2019年 11月 19日 (火)

1ドル100円割れもあり得る! 急低下する米国金利 対中貿易戦争に米国の出方は?(志摩力男)

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   米中の対立が新しいステージに入り、多くの人々にこの問題が長期化することが理解されてきました。

   両者の対立は確実に景気減速を招きます。世界経済が風雲急を告げ始めたことを反映し、金融市場が揺れはじめたのです。

   米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は2万7000ドルを目前に反転し、現在2万5000ドルを割り込み推移しています。原油価格は4月の高値66ドル台から急落し、現在52ドル台となっています。最もダイナミックな動きを見せているのは、米国の長期金利。少し前まで2.6%台だったが、2.1%を割り込み、2%スレスレのところまで下がってきています。

  • 米国金利が急低下、1ドル100円割れもあり得る……(写真はイメージ)
    米国金利が急低下、1ドル100円割れもあり得る……(写真はイメージ)

FRBの金融緩和シフトは内々に市場関係者に伝わっている

   米中対立が深刻化しているとはいえ、米国経済は今のところ堅調です。失業率は過去最低レベルの3.6%、毎月のように20万人近い新規雇用を生み出しています。米連邦準備制度理事会(FRB)も、今は「忍耐強く」政策を継続する時期と言っています。

   「利上げとは言わないが、利下げするとも言ってはいない」。それなのにどうして、2017年9月の、北朝鮮がミサイル実験をしていた頃のレベルまで米国の長期金利が低下しなければならないのでしょう。

   それは常々トランプ米大統領が求めていたように、米中貿易戦争を側面支援するため、金融緩和の方向に政策をシフトすることになったからだと考えます。

   最近の米連邦市場公開委員会(FOMC)の議事録を読んでも、内部でどのような議論がされて金融政策の方向性が決まってきたのか、さっぱりわかりません。それは、金融政策に関する本当の議論がFOMCの外で話し合われているからでしょう。そしておそらく、FRBが金融緩和方向へ政策シフトする意向であることは、すでに内々に市場関係者に伝わっているのだと考えます。そうでなければ、この米国の長期金利の下落は説明がつかないのです。

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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