2020年 10月 29日 (木)

「サイバーポリス」は看板倒れ!? 強制力、監視力ともに弱く、ホントの狙いはどこに......(鷲尾香一)

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「新型コロナに効く」!? 根拠のない情報に注意呼びかけ

   確かに、SNS上の誹謗中傷やデマ情報などにより、個人が精神的な被害を受け、自殺に追い込まれるケースなどが大きな社会問題となっている。つい最近もある女子プロレスラーが、テレビ番組での言動などをめぐりSNS上で誹謗中傷を受けていたとされ、それを苦に命を絶ったことが知られるところとなった。

   こうした事態に対しては、総務省が対策の検討を進めており、「発信者情報開示の在り方に関する研究会」は8月28日の中間とりまとめで、誹謗中傷の書き込みなどをした投稿者の「電話番号」を開示請求の対象とする方針を示していた。総務省は8月31日に省令を改正。電話番号を開示対象に追加した。

   さらに新型コロナウイルスの感染拡大により、ネット上ではさまざまなデマ情報が溢れている。たとえば食品や医薬品、家電などでは「新型コロナウイルスに効果がある」などの、医学的な根拠のない商品PRが数多く見られ、消費者庁などはこうした商品のPRに是正を求めるとともに、消費者に対して注意を呼びかけている。

   ただ、残念ながら、この「CYBER POLICE」は「ポリス」と銘打ちながらも、こうしたSNSの上の誹謗中傷やデマ情報などに対して強制力を持つものではない。また、監視力としてもまだまだ弱く、基本的にはネットのリテラシーに対する教育や啓蒙活動を行うためのツールに過ぎない。

   そして、さらに残念なのは、この「CYBER POLICE」をLINE上で見つけるのが非常に面倒な点だ。筆者もLINEの画面で探したのだが、結局見つけることができず、検索してどうにか見つけた。

   政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止のために実施している感染者との接触確認アプリ「COCOA」にも言えることだが、使い勝手が良いこと、さらに知名度が高く、登録者が多いことが、こうしたアプリの場合には非常に重要だ。

   果たして、アプリの利用者は増えていくのだろうか――。このまま「学習」のためのツールで終わってしまうようであれば、残念すぎる。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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