2020年 1月 20日 (月)

【BuzzBiz2020】広がるSDGs意識 企業はもちろん、消費者にもできる「食品ロス削減」

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   2020年、SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)への対応はますます広がるだろう。いまやSDGsは、企業活動の柱に据えられている。地球環境保護や気候変動対策、貧困や飢餓をなくすこと、質の高い教育、ジェンダーの平等、エネルギー対策、つくる責任・つかう責任、すべての人に健康を、働き方改革......。「17の目標」が設けられ、2030年までに目標の達成を目指す。2019年にプラスチックごみが社会問題化したのは記憶に新しい。一つひとつ、世界が課題解決に向けて取り組みはじめている。

   今年、日本は東京五輪・パラリンピックで、たくさんの外国人旅行者が訪れる。世界中から日本は見られることになる。そんななか、「食品ロスの削減」は、企業はもちろん、誰にでも取り組める活動だ。しかも地球環境の改善や飢餓問題の解消につながる。

  • 「食品ロスの削減」は、誰にでも取り組める活動
    「食品ロスの削減」は、誰にでも取り組める活動

年間600万トン超が「食べられるのに捨てられる」

   「食品ロス」はSDGsのターゲットの一つになっている。農林水産省によると、日本の食品廃棄物は年間2759万トン。そのうち、食べ残しや売れ残り、消費期限が近いなどの理由で、食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」の量は年間643万トン(食料需給表 2017年度)と推計されており、日本の人口一人当たり年間約51キログラムの食品ロスになる。毎日、大型(10トン)トラックで約1700台分にもなるという。

   ちなみに、世界の食料廃棄量は年間約13億トンで、人の消費のために生産された食料のおおよそ3分の1(国連食糧農業機関の「世界の食料ロスと食料廃棄(2011年)」)を廃棄している。

   その一方で、日本の食糧事情をみれば、家計における食費は、消費支出の4分の1(総務省「家計調査 2017年度」)を占めている。また日本は食料の多くを海外からの輸入に依存しており、食料自給率(カロリーベース)は38%(農林水産省「食料需給表2017年度)」)だ。

   つまり、大量の食料を生産、輸入しているのに、その多くを捨てている現実がある。経済的なムダが生じているとともに、大量の食品ロスが発生することで多くのごみ処理に多額のコストがかかることや、ごみを燃やすことで発生する二酸化炭素(CO2)の排出量や焼却後の灰の埋め立てなどによる環境負荷がある。さらには、世界の子どもの7人に1人が食事に困っている状況がある。

天気予報で商品需要を予測、「ラベルテープ」で食品ロスを削減

   農林水産省と環境省の調べによると、日本の食品ロス量の年間643万トンのうち、規格外や返品、売れ残り、食べ残しなどの事業で生じる食品ロスは352万トンで、食べ残しや手つかずの食品(直接廃棄)、皮の剥きすぎ(過剰除去)、消費(賞味)期限切れなどを要因とする家庭の食品ロスは291万トンになっている。

   いずれにしても、この600万トン超の食品ロスを、企業と消費者が減らしていかなければならない。

   日本気象協会は、天気予報で培った最先端の解析技術で商品の需要予測を行い、食品メーカーでの生産量の調整や小売店での仕入れの見込みをサポートするサービスで、食品ロスの削減をサポートしている。

   気象データをもとに、小売店からの発注量を予測してメーカーが商品を事前に生産する「見込み生産」から、小売業者の発注を受けてからの「受注生産」に変更することで、サプライチェーンの食品ロスを削減する活動だ。

   小売業向けの商品需要予測サービス「売りドキ!予報」も展開。商品の売れ時を事前に把握し、商品の製造量や仕入れ量を調整することによって、食品廃棄を防ぎ地域環境の保全にも貢献するとしている。

   日本気象協会によると、2017年に「商品需要予測事業」を開始。気温の変動や季節により異なる、人間の暑さへの感じ方を表した「体感気温」をSNSの気温に関する「つぶやき」データを基に数式化して、精度の高い需要予測を実施。その結果、寄せ豆腐で約30%、冷やし中華つゆで約20%の食品ロス削減を実現したという。

