2024年 4月 26日 (金)

【襲来!新型コロナウイルス】「首都封鎖」Xデー秒読み! その時、東京はどうなる? ネット民「早く非常事態宣言をせよ!」の声

初めての方ご注目!プロミスなら最短1時間融資でお急ぎでも大丈夫!

   東京都を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、安倍晋三首相がいつ「非常事態宣言」を出し、「首都封鎖」(ロックダウン)に踏み切るのか、国民の関心が高まっている。

   経済系シンクタンクの試算によると、「首都封鎖」をした場合、経済的損失は2.5兆円から5.1兆円になるとみられており、莫大な被害を受けるのは必至だ。

   しかし、ネット上では

「国民の命のほうが大事だ。欧米のようになっては手遅れ。早く非常事態宣言を出すべきだ」

という声が圧倒的だ。

   「首都封鎖」のXデーはいつになるのか。そして、何が起こるのか――。

  • 世界最大の都市・東京をどうやって封鎖する?
    世界最大の都市・東京をどうやって封鎖する?
  • 世界最大の都市・東京をどうやって封鎖する?

シンクタンクの予想は経済損失が2.5兆円~5兆円

   「非常事態宣言」については2020年3月30日、日本医師会が記者会見を行い、「もう発令していい時期だ」と訴え、経済同友会も31日、桜田謙悟代表幹事が個人的な見解と断ったうえで、「だらだら続けるよりは早く実施したほうがよい」と発言。また、小池百合子都知事も31日、「国家としての判断が今、求められている」と述べ、早急に発動するよう促した。

   もう秒読みに入った感がある「首都封鎖」だが、経済面ではどんな影響を与えるだろうか。

   野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏のリポート「首都東京ロックダウン(都市封鎖)が経済に与える打撃」(2020年3月26日付)によると、「1か月間の東京封鎖で2.5兆円、GDP(国内総生産)の0.4%が失われる」という。

「(欧米のように違反者に刑事罰を科す)私権制限はできないが、東京都民の外出や他の都道府県からの東京都への流入がかなり制限されることになるだろう。これは、主に個人消費活動に甚大な悪影響をもたらす」

と指摘する。

   その根拠はこうだ。東京都の経済規模を確認すると、東京都の県内総生産は104.5兆円(2016年度)だ。全国のGDPに占める比率は19.0%と、2割近くにも及ぶ。

   「首都封鎖」で人の移動が厳しく制限される場合、GDPの需要項目の中で最も顕著な影響が出るのが個人消費だ。ただし、生きていくための飲食費などは変わらず支出される。また、家にとどまっていても光熱費などは使われる。家計調査統計(2019年、総世帯)の消費項目の中から、首都封鎖下でも変わらず消費される項目を家計調査統計のデータから以下に抽出した(カッコ内は、消費全体に占めるそれぞれの構成比)。

食料・飲料(25.4%)
家賃(4.3%)
光熱・水道(7.4%)
医療サービス(2.6%)
通信(4.5%)

   これらの項目の構成比の合計は44.2%。残り55.8%が首都封鎖下で失われる消費となる。木内氏はこう説明する。

「東京都の消費が55.8%減少すれば、日本全体の個人消費を2.49兆円減少させ、GDPを0.44%押し下げる。ちなみに、1か月間の首都封鎖であっても、それによって失われる需要は、東京五輪延期が2020年GDPに与える影響を上回る計算だ」

   一方、第一生命経済研究所の首席エコノミスト熊野英生氏のレポート「現実味を帯びてきた首都封鎖~封鎖時の経済損失はマイナス5.1兆円~」(2020年3月30日付)によると、1か月の首都封鎖だけでも経済的損失はもっと大きくなり、実質 GDP が5.1兆円も減少する。これは木内氏の試算の2倍近い損失だ。また、同様の封鎖措置が神奈川・千葉・埼玉県を含む南関東全体で実施されると、マイナス8.9 兆円とさらに経済損失が膨れ上がるという。

   その計算の根拠はこうだ。熊野英生氏は、首都封鎖になった場合、企業の稼働率が平日の出勤状態から日曜日並みに下がると仮定した。そして、2015年のデータをもとに、企業の稼働率は約6割(58%)減ると試算した。東京の昼間の就業者数は約800万人だから、約6割が出勤しないと約460万人が自宅待機の状態になる。これから、1か月間首都封鎖すると名目GDPが5.1兆円減少、さらに封鎖状態を南関東全域に広げると、損失はマイナス8.9兆円に膨れ上がる。

   熊野英生氏は、

「この数字でも大変楽観的すぎるかもしれない。実際の首都封鎖は(さまざまな施設・娯楽の自粛などで)普段の日曜日の生活よりもさらに息苦しいものになる。また、東京や南関東の経済活動が平常の4割に低下すると、その打撃は全国のサプライチェーンや交易取引をも抑制させる。その波及効果はここでは考えていない」

と警告している。

「もう遅い。2週間後の東京はニューヨークになっている」

安倍晋三首相はいつ伝家の宝刀を抜く?
安倍晋三首相はいつ伝家の宝刀を抜く?

