2024年 4月 18日 (木)

おっとパンクだ!「あれ、スペアタイヤがない?」自分のクルマの修理備品知らない人多すぎ!

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   「あれ、私のクルマにスペアタイヤがない!?」――。運転中にタイヤがパンクしたらどうするか? 多くの人がスペアタイヤを交換したり、クルマに付いている応急修理セットを使って修理したりするだろう。

   ところが、パンクになって初めて自分のクルマにスペアタイヤがないことに気づいたり、応急修理セットの使い方を知らなかったりと、タイヤパンク時の対応に混乱する人が多すぎることが国民生活センターの調べでわかった。2019年1月17日の発表。ホームページで、パンク修理の方法をアドバイスしている。

  • クルマのパンクは困りものだが
    クルマのパンクは困りものだが
  • 応急修理キットの1例。電動コンプレッサーで修理剤をタイヤに挿入する(国民生活センターのホームページより)
    応急修理キットの1例。電動コンプレッサーで修理剤をタイヤに挿入する(国民生活センターのホームページより)
  • スペアタイヤは空気圧や摩耗を点検しよう(国民生活センターのホームページより)
    スペアタイヤは空気圧や摩耗を点検しよう(国民生活センターのホームページより)
  • クルマのパンクは困りものだが
  • 応急修理キットの1例。電動コンプレッサーで修理剤をタイヤに挿入する(国民生活センターのホームページより)
  • スペアタイヤは空気圧や摩耗を点検しよう(国民生活センターのホームページより)

付属の応急修理キットでパンク直したらタイヤがダメに

   路上のクルマトラブルのロードサービスを行なう日本自動車連盟(JAF)によると、最も出動件数の多いトラブルの断トツの1位と2位は「バッテリー上がり」と「タイヤのパンク」。タイヤパンク時の対応方法は、主に2通りある。ひとつは自走できるように自分で応急修理を行う方法。もう一つがJAFなどのロードサービスに頼む方法だ。

   自分で行う応急修理にも2通りの方法がある。ひとつはスペアタイヤに交換する方法、もう一つが応急タイプのパンク修理キットを使って補修する方法だ。両方ともクルマを買った時に付属部品として装備されているものだが、車種によっては付いていない場合もある。自分のクルマにそれらが付いているのかいないのか、付いていても正しい使い方を知らない人が意外に多いことが、国民生活センターのアンケート調査でわかった。

   たとえば、こんな事例の相談が寄せられている。

【事例1】
自動車のタイヤがパンクしたので、付属の応急修理キットでパンク修理をしたところ、それが原因でディーラーに修理を断られた。メーカーが付属の備品としてクルマに付けているものなのに、それを使用するとパンク修理ができないというのは納得できない。(2018年10月、大阪府の40歳代男性)

【事例2】
スペアタイヤを載せて販売していないクルマが多い。オプションで付けると高くなるし、載せる場所もない。ジャッキの積載もないので、ロードサービスを呼んで直す人が多いが、購入時に選択できる仕組みにすべきだ。(2018年5月、愛媛県の60歳代男性)

【事例3】
クルマに付属の応急修理セットを使ったら、修理剤が入ったままになり、タイヤがダメになった。それならキットに表示すべきだ。(2016年12月、千葉県の50歳代男性)

【事例4】
息子がタイヤ交換をしようと思ったら、クルマにスペアタイヤがなかった。夜中だったのでディーラーに電話してもつながらなかった。スペアタイヤがないクルマなんかあるのか。(2016年11月、滋賀県の50歳代男性)

【事例5】
購入後にスペアタイヤがないことに気が付いた。スペアタイヤが付属していない旨の説明はなかった。田舎道や高速道路でパンクしたら、スペアタイヤがないと困るし、危険だ。(2016年7月、岡山県の70歳代男性)

【事例6】
スペアタイヤに交換しようとしたら、エアが入っておらず、結局、ロードサービスを呼ぶ羽目になった。(2014年8月、大阪府の20歳代男性)

4割の人が自分のクルマのパンク修理備品を知らない

   近年は、スペースをとるスペアタイヤの代わりに応急修理キットが付属している車種が増えている。また、応急修理キットさえない車種も多い。しかし、こうした事例で明らかなのは、スペアタイヤがないクルマもあることをわかっていない人が意外に多いこと、また、パンクして初めて自分のクルマにスペアタイヤがないことに気づく人や、応急修理セットの正しい使い方を理解していない人が多いことだ。

   国民生活センターが、トヨタや日産自動車などの国内自動車メーカー8社に、もっとも安価なグレードの車種についてスペアタイヤや応急修理キットの付属状況を聞いたところ、スペアタイヤのみ、応急修理キットのみ、両方ないものと、てんでバラバラだった(両方ある車種がある社はゼロ)。全車種にどちらかがあると答えたところは2社だけだった。安いグレードの車種では、かなりの多くのクルマでパンク対策がなされていないわけだ。

   また、メーカーに消費者がクルマを購入する際、スペアタイヤや応急修理キットの有無、またそれらの使い方について、販売会社が情報提供するよう指導しているかどうかを聞くと、半数にあたる4社が指導していなかった。つまり、購入時に「このクルマのパンク対策は?」とユーザーが聞かないと、わからないままパンクのトラブルに巻き込まれる羽目になるわけだ。

   一方、国民生活センターが、クルマを持っている(平均使用年数8年)全国の20歳~60歳の男女5000人にインターネットを通じてアンケート調査をしたところ、「タイヤのパンク」を経験した人は約4人に3人の74%に達した。また、パンクが発生した場合、「自分で対応するかどうか」を聞くと、61%が「自分では修理しない」と答え、そのうちの43%が「やり方がわからない」と答えた。

   また、自分のクルマにスペアタイヤや応急修理キットなどのパンク対策の備品があるかどうかを聞くと、43%の人が知らなかった。さらに、自分のクルマの装備内容を知っている人に、それぞれの使い方を聞くと、さすがにスペアタイヤの交換方法は86%が知っていたが、応急修理キットの使い方については、知っていると答えた人は63%だった。

下手にパンクを自分で修理すると高くつくことに

   じつは、特に応急修理キットの使い方は難しい。応急修理キットは、タイヤの中に修理剤を投入して補修するものだが、1本のタイヤに2か所以上の損傷があると修理できない場合が多い。また、キットに付属する修理剤には有効期限がある。こうしたことを知っているかどうかを聞くと、7~8割以上が知らなかった。

   応急修理キットがクルマに装備されていることを知っている人でも、購入時に使い方の説明を受けた人は27%だけだから、無理もない。

   国民生活センターが各メーカーの応急修理キットを実験すると、大きな傷は修理できなかった。また、補修後のタイヤとホイールの間に充てんした修理剤が付着し、ディーラーでさらに修理する際に、よけいに作業費用がかかるケースもあった。すべてのパンク穴を発見できなくなり、結局、新品のタイヤに交換する必要がある場合もあった。

   これらが、【事例1】の「メーカーが付属の備品としてクルマに付けているものなのに、それを使用するとパンク修理ができないのは納得がいかない」というケースだ。

   こうしたことから、国民生活センターでは、こうアドバイスしている。

「まず、自分のクルマにどんなパンク対策の備品が備わっているかを把握して、取扱説明書をよく読み、その使い方を知りましょう。特に、応急修理キットは一時的な応急用であり、パンクを完全に補修するものではありません。一度使用すると、タイヤ自体の交換が必要となる可能性があります。状況に応じてロードサービスを活用することも勧めます」

(福田和郎)

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