2019年 12月 8日 (日)

「年収600万円の仕事やめて専業主婦に」女性の投稿に賛否両論! 専門家に聞いた

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   「年収600万円超の仕事を辞めて専業主婦になるべきかどうか」――。悩める女性の投稿が話題になっている。「もったいない! 頑張って働き続けて」、いや「家庭に入って子育てを楽しんだら」と賛否両論だ。

   夫の年収は2000万円超という。一見、ぜいたくな悩みのようだが、働く女性が抱える問題が凝縮されている。女性の働き方に詳しい専門家に聞いた。

  • 高収入で子育てしながら働くには……
    高収入で子育てしながら働くには……

「お金があるなら家事を外注にして頑張って!」

   話題になっているのは女性向けサイト「発言小町」(2019年3月30日付)に載った「年収600万円の仕事は辞めたらもったいない?」と題する投稿だ。

「30代後半、フルタイム正社員の兼業主婦です。2人の幼児と小学生1人を育てながら育休後2年働いてきました。私の年収は600万円超。このまま働き続ければ、定年時には年収800万円を超えると思います。夫は毎日深夜帰りですが、年収2000万円超あります」

と一般人がうらやむ境遇ながら、悩みをこう訴えた。

「今は育休後なので楽な部署にいますが、1年後に忙しい部署に異動する事を打診されています。今の定時帰宅でも家事・育児との両立にまったく余裕がなく、さらに忙しい部署となると、やっていける自信がありません。キャリアを目指し家庭を犠牲にして仕事に邁進するのか、窓際社員としてでも年収600万円にしがみつくのか、専業主婦として家庭を大事にするのか悩んでいます」

   「年収2600万円カップル」のお悩み相談だ。さぞ、やっかみや皮肉の回答が寄せられると思いきや、ほとんどなかった。「仕事を辞めるな」「頑張れ!」という熱い応援エールが8割、「仕事を辞めて家庭を大事にして!」という親切なアドバイスが2割と賛否がはっきり分かれた。

   「仕事を続けて!」という意見の中には、「家事を外注にすれば」という提案が目立った。

「2000万円の夫ならワンオペ育児でヘトヘトですよね。窓際でも続けるに一票。その代わり家事は外注丸投げ。家政婦さんでもよし、最近は何でもあります。稼いだお金の半分が飛んでも、子どもが大きくなるまでの一時的出費と割り切って! 一人で家事も育児も仕事も、で忙殺される時代ではありません」
「大丈夫。ご飯なんて1品、自動調理鍋に任せればいい。いや、毎日お弁当届けてもらえばいい。掃除はお掃除ロボットに。洗濯物は自動洗濯乾燥のあと畳まなくていい。ただ、子どもと一緒にご飯を食べ、お風呂に入れ、一緒に寝ればいい」
「私は家事と教育を外注しています。プロの調理師に夕飯の作り置きをしてもらっています。誰が作ったかより、誰と一緒に食べるかが大事。こどもは塾通いですが、フォローを近所の個別指導者にお願いしています。この程度の外注だと、合わせて月5万円程度で済みますよ」

「いつ離婚してもいいように仕事は続けて」

   また、年収2000万円超とはいえ、「夫をあてにするな」という声も。

「夫の収入は関係ない。別れる可能性がない夫婦なんていないし、死なない夫はいない。私は夫や姑から仕事を辞めてほしいと言われましたが、譲りませんでした。その後夫は転職する羽目になり、資格取得にお金がかかり、私が無職だったら大変でした。夫は、辞めてくれと言ったことなど忘れた顔です」

   何より、「妻の自立と自由」と「仕事のやりがい」を強調する声が多かった。

「私は何があっても仕事を辞めません。自分独自の収入や年金があることの『自由さ』は計り知れないです。夫が病気になろうと、死別しようと、安定した経済基盤で子供を育て上げる義務を担っている者として、仕事は必須です」
「私も同じことに悩みましたが、辞めずに管理職昇進を引き受け、今年収は800万円。辞めずに続けてよかった。管理職の仕事は子育てと似ているところがあり、面白いし、自分は管理職に向いているなという新発見もありました」