   絆創膏や野菜を束ねるテープなどを製造するニチバンは、「『美人冷蔵庫』収納術で、食材を使い切ろう!食べ切ろう!」と、呼びかける。食品ロスの削減につながるラベルテープを開発。冷凍食品の袋やスナック菓子の袋などの仮止め、密封用として使ったり、食品保存容器やフリーザーバッグの中身や日付などを表示したり、メモ用として使ったりと、ラベルテープを使った「美人冷蔵庫」収納術で、冷蔵庫の「見える化」による食品ロスの削減を提案している。

   流通大手のイオンは「3R(Reduce、Reuse、Recycle)」の手法を用いて、廃棄物ゼロを目指している。2025年までに、食品廃棄物の半減を目指す数値目標を掲げ、また10月を「食品ロス削減月間」の取り組みとして、消費者への啓蒙活動を強化している。プライベートブランド商品の賞味期限の年月表示化や、保存容器による食品ロスを出さないライフスタイルを提案する。

   また、セブン&アイ・ホールディングスは10月の「食品ロス削減月間」に合わせて、食品ロス削減に向けたキャンペーンやイベントをグループ各店(約400店舗)で実施。食品ロスの約半分は家庭から出ていることを受け、消費者といっしょに食品ロスについて考える。家庭の食品ロスの削減支援として、「エコレシピ」の配布や調理実演などを実施する。

   エコレシピは、食材を最後まで使いきることで、ゴミも少なく、環境にも経済的にもやさしいと訴求。店舗スタッフが、長年培ってきた知恵や工夫を生かして食品を使いきれるレシピを考案する。食品の保存方法などのミニ知識も紹介している。

食品ロスの削減、カット野菜に追い風!?

   SDGs意識の高まりで、スーパーやコンビニエンスストアで売られている「カット野菜」の売れ行きが好調だ。

   種苗最大手のタキイ種苗が、全国の20~60代の男女310人を対象に実施した「野菜に関するアンケート 2019年」(期間2019年11月8日~12日、インターネット調査)によると、「食品ロス」への意識・行動について聞いたところ、「意識している」と答えた人は56.5%(「強く意識していた」11.3%と「ある程度意識していた」45.2%の合計)だった=下図参照

食品ロスの削減へ「意識していた」人は56.5%
食品ロスの削減へ「意識していた」人は56.5%

   このうち、食品ロスを削減するために何らかのアクションを起こしている人は78.7%、うち女性は87.7%にのぼった。具体的には、「食べ切れる量だけ購入する」が51.6%と最も多く、なかでも女性は60.6%の人が「食べ切れる量」を意識して購入をしている。次いで「冷凍保存など、長持ちさせる保存方法を工夫」の38.4%で、これも女性では48.4%と、約2人に1人が実践していることがわかった。「規格外や訳ありのものも積極的に購入する」人も28.7%にのぼり、野菜を購入する際に「食品ロスの削減」を意識していた。

   また、食品メーカーや農家などの企業や小売店などに「食品ロスの削減」のために取り組んでほしいことを聞くと、1位は「バラ売りや少量での販売」で43.2%の人が答えた。2位は「規格外や訳あり品の販売」の42.3%、3位が「つくり過ぎの防止」の35.5%、4位に「品質を長期間保てる容器・パッケージなどの開発・採用」の21.9%と続いた。いずれも女性からの期待値が高いことがわかった。

   そういった消費者から支持されているのが、「カット野菜」だ。カット野菜の購入経験がある人は2年連続増の79.7%と約8割にのぼり、ますます浸透が進んでいる。また、「食品ロスの削減」を意識していると答えた人では、全体より7.2ポイントも高い86.9%の人がカット野菜の購入経験があることが明らかになった。「使い切れる量」という点が、カット野菜が支持されている理由だ。

   食品ロスの削減策について、調査には、

「多段階な見切り品値引きなど、古いものを買いやすくする」(42歳、男性)
「賞味期限の廃止、消費期限の改善」(23歳、女性)
「持ち帰れるようにする」(37歳、女性)

   といった声が寄せられた。

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