2020年 12月 5日 (土)

わたし、グレーのスーツとピンクのワイシャツとゴールドのピアスで就活する!(叶多凛)

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   真っ黒なリクルートスーツが苦手だ。

   「わたし」がその黒色に塗りつぶされてしまいそうで息苦しくなる。周りの就活生を見渡せば、黒、黒、黒。どこもかしこも真っ黒に埋め尽くされている。

   黒色のリクルートスーツが就活生の「制服」になったのは、いったいいつからなのだろう――。

  • 就活生の「制服」 黒のスーツは「常識」なの?
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「就活生のスーツ=黒」は「常識」なの?

   「就活生のスーツ=黒」という方程式は、現代の就活では、わりと無条件で受け入れられているというか、「え、それが常識だよね?」という同調圧力を感じるというか、とにかくそれに食ってかかろうとしている人にはあまり出会ったことがない。

   しかし、あえて私はここで、この「常識」に食ってかかりたい。―― なぜ現代の就活生はそろって真っ黒のスーツに身を包むのだろうか?

   その答えは、「周りの就活生がみんな真っ黒なスーツを着ているから、自分も真っ黒なスーツを着る」なのではないだろうか。

   正直に言うと、私はその感覚にものすごく違和感を抱く。モヤっとする。

「みんなが着ているから。」
「黒のスーツを着ていなかったら周りから浮いてしまうかもしれないから。」

   うん、そうかも。わかる。周りと違うことをするのは、怖い。でも、もっとあなたに似合って、もっとあなたらしさを表現できる服装があるかもしれないのに。みんな揃って「無難だから」という理由で無条件に真っ黒なスーツ。私はどうしても、その「真っ黒」が一人ひとりの個性をのっぺらぼうにしているような気がしてならないのだ。

身に着けるものから見えてくる人間性や雰囲気があるはず

   たしかに、みんなが黒のリクルートスーツを着て就活に臨むことにはメリットもある。それは、就活生一人ひとりのスタートラインを揃えることができる点だ。みんな同じような黒のスーツを着ているのだから、服装や見た目から判断を下すことは少なくなり、内面にフォーカスした採用活動が行えるかもしれない。

   しかし私は「その人がどんなものを身に着けているのか」という観点も、その人物を見極めるうえで大切な要素になるのではないかと思う。もちろん、服のセンスや趣味、見た目だけで判断されることはあってはならない。けれども、身に着けるものから見えてくる人間性やその人の雰囲気というのもあるのではないか、と思うのだ。

   黒のリクルートスーツに対してそんな複雑な思いを抱く私は、周りの就活生が真っ黒なスーツを着ているのを見れば見るほど、それを着たくないと思ってしまった。

   自分でも引くほどの天邪鬼さであるが、自分の気持ちに嘘はつきたくなかった。要するに、イタイ奴なのかもしれない。

   でも、みんな一緒の真っ黒スーツに身を包んでいたら、なんだか「わたし」が壊れていくような気がして途端にやる気がなくなってしまう。だから、潔く開き直った。「そんなに黒スーツが嫌なら、いっそ自分がハッピーな気持ちを保てる服装で就活しよう。その服装で選考に落とされたら、合わない企業だということだな。」と思い込むことに決めた。

黒スーツが苦手なわたしの選んだ「就活の制服」

   初めのうちは、スーツという指定がない限り、TPOを考えたうえで綺麗目な私服を選び、面接や説明会に臨んだ。しばらくして面接に進む機会が多くなってくると、「やはり面接という場にふさわしい服装はスーツなのかな」と考えるようになった。でも、みんなと同じ真っ黒スーツにはやっぱり抵抗がある。

   そこで、「スーツ」という枠の中でいかに自分らしくいるか、ということをマジメに考えた。その結果行き着いた先は、ダークグレーのスーツに薄ピンクのワイシャツを着て、耳には小粒のゴールドピアスをつけること。それからはこのスタイルが私の「就活の制服」になった。

   するとどうだろう。黒スーツを身に着けようとした時はあれほど気分が乗らなかったのに、途端にスーツを着るのが楽しくなってきた。薄ピンクのワイシャツもゴールドのピアスも、なんだかちょっと「仕事ができるキャリアウーマン」になったような気持ちになれて楽しい。やっと、「私らしく」就活ができる方法を見つけられた気がした。

   誤解がないように言っておくと、自分を表現できる服装なら何を着てもいいと主張しているわけではない。もちろん、「黒スーツは悪だ!」ということを主張しているわけでもない。黒スーツで、ビシッとしてやる気が出る!という人はどんどん着てほしいと思う。

   けれど、就活生の中には「本当は着たくない」と思っている人もいるかもしれない。私が主張したいのは、そんな人たちがもっと「自分らしく」就活をするために、黒スーツじゃない選択肢もありじゃない? ということなのだ。

   私は私らしく。あなたはあなたらしく。それぞれのお気に入りを身に纏って、堂々としていればいい。それで選考に落とされたのならば、その会社はあなたには合わない場所だった。それだけだと思うのだ。

   現代の就活の違和感への、小さな抵抗。だから、私はグレーのスーツと、ピンクのワイシャツと、ゴールドのピアスで就活をする。(叶多凛)

鈴木 修二(すずき・しゅうじ)
鈴木 修二(すずき・しゅうじ)
現在、東京都内の難関私立大に通っている3年生。現役就活生として、今まさに就職活動中の立場だからこそわかる、最近の就活の実態をつまびらかにしていきたい。
自分と同じ、来春(2021年)卒の学生には共感の場を、これから就活を控える2022、23年卒の学生には、就職活動にはびこる企業の体裁と内情の乖離を、正確に把握するための機会になれば、と思う。
そして、意中の企業に就職して、すでにキャリアを積んでいるであろうビジネスパーソンさんには、さまざまな企業の採用戦略をエンターテインメントとして読んでいただければ、うれしい。
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叶多 凛(かなた・りん)
現在、東京都心から少し離れた自然あふれる私立大学に、のびのびと通う4年生。「学部4年生×就活生」というのはいささか不思議に思われるかもしれないけど、そうワケありである。
現役就活生として、シューカツのあれこれを率直に書いていきたい。就活に励んでいる「同士」には、「あるある」と思わず膝を打つような、まだまだ就活なんて!という学生には、シューカツの一端を覗いてもらえるような。そんな内容にできればといいな、と思う。
テーマは「就活も楽しむ!」。いろいろな企業に赴き、さまざまなビジネスの話を聞くことができるのは、就活生だけの「特権だ!」と思っている。そんなふうに就活できたら、イヤな面接官も撃退できるかも。なんて考えている。
得意なのは、英語。今夏の東京五輪・パラリンピックでは、世界中から訪れる報道陣の手助けをするインターンシップにも登録。こちらも、ガンバル!
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