2024年 4月 18日 (木)

それはサービス精神? それとも自己犠牲?? お酒の席での自分の守り方(くぼた茜)

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   年の瀬が押し迫ってきました。年始にかけて、お酒の席が増えますよね。

   忘年会や新年会などのお酒の席は好きで、その場には足を運びたいのだけれども、お酒を飲むのが嫌だ......。盛り上げなければならないのが嫌だ......。プライベートなことを聞かれるのが嫌だ......。お酒の席での悩みはさまざまなことがありますよね。

   アルコールは脳の大脳新皮質という理性をつかさどる部分の反応を鈍くします。悪気はなくても、ふだんならしない発言や行動をしてしまったり、エスカレートしてしまったりすることがあります。他者を不快にさせる発言や行動は、もちろん行うべきではありません。

   最近は「アルハラ」などの言葉もあり、他者に対するハラスメントは意識的に気を付けている方もいらっしゃいますが、じつは自分自身を不快にする発言や行動を無意識のうちにしてしまっているケースがあるのです。

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宴席で「重宝」される私、帰り道はどっと疲れが......

   お酒の席で重宝される気遣いができて、よく笑い、トークも面白く、盛り上げ上手でサービス精神が旺盛な人。でも、じつは盛り上げようと頑張って、本当は飲みたくないお酒を飲んでしまう。上司や先輩からの無茶ぶりに一生懸命応えすぎてしまう。

   その場を盛り上げたい、相手に喜んでほしい、という思いはとても素晴らしいものですが、それが行きすぎてしまうと自分自身が疲弊してしまいますよね。

   みんな楽しそうにしていたし、自分自身もたくさん笑った。けれども帰り道には、どっと疲れた自分がいる。

   なにを隠そう、私自身がそうでした。

   「場を盛り上げなければ!」と思い、率先してお酒を飲み、本当はうれしくない「イジリ」に笑顔で返し、笑いをとらなければ、楽しんでもらわなければと必死になり、明日も仕事なのに断り切れずに2軒目3軒目......。そして、次の日は二日酔いでパフォーマンスを落としてしまう。

   恥ずかしながら、20代半ばの頃はそんな悪循環の毎日を送っていました。「仕事のために」と思って行く忘年会で、仕事のパフォーマンスを落としてしまっては本末転倒ですよね。

   そして一度そういったものを提供してしまうと、相手は次からも同じように、そういったサービスを求めてくるようになります。それが重なることで、お互いに「暗黙」の利害関係が生まれてしまいます。

   もちろん、目的があって意図的にそのポジションをとっていたり、それが心から楽しくてそうしているのであれば問題ありません。

   しかし、「そうしないと自分には価値がない」という思いがベースにあるのであれば、それは手放しましょう。そこに自分の価値を見出すのではなく、本来の自分自身にしっかりと自信を持ちましょう。

「ノリが悪いと思われてもかまわない」くらいの気持ちで丁度いい

   たとえば、お酒を進められた時、本当は飲みたくないのであれば、断ってかまわないのです。答えたくないプライベートの質問をされたときは、無理して答える必要はありません。気分を害することを言われたときは、笑わなくてかまいません。

   ただ、相手も決して悪いことをしようと思っているのではありませんよね。そこであからさまに不機嫌になってしまったり、感情を出しにしてしまったりすると、その後の関係に影響が出ることも考えられますよね。

   断る時は明るくサラッと断れば、そんなにも場の空気も悪くならないはずです。

   最初は相手も驚くかもしれませんが、それでも自分自身が軸を持っていれば、きちんとそのように接してくれるようになります。

   心配な方は、ぜひ想定されるシチュエーションの対策を考えておくといいでしょう。

「あの人にこう言われたらこう返そう」
「これを聞かれたらこう返そう」

などと、しっかりとイメージしておきましょう。

   その際は自分の表情や声のトーン、その場の空気までイメージしておくと、なおいいでしょう。明確にイメージしておくことで、実際にその流れが来た時に落ち着いて対処が可能になります。

   そして、終わったあとはきちんと自分を守ったことを自分自身でほめることが大切です! これまでと違ったことをするのは少し勇気が要りますが、その一歩一歩が心を鍛えていきますよ。(くぼた茜)

くぼた 茜
くぼた 茜(くぼた・あかね)
1987年生まれ。Bloomer's Salon代表。ON+OFF認定メンタルトレーナー
10代から地方でモデルとして活動。その後、ユニット活動で海外・日本全国のイベントに出演したほか、テレビCMや雑誌・新聞などで活躍した。しかし上京後、芸能界で活動する中でさまざまな緊張やプレッシャー、人間関係などのストレス負荷を受け、耐えきれずに挫折。メンタルヘルスの大切さを実感した。その経験を生かして、現在はメンタルトレーナーとして活動している。
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