【株と為替 今週のねらい目】「米国VSイラン」沈静化? 乱高下のあと、マーケットはどう動く!(1月13日~17日)

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   米国とイランの軍事衝突で幕を開けた2020年。インターネットでは、「第3次世界大戦」がキーワードとなり、跳ね上がったものの、トランプ米大統領の声明などを受けて中東情勢の警戒感が後退したことでドル売りもひと息ついた。一方、中国の劉鶴副首相が1月13日から訪米。15日には米中通商協議の「第1段階」合意文書に署名する方向で、引き続き相場を支えることが期待される。

   乱高下のあと......。どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 米国VSイラン、くすぶる火ダネ(写真は、ホワイトハウス)
    米国VSイラン、くすぶる火ダネ(写真は、ホワイトハウス)
  • 米国VSイラン、くすぶる火ダネ(写真は、ホワイトハウス)

東京株式市場 地政学リスクで神経質な展開

日経平均株価予想レンジ:2万3500円~2万4000円

   2020年1月10日(金)終値 2万3850円57銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、神経質な展開のなか、もみ合いが予想される。

   前週の日経平均株価は、乱高下の展開となった。米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を爆撃により殺害し、イラン側が報復措置として駐イラク米軍基地へのミサイル攻撃を行ったことで、中東の地政学リスクの高まりを受け、大発会から日経平均株価は大幅に下落した。

   しかし、イランのザリフ外相の「事態激化や戦争を求めていない」との発言や、トランプ米大統領が会見でイランとのさらなる対立激化を望まない姿勢を示したことで、中東の地政学リスクが後退し、日経平均株価も大幅な反発となった。

   今週の日経平均株価は、中東の地政学リスクがくすぶっていることから、神経質な展開のなか、もみ合いが予想される。米国とイランの対立激化は回避された格好とはなっているが、未だに一触即発の状況だ。半面、15日に米中貿易協議の第一段階合意が予定されており、株価には好材料として働くだろう。10日に発表された12月米雇用統計が市場予想を下回ったことから、今週も米国の経済指標には注意が必要だ。中東問題、米中貿易協議、米国景気などの材料に対して、神経質な展開となりそうだ。

東京外国為替市場 くすぶる緊張、ドル上値重く

ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~110円50銭

   2020年 1月103日(金)終値 1ドル=109円46銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが伸び悩む展開か。

   前週のドル円相場は、乱高下した。年始早々に米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を爆撃により殺害したこと、イラン側が報復措置として駐イラク米軍基地へのミサイル攻撃を行ったことで中東の地政学リスクが高まった。

   リスク回避のドル売り・円買いから、ドルは一時1ドル=107円台半ばまで下落。しかしその後、両国がさらなる事態の激化を望まない姿勢を示したことで、中東の地政学リスクが後退し、ドルは1ドル=109円台半ばまで値を戻した。

   今週のドル円相場は、中東の地政学リスクが後退しつつあるといっても、引き続き緊張状態にあることで、ドルの上値は重く、伸び悩みが予想される。15日の米中貿易協議の第一段階の合意は、ドル買い材料となりそうだが、ドルを大きく押し上げるほどではなさそうだ。

   2019年12月の消費者物価指数や卸売物価指数、小売売上高、住宅着工件数などの、米国の注目される経済指標が発表されることから注意が必要。

   経済指標は、国内では14日に2019年11月の国際収支、12月の景気ウォッチャー調査、15日に日銀支店長会議で黒田東彦総裁の挨拶、地域経済報告(さくらレポート)、12月の工作機械受注、16日に11月機械受注などが予定されている。

   海外では、14日に12月の米国消費者物価指数、12月の中国貿易収支、15日に12月の米国卸売物価指数、16日に12月の米国小売売上高、17日に12月の米国住宅着工件数、12月の米国鉱工業生産、10~12月期中国GDP、12月の中国小売売上高 、12月中国鉱工業生産などが予定されている。

(鷲尾香一)

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