2020年 12月 3日 (木)

中国発イノベーション TikTokの「動画革命」は日本でも起きるのか?

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   中国発のショートムービーアプリ「TikTok(ティクトック)」は、日本をはじめ世界各地でも人気を集め利用者が増えている新タイプのSNSだ。

   本書「TikTok 最強のSNSは中国から生まれる」は、TikTokの成り立ちや、人気の理由を中心に、そのアプリを生んだ「バイトダンス」という企業についてや同社のあとを追うスタートアップがひしめく中国のイノベーション事情までを解説した。いま中国全土を覆う「動画革命」が間もなく日本にもやってくるという。

「TikTok 最強のSNSは中国から生まれる」(黄未来著)ダイヤモンド社
  • 「動画革命」が間もなく日本に……
    「動画革命」が間もなく日本に……
  • 「動画革命」が間もなく日本に……

著者は中国の「浦島太郎」

   著者の黄未来(コウ・ミク)さんは、本書のプロフィールによれば、1989年、中国・西安市生まれ。6歳のころに両親とともに来日。その後、中国に帰った期間はあったが、小学校、中学校、高校とも日本で学び、早稲田大学先進理工学部に進学。華僑的ビジネスを引き継ぐ家系だったこともあり、2012年に大学を卒業すると三井物産に入社しビジネスキャリアを積んだ。

   本書が説き起こされるのは、2018年にMBA(経営学修士)留学のため、三井物産を休職し中国・上海へ渡ったところからだ。20年ぶりの長期帰国。到着するやいなや「中国で進展していた2つの革命の洗礼」を受けたという。「キャッシュレス革命」と「動画革命」だ。

   キャッシュレスについては断片的ながらも中国の先進ぶりは伝えられており、心構えはできていたつもりだが「キャッシュという存在が社会から消えつつあるといっても過言ではない状況」にたじたじ。屋台や露天商、街頭パフォーマーまでQRコード決済を導入しており、日本などとは逆に、現金を使うときにサインが要る場合があるという。

   著者にとって「より衝撃的」だったのは「動画革命」だ。上海では街行く人々が手にスマートフォンを持っているのはもちろんだが、市民はあらゆる場所で動画を見ていたのだ。日本でも電車やバスの待ち時間に、また、それら乗り物の中で、ほとんどだれもがスマホを手にしているが、興じているのはそれぞれゲームだったり、SNSだったり、ニュース記事やショッピングもあり、中に何人かが動画を見ているというところだ。だが、中国では、大半がなにかしらの動画をみており、それが、いずれも数分程度のショートものだった。

   それが、TikTokの中国版「Douyin(ドゥ―イン)」。日本でTikTokといえば、ユーザーは若者というイメージだが、中国では地方の小さな街でも屋台で食事を売る「おじさんやおばさん」が、自分が調理している様子をスマホでライブ配信。見た人がアプリの「投げ銭」機能を使っておひねりを出してくれればラッキー、といった程度の感覚でやっているという。中国全土の14億人が総ユーザーであり、総クリエイターというような状況になっていたのだ。それはカメラの機能が優れたスマホが普及したからではない。アプリの機能が、そう仕向ける仕組みを備えているからなのだ。

   著者は上海に渡り、見聞きした様子をブログで報告。本書はそれをもとに加筆、編集した。しばらくのちに著者はTikTokを開発した会社、バイトダンスで働きはじめるが、本書は、入社前の個人的な見解をまとめたものと断っている。

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