2019年 11月 17日 (日)

漂流する仮想通貨 「流行っている」といえる理由を言おう!

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   「仮想通貨は終わった」――。2018年の下落相場以降、もう何十回も聞いてきた言葉です。この「終わった」は、仮想通貨の価格を指していることになるのですが、筆者が仮想通貨を知った2014年は、ビットコインが2万円台。そこから比べると、何十倍にもなっています。

   また、2018年は30万円台から一時150万円まで上昇するなど、怒涛の回復を見せました。つまり、仮想通貨は「終わった」と言われながら、価格的にはまったく終わっていないのです。

  • 仮想通貨は終わったのか……
    仮想通貨は終わったのか……

仮想通貨は流行っているか!?

   では、仮想通貨は流行っているのでしょうか――。

   今回は、検索状況と代表的な金融商品である株式とFX(外国為替証拠金)取引と比べて、仮想通貨の流行り具合を分析したいと思います。

■2017年夏と同じレベル

   世の中のトレンドを知るための一つとして、特定のキーワードがどれだけ検索されたかという指標があります。これはGoogleトレンドで知ることができます。

   仮想通貨の代表的なキーワードである、「仮想通貨」と「ビットコイン」の検索度合いを過去3年間で見てみましょう。

出所:Googleトレンド
出所:Googleトレンド

   当然ですが、価格が急騰した2017年末から2018年1月にかけての期間が、一番盛り上がっています。

   ただ、2019年5~7月は、過去1年では一番の盛り上がりを見せています。現在の数値は2017年の夏頃と同じレベルとなっており、ちょうど仮想通貨の分裂騒動でテレビにも取り上げられた時期となります。

   当時は、仮想通貨が何なのか知らない人が多く、検索する人もかなり多かったのではないでしょうか。そう考えると、今も仮想通貨はそれなりに流行っていると言えるのではないでしょうか。

口座数と取引高、預かり資産を比べたら......

   次に、仮想通貨の口座数と取引高、預かり資産を株式・FXと比較してみたいと思います。

【仮想通貨】

   仮想通貨の口座数等に関するデータは、自主規制団体である日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が認可済みの仮想通貨交換業者の数値として公表しています。

   2019年8月の公表データによると、口座数は約300万口座、このうち稼働口座は62%とされています。また預かり資産は3792億円あり、仮想通貨では2889億円分を保有しています。

   そして、取引高は約4.6兆円あり、日に1200億円程度と換算できます。しかし、2018年4月から7月にかけて、レバレッジ取引の倍率が引き下げられた影響等で、5月の13兆円から激減しています。なお、取引高の内訳は、現物取引が約5866億円。証拠金取引が約4.1兆億円となっています。参考:https://jvcea.or.jp/about/statistics/

   ちなみに、コインマーケットキャップによると、グローバルの月間取引高は180兆円となり、日本の取引高が僅か3%程度と小さなものになっています。

【株式投資】

   圧倒的に数が多い証券口座は、なんと2480万口座(「顧客口座数」は、保護預り残高のない口座を除く)。やはり「投資」といえば、株式というだけのことはあるようです。

   一人当たり、平均3つの口座を持っているようですが、それでも株式投資家の人口は700万人以上いることになります。

   そして、預かり資産は400兆円もあり、最大手の野村證券ホールディングスの預かり資産は100兆円を超えています。これは法人の預かり資産も含めますが、兆単位の預かり資産があることは間違いなさそうです。

(出所:日本証券業協会「会員の主要勘定および顧客口座数等」)

   東証一部の取引高は1日2兆円程度ですから、月間で44兆円程度の売買代金がある計算となります。これだけでも東証二部や新興市場の取引高を入れると、月間100兆円程度になります。じつに、仮想通貨の20倍以上ですが、これは個人と法人、海外投資家などのすべての取引を合わせた金額です。

   個人の取引額は全体の20%程度となるため、月に18兆円程度となります。

(参考データ:日本取引所グループ「投資部門別売買状況」)

   それを考えると、仮想通貨の取引高が非常に多くのものに見えてきます。

仮想通貨は日本人の投資人口を増やす「カンフル剤」

【FX】

   では、FXはどうでしょうか――。

   日本のFXは、GMOクリック証券が世界一の取引高となっているなど、世界的にFXが流行っている国です。個人向けのFX会社のデータを見てみましょう。

   個人のFXが始まったのは1998年からと、歴史が浅いのですが、口座数は750万口座にのぼります。このうち、稼働している口座は1割程度だと言われています。

   しかし、預かり資産を見ると7500億円と仮想通貨の2倍程度。仮想通貨の場合、2017年末に爆発的に増えたことから、特殊なケースだと推測できます。

   一方で取引高をみると、月に300兆円越えと圧倒的です。これはレバレッジが25倍あり、株式の約3.3倍、仮想通貨の4倍と比べて高いからに他なりません。

(参考データ:金融先物取引協会2019年10月15日公開「2019年9月 店頭FX月次速報」)

金融商品別データのまとめ

   これまで説明してきた数値を表にすると、以下となります。

※ 預かり資産は、個人と法人を含む
※ 預かり資産は、個人と法人を含む

   こうしてみると、2017年に「仮想通貨元年」として流行り始めた仮想通貨は、かなり健闘していると思いませんか。

   なかでも、口座数はFXの半分ほどに迫っています。580兆円もの資産流出事件という大規模な事件があったにも関わらず、たとえば仮想通貨交換業者のGMOコインの口座数は、グループ内のGMOクリック証券のFXの口座数の2倍以上の伸びで増え続けています。仮想通貨は、日本人の投資人口を一気に増やすカンフル剤となったと言えそうです。

   仮想通貨を保有する米国人が、2018年の2倍に増えているとの報道もあります。

(参考リンク:「仮想通貨を保有するアメリカ人が去年(2018年)の2倍に増加」(2019年10月25日付「みんなの仮想通貨」)

   これだけの口座数があることを考えると、「仮想通貨は流行っている」という結論にしてもいいのではないでしょうか。(ひろぴー)

ひろぴー
FX・仮想通貨トレーダー兼コラムニスト。
サラリーマントレーダーとして、「FXリアルトレード対決!」で優勝するなど、数多くの実績を残す。 現在はラジオ日経で投資番組のパーソナリティを務める傍ら、「ザイ!FX」や「みんなの仮想通貨」などのポータルサイト大手での執筆活動にも精力的に取り組んでいる。2015年からは仮想通貨の可能性に注目。仮想通貨への投資を開始した。香港系プライベートファンドにも運用している。
仮想通貨Webサイト:Bitcoin-FXも運営しており、仮想通貨情報発信も行っている。
・仮想通貨ブログ ビットコインFX:https://bitcoin-fx.jp/
・初心者もできる、ビットコイン・イーサリアム投資情報サイト:https://btc-eth.jp/
・Twitter:ひろぴーFX@仮想通貨
児山 将(こやま・しょう)
2009年の大学4年時にFXをはじめ、一度は飲食店の店長として働くも相場に関りたく金融メディア大手に就職。記事執筆とサイトのディレクションを行う。FX以外にも、株、指数、オプション、商品、仮想通貨など多岐に渡る商品を取引。現在はフリーランスとしてサイト制作やコンテンツ制作を行いながら個人投資家として活動する。
・Twitter:児山 将
・初心者でもできる、ビットコイン・イーサリアム投資情報サイト https://btc-eth.jp/
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