するようなやり方も必要なのかもしれません」と話す。

   2019年、品質不正で揺らいだ信頼を回復するには少々時間がかかるかもしれない。

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