2021年 6月 25日 (金)

「誤解招いた」? 菅首相の「豪華ステーキ会食」に海外メディアが速攻で反応したワケ(井津川倫子)

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   菅義偉首相の「ステーキ会食」の衝撃が、海外にも広がっています!

   新型コロナウイルスの感染者数が連日最高値を更新し、国民に「自粛」を呼びかける中での「豪華忘年会」に、海外メディアもあっけにとられたのでしょうか? 複数のメディアが速報で伝えて波紋が広がっています。

   出席者が全員、感染リスクが高い高齢者にも関わらず大人数での会食。「銀座の高級ステーキ店」「マスクもしていなかった」といった詳細が伝わるにつれて、菅首相の「無神経ぶり」が際立ちます。海外メディアも「失態だ」「腹立たしい」と、辛辣に批判しています。

  • 菅首相の「豪華ステーキ会食」に海外メディアが速攻で反応
    菅首相の「豪華ステーキ会食」に海外メディアが速攻で反応
  • 菅首相の「豪華ステーキ会食」に海外メディアが速攻で反応

菅首相は「しくじり会食」で「熱湯地獄」

   「菅首相、銀座でステーキ会食」のニュースを速報扱いで伝えたのは、ブルームバーグやロイターといった通信社でした。これにワシントン・ポスト紙などの主要メディアや各国メディアが次々と追随。瞬く間に「スガ、ステーキ」の話題は数か国語に訳されて、世界に広がってしまいました。

   どのメディアも支持率が下がり、国民の信頼を失いかけている菅首相にとって、さらなる打撃だと強調しています。

Steak Dinner Party Could Worsen Woes for Japan Premier Suga
(「ステーキ会食」で、日本の菅首相の苦悩が増した:米ブルームバーグ通信社)
woe:苦悩、苦痛、災難

Steak Dinner lands Japan's Suga in hot water for flouting virus rules
(コロナ対策を無視した「ステーキ会食」で、日本の菅首相は窮地に追い込まれた:米ワシントン・ポスト紙)
land in hot water:窮地に陥れる
flout:無視する、ばかにする

   「land in hot water」は直訳すると「熱湯に投げ入れる」で、厳しい状況に追い込まれた状態を表しています。「熱湯地獄」を連想させる生々しい表現に思わず身震いしてしまいますが、「かなりまずい状態」であることが伝わってきます。

   同じ「炎上ネタ」として話題になった「ガースーです動画」はスルーしていた海外メディアでしたが、今回の「ステーキ会食」には、かなり素早く反応しました。

   ブルームバーグは、州民に厳しい行動規制を要請しつつ、自身は高級レストランでワインパーティーをして「強烈な非難を浴びた」米カリフォルニア州知事の例と並べて、「Suga's meal gaffe」(菅首相のしくじり会食)とバッサリ。

   ワシントン・ポスト紙は、新型コロナウイルスの感染が発覚した春先から、日本人はマスクをしたり「3密」を避けたりと、「まじめに政府の言うことを聞いてきた」のに、菅首相の「ステーキ会食」は「galling」(しゃくにさわる、腹が立つ)と、怒りを込めた表現です。

   そういえば、ロックダウンの最中に家族旅行をして国民の非難を浴び、結果として辞任に追い込まれた英首相の元上級顧問もいました。政治家の「ルール違反」を厳しく追求する海外メディアにとって、菅首相の「ステーキ会食」は政治生命を危険にさらすほどの「事件」だと捉えたのでしょう。「批判は過剰反応だ(自民党・下村政調会長)」といったコメントを流す日本のマスコミとのギャップを感じてしまいます。

海外メディアに「誤解を招いた」は通用しない

   国内でも物議を醸している「国民の『誤解』を招いたなら真摯に反省する」という菅首相や加藤勝信官房長官のコメントに反応したメディアもありました。

   ロイター通信は、「Suga's activities had "caused misunderstanding" among the public」(菅首相の行動は国民に「誤解を招いた」)という加藤官房長官の発言を、わざわざカッコ付きで紹介しています。

   悲しいことに、私たちは「『誤解を招いたなら』反省する」といった政治家の「謝罪パターン」に慣れてしまっていますが、海外には通用しません。

   「大人数でステーキ会食をした」菅首相が「誤解を招いたなら反省する」と発言しても、「何が誤解なのか?」「ルールを破ったなら反省すべき」と思われるだけです。

   「誤解を招いた」の箇所を強調したロイター通信の「英訳」に、日本の政治家の「不誠実さ」や「逃げの姿勢」を意図的に浮き彫りにしている、と感じたのは私だけでしょうか?

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「misunderstanding」(誤解)を使った表現を取り上げます。

There was a misunderstanding with you
(あなたとの間に誤解があった)

There was a misunderstanding among us
(我々のなかに誤解が生じていたようだ)

Sorry for my misunderstanding
(誤解をしてしまって、ごめんなさい)

I'm sorry for any misunderstanding
(誤解が生じていたら申し訳ありません)

   「ステーキ会食」で海外メディアが強調した菅首相の「しくじり」と「不誠実さ」。いろんな意見があるかもしれませんが、コロナ禍で苦しむ国民を率いるリーダーに「ふさわしくない行動だった」という評価については、「誤解」は生じていないようです。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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