2022年 9月 25日 (日)

リモートワークでやらなければならない必須の「段取り」とは

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   新型コロナウイルスをめぐる緊急事態宣言に伴い、政府や自治体は、対象の地域の事業者に出勤者数を7割削減するよう求めた。しかし、日本生産性本部が、そのテレワーク実施率を調べると、結果は全国で22%にとどまっていた。

   通信をめぐってソフトもハードも進化した現代では、テレワークやリモートワークへのシフトは容易なようにも考えられるが、本書「リモートワーク段取り仕事術」によれば、じつは、その書名が示唆するように、段取りが必要。ところが今、なかなか実施率が上がらないのは、最初の緊急事態宣言時、それとは知らず多くの企業がロクに準備をしないまま在宅勤務を始め、うまく機能しなかった経験がトラウマとなっているのだろうと納得できる。

「リモートワーク段取り仕事術」(相原秀哉著)明日香出版社
  • リモートワークするにはまず通信環境確かめて…
    リモートワークするにはまず通信環境確かめて…
  • リモートワークするにはまず通信環境確かめて…

アップトゥーデートなリモートワークを

   著者の相原秀哉さんは、業務改革コンサルティングの株式会社ビジネスウォリアーズ(東京都千代田区)の社長。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)入社。以来、業界・業種を問わずホワイトカラーの業務改革コンサルティングに従事する、業務改善のスペシャリストだ。

   段取りが必要なリモートワークではあるが、リモートワークそのものを特別視する必要はないと相原さん。

「取引先や業務委託先とのやり取りをすべて対面で行っているという人は、ほとんどいないでしょう。多くの人はメールや電話、あるいはFAXといった通信技術を使っているはずです。それは先方との間でリモートワークしていることに他なりません。会社でリモートワークを導入するというのは、それまで社外とリモートでやり取りしていたことが、部署内や社内に広がったというだけのこと」

   だが、メールや電話、FAXがツールの主役だったころに比べて現代ではテクノロジーが格段に進歩。スマートフォン、ウェブ会議ツールやチャットツールのほか、さまざまなクラウドのアプリもあり、リモートワークやテレワークを快適に行うための環境は遥かに整っている。

   アップトゥーデートなリモートワークにではまず、こうした環境を最大限生かす必要がある。そのために必要な段取りの一つが通信環境に対する認識をしっかり持つことだ。

通信環境の良し悪しが影響

「リモートワークにおいては通信環境ほど大事なものはありません。しかしリモートワークに不慣れな人の中には、その重要性を十分に認識できていないため、周囲に不要なストレスを与えてしまっている人がいます。特に最近ではウェブ会議が爆発的に普及したことで、通信環境の良し悪しが仕事への影響を及ぼすようになっています」

   通信環境の良し悪しの評価のポイントは、「回線の安定性」「通信速度」「通信容量」「通信の安全性」の4つ。自宅で使う通信の環境は概して、勤務先のものと比べていずれのポイントでも劣ることが少なくなく、会社でのときと同じように業務の遂行を進められない可能性がある。

   「安定性」とは、回線が接続した状態を継続的に維持できるかどうか。不安定な場合はウェブ会議中にフリーズするなどして、会議から離脱してしまうことがある。「速度」はデータをダウンロードまたはアップロードするときのスピード。速度が遅いとオンラインで重いデータを頻繁にやりとりする業務ではボトルネックになる。「容量」は特定の期間内に使用できるデータ量の上限。これを超えて通信を行うと極度に速度が下がったり、契約によっては通信ができなくなったりする場合がある。

   2020年の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、勤務先が急にリモートワークとなった人の中には、自宅での通信をADSLで行っている人もいて、ネットではそうした人たちからオンライン会議がうまくいかなかったことなどが報告された。

   本書では、光回線と有線・無線LANを組み合わせての端末別の使い分けや、コワーキングスペースの利用、スマホのデザリング使用などの「段取り」の例が紹介されている。ただし、それらは一般論であり、実際には「仕事の特性やライフスタイルに応じて適宜、使うネットワークをカスタマイズする必要がある」と、相原さん。業務をしっかりリモートワーク化するには、勤務先とは業務についてばかりではなく、通信環境などのソフト面や、使うハード機器についても綿密に打ち合わせをする段取りが必要だ。

自宅のWi-Fiルーターに要注意

   リモートワークの通信面で、とくにコロナ禍でクローズアップされたのは「安全性」だ。オフィスでパソコンに向かいインターネットを使って仕事をしているときには、ネットワークがしっかり保護されているのでセキュリティーを意識することなどないが、リモートワークではそれではダメだと相原さんは言う。

「恐らく在宅勤務されている人の多くは、あまりセキュリティーを意識したことがないかと思います。しかし、自宅のWi-Fiルーターを使用している場合には、セキュリティーが甘いと通信内容を傍受されるリスクがあることを知っておきましょう」

   自宅から従業員がパソコンを使ったリモートワークをする場合、その数だけ企業システムへの侵入ルートが増える。サイバー犯罪者はそのうちのセキュリティーが甘い突破口を狙っている。セキュリティーが行き届いていないと、勤務先システムへの侵入を許すうえ、自分のパソコンもウイルスに汚染されてしまう。2020年には大手電機メーカーなどが標的になった。

   本書によれば、自宅のWi-Fiルーターに関するセキュリティーのリスクの一つは、暗号化方式に弱いこと。暗号化の方式は、WEP、TKIP、AES――の3種類。このうち、WEPは容易に解読できるので、特に仕事で使う場合は要注意という。「最も解読されにくく安全性の高いAESを使うことを強く推奨します」と著者。古いルーターではAESに対応していないこともあるという。そのことを合わせて安全性についても「段取り」が必要だ。

「リモートワーク段取り仕事術」
相原秀哉著
明日香出版社
1500円(税別)

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