2020年 6月 6日 (土)

えっ、出版不況じゃなかったの? 発想変えればIT時代は怖くない!

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   出版不況といわれて久しい。IT化、デジタル化が要因とされるが、本書「ベストセラーの値段 お金を払って出版する経営者たち」によれば、そればかりではなく、「時代に合わせてビジネスモデルを変えられない、出版業界の旧態依然としたやり方にも大きな問題がある」という。

   本書は、時代に合わせた出版を考えるのがテーマ。提案するのは、マーケティングツールとしてのビジネス書の出版だ。

   出版不況の中でもビジネス書は、マーケティング利用に波に乗り、近年にわかに盛り上がりをみせており、ブームとも捉えられているという。

  • ベストセラーを作り出し、マーケティングの新手法に
    ベストセラーを作り出し、マーケティングの新手法に
  • ベストセラーを作り出し、マーケティングの新手法に

ベストセラーを作り出す

   書籍を出版して、ある程度の投資をすれば「ベストセラー」と作ることが可能だ。投資の方法は3つあり、それは(1)広告(2)自己買取(3)書店買取――。このうち、自己買取は、初版部数の何割かの買い取りを約束して出版を確実にするやり方。書店買取は、書店に「この本は売れる」と認識させ、店内の目立つ場所への配置を促すわけだ。

   出版業界の2019年の相場感では、3000万円ほどあれば3万部以上の売り上げが見込める。現代は「初版5000部あれば『すごいね』といわれる」時代。そうしたなかでは「大成功」といえるベストセラーだ。そこまでいかずとも、1000万円使えば「成功ライン」である1万部が見えてくるという。

   どうして、高額のコストをかけてベストセラーを?

   ビジネス書の著者は、たいていが投資家や経営者。専業の作家という場合は珍しく、本業が別にある人たちだ。たとえば、スマホアプリを作っている会社の経営社が本を出し、3万部売れたとする、(自分の買い取り分を除いて)3万人近い人が著者のことや、会社のこと、商品であるアプリのことを知るようになる。

   つまり、3000万円の投資は、「本を売るため」ではなく「自社や自社製品のマーケティング」のためであり、テレビCMや商品の広告に対するのと同じものなのだ。

   しかも、1冊の本は新聞広告1ページや、30秒のテレビCMと比べて提供できる情報量は格段に多い。また、本に興味を持って手にしてくれた人たちは、テレビCMを漫然と眺めている視聴者に比べて、「圧倒的に質の高い潜在顧客」だ。

   会社規模にもよるが、広告やマーケティングのための額として3000万円は「決して目を疑うほど高額というわけではない」というのが著者の主張だ。

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