2024年 4月 26日 (金)

【襲来!新型コロナウイルス】依存症を店に行かせないグッドアイデアは「おうちでパチンコ!」オンラインゲームのススメ

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   休業要請を出したのに従わないパチンコ店の存在が各地で問題になっている。神奈川県、兵庫県、愛知県などでは新型コロナウイルス特措法に基づき、店名を公表したが、逆に客が押しかける騒ぎになり、完全に裏目に出た形だ。

   一方、大阪府では2020年4月30日、ようやく吉村洋文知事が「休業しなかった7店舗すべてが休業に応じてくれた」と発表。東京都でも全店が休業に応じた。しかし、千葉県や茨城県などで応じていない店が多くある。

   こんななか、西村康稔経済再生担当相は4月27日の記者会見で、こうした店に対し、特措法を改正して罰則を設ける考えがあることを明らかにした。ネット上では、

「悪目立ちのパチンコ店をスケープゴートにした憲法違反行為」

という批判と、

「クラスターを防ぐには当然の措置だ」

という賛成とで大激論が起こっている。

  • やっとすべての店が休業してくれたと報告する吉村洋文大阪府知事
    やっとすべての店が休業してくれたと報告する吉村洋文大阪府知事
  • やっとすべての店が休業してくれたと報告する吉村洋文大阪府知事

「1日に数百万円の売り上げ。200万円の補償など雀の涙」

   共同通信(2020年4月27日付オンライン)は「休業しないパチンコ店に罰則も 政府、特措法改正を示唆」で、こう伝えている。

「西村経済再生担当相は、自治体がパチンコ店などに特措法に基づく休業指示を出しても従わない事例が多発するようであれば、『罰則を伴う、より強い強制力のある仕組みの導入について検討せざるを得なくなる』と強調した。現在も営業を続けるパチンコ店などをけん制する発言だが、私権の強い制約を伴う事実上の休業強制を示唆するもので、物議を醸しそうだ」

   一方、西日本新聞(4月29日付オンライン版)「休業に応じぬパチンコ店 経営者『店名公表は乱暴すぎる』」は福岡県の要請を拒否して営業を続けているパチンコ店主の言い分を伝えている。

   営業を続ける福岡県内のパチンコ店の男性店主(44)が28日、西日本新聞の取材に応じた。福岡県は29日に要請に従わない店名を公表する方針だが、店主は、

「やり方が乱暴すぎる。社会全体が『パチンコ店を悪』とする風潮に恐怖を感じる」

と訴えた。

   感染防止策としてパチンコ台を半分にし、使用済みの台の殺菌作業や店内の換気を徹底。従業員と客にマスク着用を義務づけ、マスクを持っていない客には無料配布している。店主は西日本新聞の記者に、

「お客さんは台と向き合うため、飛沫感染のリスクは低い。『3密』を避けるためにできる限りの対策はしている」

と語った。

   1日の売り上げは数百万円。売り上げが減少した中小企業に国は最大200万円、県も最大50万円の給付金を支給する方針だが、店主は、

「そんな金額では雀の涙にしかならない。従業員19人の雇用と景品納入業者などの取引先を守るためには営業を続けるしかない。県の休業要請は、必要以上に行動を制限することになり、人権侵害に当たる。憲法違反だ」

と主張するのだった。

「叩きやすいパチンコ店を突破口に政府は何を狙う?」

同様にすべての店が応じたという小池百合子都知事
同様にすべての店が応じたという小池百合子都知事

   ネット上では、西村経済再生担当相の「罰則」規定を含む法改正について、賛否両論が拮抗している。まず、反対意見では「パチンコ店はスケープゴートにされている。この罰則規定が飲食店などほかの分野にも適応されるのが怖い」という声が多い。

   法律の専門家である前田恒彦・元特捜部主任検事は、こう指摘する。

「確かに諸外国に比べると、外出禁止令を含め、もっと強制力を伴った強力な措置が必要であり、今のままだと規制が緩すぎるようにも思われます。ただ、十分な金銭的補償がなく、確実な終期すら見えない中での休業要請や指示は、『経営破綻して死ね!』と言っているに等しい。罰則規定が適用されるのはパチンコ店に限りません。もし罰則規定を設けるのなら、特措法の中に国や自治体による補償義務に関する規定をも併せて設ける必要があります。そもそも、特措法には『国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は...必要最小限のものでなければならない』という規定が置かれています。この法律が国会で審議された際、わざわざ衆参の委員会でその旨の付帯決議までなされているわけですから、今回のような事態は、まさしく国会の責任でもあります」

   ほかにも同様の意見が多い。

「欧米諸国の例を見ればわかりますが、強制力を持つならば補償もするのが国家の基本だと思います。要請であり強制でないから補償しないというのは政府の詭弁です。どの業種でも明日のメシが食えないとなれば必死になります。仮に罰金50万円を科すという罰則を設けたとしても、日銭で数百万円を稼ぐパチンコ店には意味はないでしょう」
「その法改正が成立すれば、あなたの会社にもいつでも当てはめられる可能性があることは承知していますか? 西村大臣はかなり危険な発言をしていますよ。悪者になっているパチンコ業界を利用すれば、国民の賛同を受けやすいと気づいたのでしょう」
「パチンコ店だけ叩くのはなぜ? 叩きやすいから? ガス抜きに利用されていると思う。キャバクラ、スナック、クラブ、メイドカフェ、風俗店......みんな雑居ビルの中で休業要請を無視してやっていて、パチンコ屋より飛沫感染の恐れが強いのになぜ放置? メディアも行列が絵になり、取り上げやすいからパチンコ店だけをやり玉にあげている。同じように名指ししてやめさせるべきでは?」
「パチンコの善し悪しは別にして、『3密』がいわれてから3か月近くたつが、どこか一軒でもパチンコ店からクラスターが発生した例があるのか? 『3密』が心配される理美容店や居酒屋も時間規制はあるが、営業は認められているわけだし、パチンコ店側も納得できない面はあるのだろうな」
「パチンコ店だけでなく一般企業も取り締まってほしい。うちの会社はいまだに出勤強要で3密会議もしている。社長は、『緊急事態宣言は要請であって強制ではないから従う必要がない』と言い切っている。私は、今日もウイルスを電車の中で吸い込んでいたかもしれない。うちの社長こそ会社の実名を公開でもしないかぎり動きません」

