2024年 4月 20日 (土)

理不尽をチャンスに変えろ! いまのビジネス社会をどう生き抜く?

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   ビジネスパーソンに求められるのは、まずは仕事を処理する能力です。すぐやるからこそ、量をこなせる。まずは、「すぐにやること」「動き出すこと」が大切です。

   当然、いくつもの仕事が重なってきます。そのためには問題処理能力、優先順位の判断、そしてトラブルシューティングをあらかじめ準備することが必要になります。それでも、あまりにも多くの仕事を押し付けられたとき、「絶対に無理だと思ったことを可能にする仕事術」があります。

「『明日やろう』『後でやろう』がなくなる すぐやるスイッチ」尾藤克之著(総合法令出版)
  • 会社は理不尽なことばかりで……
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会社内の理不尽にどうやって対抗する?

   仕事に対する考え方や、取り組む姿勢。具体的な仕事の処理方法、トラブルシューティングの実例。どういう資質、資格などが便利なのかを紹介します。

   私がとあるコンサルタント会社に勤務していたときのエピソードです。いまでも、この出来事を思い出します。筆者が中心となって進めていたプロジェクトがありました。簡単に言えば、ピアノの販路開拓プロジェクトです。

   当時のピアノ市場は、ヤマハとカワイで9割のシェアを占めていました。しかし、国内には多くのピアノメーカーがあり、大手に対抗すべくピアノ組合を設立していました。とはいえ、この販路開拓はそう簡単なことではありません。

   想定された販売チャネルはホームセンター、通信販売、音楽大学などでの実演販売、百貨店などの4経路です。しかし、チャネル先と交渉していくと全滅となります。価格と、ピアノの大きさがクリアできません。

   数日頭を空っぽにして、なんとか別の可能性がないものか模索しました。その結果、一つの可能性が浮かび上がります。それはショールーム販売でした。

   当時、大きなショールームを所有し、価格と大きさの問題をクリアできる場所は、日本に1か所しかありませんでした。数年前に経営権を巡る父娘の騒動で有名になった家具メーカーです。さっそく連絡をしてみたところ、現社長とコンタクトが取れ、幸運にもすぐに当時の社長(父親)と面会することができました。

   結果的に、ショールーム販売は実現して話題になります。

   しかし、最終報告会を前に筆者はプロジェクトから外れました。最終的にこのプロジェクトは頓挫します。外れたあと、ショールームに置くピアノをめぐって調整がうまくいかなかったのです。なぜか、最終的に頓挫した責任は押し付けられることになりました。1週間後、新規開拓専門部署に異動になります。その後、自分なりに検証し退職を決意したのでした。

上司に不満をぶつけて物事が改善したことはない?

   みなさんに、お聞きしたいことがあります。不満を上司にぶつけて何か改善したことがありますか?

   私の知りうるかぎり、状況が改善されたケースはあまり聞いたことがありません。むしろ、不満分子としてチェックされることのほうが多いのではないでしょうか。

   古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスは、著書「弁論術」で、次のように述べています。

「口答えしたり、罪を否定したりする者に対しては、我々は一層厳しい懲罰を加えるが、罰せられて当然であると認めている者に対しては、怒りをおさめる。人間は自分に刃向かってくる相手に対しては、主張している内容が正しかったとしても、言われた側は自分の意見を否定されたように感じて逆に怒りを覚える」

   アリストテレスは紀元前300年頃(今から約2300年前)の古代ギリシャの哲学者ですが、「弁論術」はレトリックの経典とされています。レトリックとは、公衆の面前などにおいて、聴衆を魅了・説得する方法や、人間関係の原則を説いたものです。現代の私たちが思い悩んでいることは、すでに2300年も昔から変わっていないことを痛感させられます。

   会社はとかく理不尽なものです。理不尽な理由で責任を負わされることもあります。本書で紹介した内容は、今のビジネス社会を生き抜く大切な要素を含んでいます。うまく活用すればあなたに共感を持ってくれる人脈が広がることでしょう。そして、社内外であなたの意見に賛同してくれる人たち、あなたと同じ意見や価値観を持っている人たちを巻き込んで、少しずつ大きな波へと成長していくことでしょう。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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