2020年 9月 18日 (金)

ポスト安倍に急浮上した菅官房長官の「スガノミクス」に期待できるか? 経済シンクタンクの予測を読み解くと――(2)

ルイボスブレンドだからノンカフェイン。就寝前のリラックスタイムにおすすめ。

   7年8か月の長期政権を続けた安倍晋三首相が退陣する。後任には菅義偉官房長官が本命に浮上した。

   最後の2、3年は安倍首相本人も失敗を認めたのか、「アベノミクス」と言わなくなったが、早くも「スガノミクス」という言葉が登場している。

   それだけ次期政権の景気対策の期待が高いということだろうか。国内の主要な経済シンクタンクが緊急に発表したリポートから今後の日本経済を予測すると――。

  • さまざまな「負の遺産」を残した安倍晋三首相(2020年8月28日撮影)
    さまざまな「負の遺産」を残した安倍晋三首相(2020年8月28日撮影)
  • さまざまな「負の遺産」を残した安倍晋三首相(2020年8月28日撮影)

ポスト安倍の最大の課題はコロナ対策と成長戦略の再起動

   第一生命経済研究所の首席エコノミスト、熊野英生氏も、次期政権の金融・財政政策に注目する。8月28日付リポート「安倍首相の辞任と今後の金融財政政策の課題 誰がやっても難しい次の運営」の中では、「安倍首相の長期政権の弊害によって、金融政策はもう有効な手段が残っていない。財政政策は、財政再建の目処が立たなくなっているのをどう仕切り直すかだ」と厳しい見方を示している。

「まず、金融政策では物価上昇率2%の目標を安倍政権下で導入し、まだ未達のままだ。その中でコロナ禍に見舞われた。しかし、2017 年に物価上昇率がプラスになり、一時は安定的に1%前後の上昇率を達成できていた。これは人口減少の中で完全失業率が下がってきたことが大きい。人手不足が物価上昇圧力になった。この結果をみると、1%の物価上昇率はどうにか実現できたことがわかる。今後、仮にコロナ危機が幸運にも短期収束して経済が回復したとき、物価は1%上昇に戻るであろうか」

   しかし、景気対策の手段が乏しいのが問題だという。今の日銀には追加的緩和手段がほとんど残されていない。これは日銀だけの問題ではなく、コロナ感染の下で需要対策が打てない政府の課題でもある。政府は、2020年度第1次、第2次予算を併せて巨大な追加歳出増を実施しているが、その中に需要対策としてデフレ・ギャップを埋めるものは限られている。「GoTo」キャンペーンは数少ない手段だが、感染リスクを高める可能性が強く警戒されている。

   ポスト安倍政権の最大の課題は、コロナ対策と成長戦略の再起動だと強調する。

「安倍政権の財政運営は、巨大赤字拡大を残した点で、後世から批判を受けるだろう。コロナ禍に見舞われて、財政再建は再び漂流する。2025年度の基礎的財政収支の黒字化はほぼ絶望的だ。大胆な仕切り直しが財政再建に関しては必要だ。また、今後、2020年度の巨大な経済対策の財源を明確にしなくてはいけない。ポスト安倍政権が避けて通ることのできない問題だ」
「ポスト安倍政権の政策は、まずはコロナ対策に力を尽くすことだが、感染リスクと経済刺激のジレンマがあるので難しい。金融・財政政策も大きな追加策を打てなくなっている。これまでの政権よりもずっと自由度が狭い。誰がやっても難しい政策運営になる。経済界からの求心力を得るには、安倍首相がなし得なかった成長戦略の再構築を行うことがチャンスになるのではないか。安倍政権は、医療、農業、社会保障など大きな構造改革をすると表明して、いずれも入り口で立ち止まってしまった。安倍政権のやり残した課題で最大のものとして『成長戦略の再起動』が望まれる」
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