「警察力で取り締まるため、特措法より風営法の改正を」

パチンコ店に行く人を止めるには?
パチンコ店に行く人を止めるには?

   一方、賛成意見は「実名公表は効果がない。もう警察力に頼ってパチンコ店を強力に取り締まるしかない」という声が多かった。

「西村大臣はコロナ特措法を改正して...というが、改正するなら特措法ではなく、風営法や古物営業法のほうだと思う。パチンコ店に関しては換金の実態にメスを入れて厳しく取り締まれば即休業に追い込める。パチンコ店は、三店方式(さんてんほうしき)で、賭博の違法性から守られている。その仕組みを法改正によって変え、少なくとも、特殊景品の換金の際に、身分証明書による本人確認を厳格化すれば、パチンコ店に入りづらくなる人が多くなる」

   「三店方式(さんてんほうしき)」とは、日本のパチンコ店独特の営業形態のことをいう。パチンコの客はゲームの対価として特殊景品を手に入れるが、それは「パチンコ店」「景品交換所」「景品問屋」の3つの店(業者)を経由して現金化されるため、違法性が問われにくくなっているのだ。

   しかし半面、「グレーゾーン」としてよく問題になるため、自民党の中には「時代に即した風営法を求める議員連盟」が存在する。グレーゾーンではなく、いわば完全な「ホワイト」にするため、「パチンコ換金の法制化」を図ることを目的にした団体だ。

   この議員の中には、パチンコの業界団体パチンコ・チェーンストア協会の「政治面アドバイザー」(自民・維新の会・国民民主・立憲民主の計40人の国会議員)にも名を連ねている人もいる。

   その「グレーゾーン」を、逆にはっきり「ブラック」にしてしまえば、今回の「休業要請拒否」のような事態に警察力でパチンコ店を取り締まれるのではないかというわけだ。

   次のような意見が代表的だ。

「パチンコ店は出玉を景品と交換して客に渡し、客は景品交換所でお金に変え、景品交換所はその景品をパチンコ屋に売却していると建前ではなっていますが、同じ敷地内に景品交換所もあり、パチンコ店のガードマンが景品交換所に景品を売却する時に付き添うケースも多いです。三店方式で法をかいくぐっているだけで、警察は何も取り締まりません。パチンコ店は娯楽場でなくギャンブル場であると、この際、はっきりさせて、警察が介入して景品交換所で交換できないようにすれば、ほとんどの客は止まるでしょう」

すでに「おうちでパチンコ」とオンラインを始めた店も

   ところで、「この期に及んでもパチンコ店に来る客が多いのは依存症では」という指摘が多かった。そんな人に足止めをさせるグッドアイデアがこれだ!

「いま、キャバクラやホストクラブの店も、オンラインで『おうちにキャバ嬢!』『ホストがあなたの部屋に!』というサービスをやっているところが増えています。もう、パチンコしたけりゃあ、接触なしのオンラインでやればいい。やりたければオンラインでマイナンバーを入力し、年齢確認も臨時収入も管理でき、その収入分の税金も取れて一石二鳥。もちろん負けまでは減税されないリスクで!」
「おお!オンラインパチンコ。いいですねぇ~。その発想に気づかなかった。そういえば、パチスロ・パチンコのオンラインホール『777(スリーセブン)タウン』がある」

   パチンコに疎いJ-CASTニュース会社ウォッチ記者が調べると、「777タウン」とは、サミーネットワークスが提供するパチスロ(スロット)・パチンコのオンラインゲームのことで、仮想都市(タウン)の形式を採用しており、仮想通貨で24時間遊び放題だそうだ。

   このほか、バーチャルではなく、本当のパチンコ台にインターネットで接続。スマホ操作で動かす「2.5次元のオンラインパチンコ」をうたうものなど、多くのオンラインゲームが出回っていることがわかった。

   これなら、自宅で「リアルなパチンコ店」が味わえると思ったら、実際に、パチンコ店が「おうちでパチンコ」を呼びかけているツイッターがあった。

   「♯オンラインパチンコ」である。いろいろな店が、こう呼びかけている。

「【協力休業中】パチンコ副店長@......オンラインパチンコを楽しむなら是非当社のチャンネル登録をお願いします!こんな時期だからこそ動画でパチンコ、スロットを楽しもう!」

と、動画サイトへ誘導している。

「まるで4号機!? 景品交換可能で打てるオンラインパチスロがアツい理由。6号機じゃ満足できない方達にとくにオススメ!天国モードでのリアルボーナスです」
「新装開店!!スマートフォン対応しました!実機で楽しめるオンラインパチンコゲームです」

   そして最後にこんな声も。

「無料で遊べる時間短すぎだよ」

(福田和郎)

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