2019年 12月 10日 (火)

「この紋所が目に入らぬか!」 ここまでキタ! 架空請求詐欺のハガキに政府の紋章

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   なんとも大胆不敵というか、あるいは権力をおちょくっているというか。日本政府の紋章である「桐花紋」(おうかもん)をあしらった架空請求詐欺のハガキが出回っている。

   国民生活センターは2019年2月22日、「もっともらしいハガキだが、決して騙されないで。無視して問い合わせ先には絶対に電話をしないように」と注意を呼びかけた。

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    かつては「葵」の御紋だった!

前代未聞?「桐花紋」をあしらった偽裁判所のハガキ

   契約した覚えのない商品やサービスをあたかも「どこかで契約した」かのように見せかけ、「架空」の費目で料金を請求して金品を騙し取る「架空請求詐欺」が最近急増している。

   国民生活センターによると、2013年の相談件数は全国で3万8000件だったが、2018年には18万2000件と約5倍に増えている。

   主に電話やハガキを使って架空の料金を請求してくるが、手口も巧妙化しており、「法務省管轄支局国民訴訟通達センター」「地方裁判所管理局」「民事訴訟管理センター」「消費生活相談センター」といった、もっともらしい機関を名乗るケースが多い。

   そんななかで最近、日本政府の紋章である「五七の桐」の「桐花紋」をあしらったハガキの相談例が報告された。

   「地方裁判所管理局」と名乗る機関からハガキが届いた。ハガキには、「特定消費料金未納に関する訴訟最終告知のお知らせ」と書かれ、桐花紋が印刷されていた=写真1参照。事前連絡もなく、いきなりハガキで裁判所から通知が来るのはおかしいと思って、消費生活センターに相談が寄せられたのだ。

写真1 桐花紋が使われた架空請求詐欺のハガキ(国民生活センター提供)
写真1 桐花紋が使われた架空請求詐欺のハガキ(国民生活センター提供)

   しかも、威圧的な内容だった。「貴方の利用されていた契約会社、ないし運営会社から契約不履行による民事訴訟として、訴状が提出されました事を御通知致します」とあり、「裁判取り下げ最終期日を経て訴訟を開始させて頂きます」と問答無用といった調子だ。そして、「裁判取り下げ等のご相談」の電話番号が明記され、連絡するよう誘導しており、連絡がない場合は、「原告側の主張が全面的に受理され執行官立会いの元、給料差押え及び動産、不動産物の差押えを強制的に履行させて頂きます」と恫喝している。

   水戸黄門の決めゼリフ「この紋所が目に入らぬか!」とばかりに政府の紋所を突きつけられたら、大いに不安になるだろう。

   首相官邸のホームページによると、首相などが記者会見をする時の演台に「五七の桐」の紋章を付けているが、「いつからどういう由来で使用しているかは定かではない」という。

   明治5(1872)年に重大な儀式に着用する「大礼服」を定めた時に、その上着に「桐花紋」を用いることにした。現在は、外国からの賓客を接遇する晩さん会の招待状や食器、また閣議室の大臣席の硯箱や大臣の表彰状などに使用しているという=写真2参照。由緒正しい紋所なのだ。

写真2 内閣総理大臣の「五七の桐」紋章(首相官邸ホームページより)
写真2 内閣総理大臣の「五七の桐」紋章(首相官邸ホームページより)

電話で問い合わせたら一巻の終わり

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に応じた国民生活センター相談情報部の井上竜一さんは、こう説明する。

「桐花紋が使われた架空詐欺のハガキは、まだこの1通しか確認していません。これまでの相談例の統計では紋所のことまで調べていないからです。しかし、いかにも公的機関からのように桐花紋をあしらっており、非常にだまされやすい悪質なケースだと考えて、あえて公表して注意喚起を促しました」

   そして、こういうハガキを受け取った時の注意点として、こうアドバイスをした。

「正式な裁判手続では、訴状などは『特別送達』と記載された、裁判所の名前入りの封書で郵便職員が直接手渡すことが原則となっており、ハガキで郵便受けに投げ込まれることは絶対にありません。また、何の料金の請求なのかまったく書かれておらず、『書面での通達となりますのでプライバシー保護の為、ご本人様からご連絡いただきます』と記載されており、本人から連絡することを強調しています。相手は口車に乗せるのが得意な詐欺の巧者です。電話で話したら、巧みに脅してお金をだまし取られてしまいます。無視して絶対に電話してはいけません」

   どうしても心配だったら、最寄りの消費生活センターへ。(福田和郎)

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