2024年 4月 27日 (土)

「尾身氏のほうがよっぽど総理に見えた」菅首相のお粗末すぎる「緊急事態宣言」会見(2)

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「全国的に医療崩壊が進んでいる」

菅首相に緊急事態宣言の拡大を直談判した中川敏男日本医師会会長
菅首相に緊急事態宣言の拡大を直談判した中川敏男日本医師会会長

   一方、計11都府県の緊急事態宣言だけで感染拡大は収まるのだろうか。日本医師会の中川敏男会長は1月14日、記者会見で「医療崩壊が進んでいる」として、宣言を全国に広げること視野に、とこう訴えた。

「全国的に医療崩壊が進んでいます。心筋梗塞や脳卒中で倒れた患者の受け入れ機関が見つからない、がんの手術が延期された、ということが現実化しています。(宣言の対象が)感染の広がりを示すデータがすべて基準を上回ってからというのは手遅れ感が否めません。感染が全国に蔓延して手遅れにならないよう、早めの全国的な緊急事態宣言も選択肢の一つだ」

と強調した。

   中川会長は14日に菅首相と面会。緊急事態宣言の全国拡大を求めたが、菅首相は明言を避けた。

   こうした訴えに対し、医療の専門家の意見は――。

   英キングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授(公衆衛生学)は朝日新聞(1月14日付)で、こう指摘した。

「緊急事態宣言は医療崩壊を防ぐための劇薬。できるだけ早く、短期間に一気に行うことが大切。宣言は昨年12月にやっておくべきだった。コロナ慣れや自粛疲れもあり、宣言後も人の移動は大きく減っていない。希望的観測で『1か月』と言っているが、危機感が伝わっていない」

   舘田一博・日本感染症学会理事長は日本経済新聞(1月14日付)で、こう嘆いた。

「4月の第1波の時と全然違う。1日あたりの新規感染者は10倍以上だ。これだけの規模とスピードで増えるとは予想しなかった。それでも逃げ腰の病院が多い。第1波で受け入れた病院が経営に大きなダメージを受けたのを知っているので、手を挙げない。大病院でも、現場が受け入れようとしても経営陣が『そんなことをしたら潰れる』と反対するケースがある」

   また、「8割先生」こと西浦博・京都大学教授は1月13日、緊急事態宣言で東京都の感染者を解除基準の1日500人未満まで減らせても、宣言を解除して対策を緩めれば、2か月もせずに再び宣言が必要な流行状況に戻るというシミュレーションを厚生労働省の専門家組織に提出した。それによると、東京五輪が開かれる頃の7月下旬ごろにまたピークがくるという。

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