「心と時間の余裕がないのがつらすぎ」

   一方、「辞めた方がいい」と勧める意見の中には、「ゆとり」と「心の豊かさ」を強調する人が多かった。こんな声が代表的だ。

「それだけ夫に収入があれば、私なら子供とゆとりある時間を選びます。私も年収500万円以上ありましたが、家に帰ればグッタリ。休日もグッタリ。疲ればかり家庭に持ち帰っていたので辞めました。ちゃんとできなかった家事を楽しみながら過ごしています。夫もそんな私を見るのが嬉しそうです」
「私が辞めた最大の理由は、豊かな生活をするためにお金を得ていたのに、普段の生活がまったく豊かではなくなったから。毎日楽しくなくて、心と時間の余裕がないのが辛すぎました。子供にもっと手をかけたい。子供はあっという間に手が離れるからそれまで頑張れという考えもありますが、私は逆に、手をかけられる時間が実は貴重かなと考えました」

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、「年収600万円捨てるべきかどうか論争」の意見を求めた。

――平均よりかなり年収が高い夫婦なのに悩みがある点で、この投稿には女性が働くうえでの色々な問題が詰まっている感じがします。

川上敬太郎さん「今回のような高収入女性を対象にしたわけではありませんが、『働く主婦が本当に望む働き方とは?』という調査を行ったことがあります。すると、『短時間非正規社員』が39%、『短時間正社員』が33%で、7割以上の人が短時間勤務を望んでいました。『フルタイム正社員』と答えた人は13%だけでした。
ところが、同じ人たちに『もし家庭の制約がなく、自分のために100%時間を使うことができる場合はどうか?』と尋ねると、62%が『フルタイム正社員を望む』と答えました。働く主婦層は、得てして家庭の事情を優先して自分の本当の希望を押し隠してしまう傾向があります。今回の相談者にも、高い年収とは裏腹に本当の希望が満たされない窮屈さを感じます」

「一度家庭のしがらみを横において、考え直してほしい」

――回答は「頑張って働き続けて」という声と「専業主婦になって子どもの面倒をみたら」という意見にはっきり二分されました。

川上さん「どちらにも一理あります。逆に言えば、どちらかが正しくどちらかが間違いだとは一概には言えないと思いました。働き続けることで得られるものもあれば失うものもあり、辞めることで得られるものもあれば失うものもあります。寄せられた声はとても参考になるものだと思います」

――「働き続けて」という意見の中には、「離婚した時のために仕事を続けるべき」とか、「家事を外注したら」など、ドライというか、新しい考え方が目立ちます。

川上さん「経済的に自立しているか否かは、自分の人生を自分自身で決めるうえで最も重要な要素だと思います。専業主婦であることに後ろめたさを感じてしまう人の声を聞くと、その多くは経済的に夫に依存していることが原因になっています。家族の中に自分だけ囚われるのではなく、個人としての自分のあり方にも目を向けた方がいいというアドバイスです。
家事の外注も合理的なアドバイスです。仕事も家事もすべて引き受けて完ぺきにこなさなければという状態から解放されないと、ただただ疲弊してしまうことになりかねません」

――一方、「辞めた方がいい」という意見の中には、「自分も年収は高かったが、疲れてゆとりがなかった」などと、働き続けることによって心理面で追いつめられる状況を訴える声が多かったです。

川上さん「自分が本当にやりたい仕事なのか、望む働き方なのか、一度家庭のことやこれまでしがらみを横において、考え直していただきたい。その上で、本当は他にやりたい仕事があることに気づいたり、あるいは家事や育児に専念したいという思いに気づいたりできれば、自分が納得して進むべき道が見つかると考えます。
投稿で気になったのは、相談者が育休を取得したことが出てきますが、夫が育休をとったのかどうか不明です。相談者だけが家事、育児を担っている印象を受けます。毎日深夜帰りという夫の働き方も心配です。相談者が今の仕事を続けたいと思うなら、夫と向き合ってお互いの働き方をどうしていくのか、家事や育児をどう協力していくのか、しっかり話し合ってほしいです」

(福田和郎)

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