   一方、ネット上ではこうした「経済損失の心配より人の命のほうが大切だ」と、今すぐ「非常事態宣言」を出して「首都封鎖」をすべきだという声が圧倒的多い。こんな意見に代表される。

「5兆円損失とか言っている場合ではない。これ以上の動揺が広がれば、企業活動の存続が危ぶまれる。だから安倍政権としては、日銀にETF(上場投資信託)による株式購入やドル資金の供給などで市場の安定化を図らせ、その成功を祈る思いで見守っているというのが正直なところだろう。だが、それは人の生命よりも企業を優先する考え方であって、基本的に間違っている」
「『間髪を入れず』とか『躊躇なく』とか言いながら対応が遅すぎる! 都合の悪い文書はすごい勢いで捨てるのに、国民を守ることには牛歩。命よりも経済を最優先にしていると、イタリア、スペインのように全経済活動を停止しなくてはならなくなる。生活困窮者の救済プランを立てたらさっさと緊急事態宣言を出さないと、医療崩壊して未曾有の死者と経済損失が出るよ。4月になれば学校再開、新人入社、異動時期。さらに伝播の恐れもある。コロナ終息が最優先!」
「私たちも封鎖を覚悟している。最低限の仕事、食料必需品の買い出し、持病のある人の通院以外は外出しない。これをしっかり守れない国民も悪い。友人知人との旅行・観光・遊興・友会合を一切やめればいいだけだ。友達なんか3か月くらい会えなくても長い人生に影響はない。今はSNSでつながれるし」
「もう遅いと思います。今すぐ封鎖しても間に合うかな。ニューヨークの二の舞では? 東京都民の皆さん、2週間前から自分はコロナウイルスキャリアだと思って行動してきましたか? それがこれから2週間後に結果が見えてくるのです。ニューヨークは爆発的拡大をしていますよね」

   「首都封鎖」にあたってのこんな注文をする人が多かった。

「首都封鎖の際、ぜひ他県の知事さんにお願いしたいのは、首都脱出を試みる者への外出規制、接触規制を徹底的にアナウンスしてもらいたい。田舎のじーちゃん、ばーちゃんの立場で孫に会えると喜んでいる人が結構いる。危機感のない人がいっぱいいる。どんどん感染が地方に広がるから十分気をつけてほしい」
「そう。江戸時代の関所のようなものが設けられるといいけどね」
「残念ながら東京を封鎖していないことから、親が東京の学生たちを田舎へ呼び戻しているらしい。これは高齢化の進む田舎にもウイルスを拡散させていくことでもある。後手、後手に回っている気がする。今すべきは国外の制限ではなく、国内の移動制限なのだ」
「そのとおり。東京だけの封鎖を決めたら、みんなどっと全国に散らばるよ。日本は狭いから、一律封鎖でやってほしい。それくらいのことは、他国の事例で充分わかっているはず。フランスだって最初は一部封鎖だったけど、結局、全土に広げた。『東京封鎖』だけではだめだということだ」

メガ都市の東京では封鎖が無理なワケ?

「首都封鎖」を望む小池百合子都知事
「首都封鎖」を望む小池百合子都知事

   そうしたなか、「首都封鎖」は事実上無理だと指摘する声もあった。

「すでにロックダウンしているロンドンやパリ、ローマなど海外の街は、基本的に中世からの城壁都市ばかり。都市部から30分も電車に乗れば田園地帯へと風景が一変する。都市と都市の境界がはっきりしているからロックダウンが可能だ。ところが東京は違う。住宅地が郊外に膨張して境界がない。周囲の4県から1~2時間もかけて通勤してくる街で、首都圏の人口が3600万人もいる。どうやって封鎖するのだ」

   この意見についてはこんな反論もあった。

「埼玉との境の荒川の橋を封鎖、神奈川との境の多摩川の橋を封鎖、千葉との境の江戸川の橋を封鎖すればできる。物流、緊急車両以外などの通行を抑制すれば物理的には可能だ。鉄道は大幅に運行本数を減らせばよい」

   一方、少数派だが、「首都封鎖」に反対する意見もあった。

「なぜそんなに首都封鎖をしたい人たちが多いのか不思議。封鎖なんかしたらどうなるかよく考えた方がいいよ。第一、日本は欧米のように感染者が爆発的に増えているわけじゃない。よく抑え込んでいる。焦っておかしなことをやるべきじゃないよ。手洗い・うがい、できる限りの外出自粛を続けよう」
「首都封鎖なんかしたら、物流が滞って大変なことになる。だいたいマスク1つをとってもまともに流通していないのに、それが食料品にまで及ぶとなったら滅茶苦茶になるのは明白じゃないの」
「首都封鎖されて、インフラ系の仕事のひとが出勤しなくなったら電気もガスも水道も止まりますよ。それとも、その人たちには働け、感染してもいいと言うのですか?」

   最後にこんな厳しい意見も。

「信用できないリーダーたちの下での私権を極度に規制する緊急事態宣言などゴメンだ。安倍晋三首相は国民に自粛を要請しながら、夫人の花見会を追及されると逆ギレする。小池百合子東京都知事も吉村洋文大阪府知事も、国の非常事態宣言などあてにしないで、鈴木直道北海道知事のように、独自に非常事態宣言を出すべきだ。もし、鈴木さんが総理大臣なら喜んで首都封鎖に従うのだが......」

(福田和郎)

姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中