「開幕まであと1か月」を英語で! 盛り上がり必至「ラグビー」ネタは早慶出身の管理職に効く(井津川倫子)
夏休みを終えて、羽田空港の到着ロビーで真っ先に目にしたのは「One year to go!」(開幕まであと1年!)の文字。「東京オリンピックまであと1年」とアピールする看板でしたが、ちょっと待った!その前にラグビー・ワールドカップ(W杯)があることを忘れていませんか?
じつは、ラグビーネタこそ、ビジネスに効くのです。
「巨人」を倒して「大番狂わせ」
初のアジア開催となるラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開幕まで、とうとう1か月を切りました!
ラグビー大ファンの私は、4年前の大会で強敵南アフリカを破った「史上最大の番狂わせ」の感動を、きのうのことのように思いだします。
Japan marks one month to go until Rugby World Cup kicks off
(日本でのラグビーW杯開幕まであと1か月となった)
kick off:開幕
Japan's victory over South Africa is one of the great giant-killing acts
(日本が南アフリカに勝利したのは、最も大きな大番狂わせの一つだ)
giant-killing:大番狂わせ
日本語でも使われる「giant-killing」(ジャイアントキリング)は、明らかに格上の相手から勝利をもぎ取ることで、サッカーの試合などでも使われるようです。じつは、前回W杯の南アフリカ戦で、体格的に勝る強豪チーム相手に懸命にタックルを仕掛ける日本人選手の姿こそ、まさに「giant-killing」! 直訳すると「巨人を殺す」で、聖書に描かれている、Giant(巨人)を倒す少年の物語がその語源だそうです。
ところが、この「giant-killing」、海外ニュースではさほど頻繁に見かけません。調べてみたらイギリス英語のようで、アメリカ英語ではなじみが薄いようです。
ちなみに、「大番狂わせ」という表現でよく使われるのは「upset」。
「It was a big upset」(それは大番狂わせだった)という使い方を覚えておくといいでしょう。
「できるオジサマ系」に効く、ラグビーネタ!
日本では、野球やサッカーといった他競技の人気に押されがちなラグビーですが、ビジネス界に限っては、意外とラグビーファンが多いのです!
しかも、管理職になっているような「できるオジサマ系」にラグビー経験者が多く、「雑談ネタ」として超オススメです。
もともと英国のエリート校で始まったという歴史もありますが、早稲田や慶応、明治、同志社といった難関大学のラグビー部が強かったこと、サッカーや野球のようにプロチームが存在しなかったことから、ラグビーは「頭のいい大学生がやるスポーツ」というイメージがありました。
さらに、熱戦の後は敵味方のない「ノーサイド」として相手を称えあうスポーツマンシップも、「紳士のスポーツ」としてエリート層に好かれる理由のひとつでしょう。
実際、4年前のW杯の時は、取引先のオジサマたちとラグビーネタで大いに盛り上がりました!「えっ、君はラグビー知っているの?」と、W杯の話題に触れたとたん、急に対応が優しくなったオジサマの多かったこと......。
この時ほど、小さい頃からラグビー場につれて行ってくれた亡父に感謝したことはありません。
それでは、今週の「ニュースは英語」は、「~まであと○にち」という表現を取り上げます。ラグビーW杯や東京オリンピックなど、ビッグイベントが目白押しですから、「今すぐ使える」便利なことばです。
One month to go until Rugby World Cup
(ラグビーW杯まであと1か月だ)
One year to go until Tyokyo2020
(2020東京オリンピックまであと1年だ)
誕生日や結婚式といったプライベートなイベントにも使えます。
Only three days to go until our wedding!
(私たちの結婚式まで、あとわずか3日だ!)2 weeks to go until your birthday
(君のお誕生日まであと2週間だ)
「~ days to go until Rugby World Cup」と、ラグビーW杯の開幕まで「あと○日」とカウントダウンしてもいいでしょう。コミュニケーションを円滑にする秘密兵器として、ラグビーW杯を大いに楽しんでみてはいかがでしょうか。(井津川倫子)