2020年 11月 26日 (木)

ドコモの怠慢に堪忍袋の緒が切れたNTT! 完全子会社化で仁義なき携帯料金引き下げ競争が始まる

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   NTT(持ち株会社)が傘下の携帯電話最大手NTTドコモを完全子会社化すると、2020年9月29日に発表した。背景には、ドコモが携帯電話市場で影響力を落としているうえ、内部改革に及び腰の体質に、NTTの堪忍袋の緒が切れたという見方が有力だ。

   NTTが4兆2500億円もの過去最大のTOB(株式公開買い付け)資金を投入してまで完全子会社化を目指す狙いはどこにあるのか――。

   菅義偉首相は、政権の目玉政策に携帯電話料金の引き下げを掲げているが、そのことが引き金になったのか? またドコモの完全子会社化はほかの携帯大手、KDDI(au)やソフトバンクの携帯料金引き下げにつながるのだろうか? 主要メディアの論調を読み解くと――。

  • 携帯料金引き下げを目玉政策に掲げる菅義偉首相
    携帯料金引き下げを目玉政策に掲げる菅義偉首相
  • 携帯料金引き下げを目玉政策に掲げる菅義偉首相

「携帯料金引き下げ」が目玉の菅政権誕生が決定打に

NTT(持株会社)本社が入っている大手町ファーストスクエア(NTTの2013年10月28日付のプレスリリースより)
NTT(持株会社)本社が入っている大手町ファーストスクエア(NTTの2013年10月28日付のプレスリリースより)

   NTTの澤田純社長と、NTTドコモの吉沢和弘社長は9月29日の共同記者会見で、「子会社化の検討は今年4月に始まった。料金値下げをやるためにドコモを完全子会社にするわけではないが、ドコモが強くなれば値下げの余力は出てくる」(澤田社長)、「子会社化の件と(菅政権が求める)値下げが結びついていることはまったくない」(吉沢社長)などと語っており、表向きは菅政権の携帯料金引き下げ要求が引き金になったわけではないと強調する。

   しかし、日本経済新聞(9月30日付)の「動かぬドコモNTT決断 『値下げ対応』で見切り 菅政権誕生も追い風」によると、菅首相が官房長官だった2018年8月に「携帯料金を4割下げる余地がある」と発言し、通信業界の政府からの値下げ圧力が強まったころからNTTとドコモの確執が始まっていたという。

「澤田社長は、当時吉沢社長らが提出した携帯料金値下げ案を、踏み込み不足だとして強い口調で突っぱねた。澤田氏はドコモに通信料金に頼らない成長戦略を期待したが、ドコモ側は通信料金の確保にこだわった。最終的にドコモ社内で値下げ幅を決めたが、澤田社長は納得していなかった」

   その後も、携帯料金値下げが不十分だという菅官房長官(当時)の圧力が続く。NTTは政府の意向は無視できないとして、新たな技術革新で価格を下げるべきだとドコモに迫ったが、ドコモは昨年6月に実施した最大4割の値下げの定着を優先させる構えを崩さなかった。

   もはやドコモ内部から改革の意欲が感じられないと、澤田社長は今年5月、自分の懐刀の井伊基之NTT副社長をドコモの副社長に送り込んだ。井伊氏は、今回更迭された吉沢氏に代わって今年12月、ドコモの社長に就任することが決まっているが、この5月の段階で「ドコモ完全子会社化」の伏線が張られていたのだ。

   日本経済新聞が続ける。

「これまでNTTからドコモに役員として異動する際、ドコモ株を購入するのが慣例だった。しかし、井伊氏はドコモ株を取得しなかった。(インサイダー情報として)ドコモ株のTOB(株式公開買い付け)を見越していたのだろう。これ以上の停滞は許されない。値下げを確約することで、政府からNTTグループの再度の結集について前向きな反応を引き出したとの観測もある」

   読売新聞(9月30日付)「NTT、ドコモ経営に不満 『保守的で内向き』シェア低下続き」も、菅政権の誕生が決定打になったという見方だ。

「9月に入って菅氏の圧力が強まる中、吉沢ドコモ社長は周囲に対し、『やることは変わらない。商売に集中する』と語り、料金の一層の引き下げに消極的だったとされる。政府と与党との距離感を重んじるNTTの澤田氏とは方向性が異なっていた」
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