2024年 4月 25日 (木)

【年末は本を読む!】就職や転職、投資に役立つ 「目利き」の経営コンサルタントが明かす「伸びる会社」の見抜き方

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   就職や転職、あるいは投資などに際して、目的の会社の経営状況や将来性を知りたいと思えば、インターネットを検索すれば容易に情報が手に入る。

   しかし、その中には一方的な評価や意図的に流されたウワサも混じる、いわば「玉石混交」の状態だ。真偽を見極めず、鵜呑みにするとえらい目に遭う可能性もある。

   本書「伸びる会社、沈む会社の見分け方」は、その情報が真実なのか、あるいはフェイクやデマなのかを見抜くための一冊。

「伸びる会社、沈む会社の見分け方」(小宮一慶著)PHP研究所
  • 東京には数えきれないほどの会社があるが…
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「ヒト」「モノ」「カネ」の動きがカギ

   著者の小宮一慶さんは、多くの会社経営に関わり、それらの成長、繁栄、そして時には衰退の様子を見てきた経営コンサルタント。現在は11の会社の社外役員や顧問を務める。大学卒業後には都市銀行に勤務。この間に米経営大学院でMBA(経営学修士)を取得し、帰国後その銀行でM&A(企業の合併と買収)業務などに携わった。その後、コンサルティング業に転じ、1996年に小宮コンサルタンツを設立した。ビジネス、経営についての著書も数多く、ビジネス誌にもしばしば寄稿している。本書は「会社を『目利き』する力をつけよう」という狙いで刊行したという。

   会社を見分けるための大事なポイントは、会社の「ヒト」「モノ」「カネ」の動き。それらを多角的にみられるよう、第1章「ユーザー目線」で見分ける、第2章「社員の姿勢や社風」で見分ける、第3章「経営者の姿勢」で見分ける、第4章「財務諸表」で見分ける―― という4章建てで構成した。

   各章は、数項目~十数項目のチェック項目を用意。それぞれに「○」「×」に分けて、チェックポイントを説明している。たとえば、第1章「ユーザー目線」にある「ホームページをチェック」の項目では、「○」が「見やすくて、大事なことがきちんと書かれている会社は誠実」、「×」は「ホームページがない、あっても情報が古い会社は成長が望めない」―― という具合だ。

   第1章の「ユーザー目線」は、就職したいと考えている会社の将来性や、あるいは取引先の会社が成長を期待できるかどうかをみるうえで有用という。チェック項目の一つは「『研修中』の名札」だ。著者の採点は「×」。見習い社員の「研修中」の名札は、顧客に対し、研修生なので不行き届きがあるかもしれないが、それは見習い中なのでお許しを―― という言い訳をしているにすぎないと指摘する。

「『その分、お値引きさせていただきます』というならわかる。しかし、そういうことはあった試しがない」

   こうした名札を使っているのは、企業側が顧客のことをきちんと考えていないことの表れと著者はみる。「プロ野球のルーキー投手が『新人で緊張しているので、デッドボールが多くても許してください』と言ったら、認めてもらえるでしょうか」と問いかける。

   新人だから大目にみてほしいというのは、会社側の事情を顧客に押し付けた行為。こうした「自社ファースト」の姿勢はダメな会社の典型であり、伸びる会社は新人を一人前に仕立て、プロ意識を持たせたうえで現場に送り出すという。

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