2021年 7月 29日 (木)

女性活躍なくして百貨店なし! 今後のキーワードは「アンコンシャスバイアス」 高島屋 人事部ダイバーシティ推進室の三田理恵さん

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   老舗百貨店の株式会社高島屋は、女性管理職比率30%を超えている。

   2015年に「子育てサポート企業」の中でも、より高い水準の取り組みを行ったことで厚生労働大臣の認定(くるみん認定)の上位「プラチナくるみん」の認定を受けた。17年には、役員・管理職への女性の登用に関する方針、取り組みと実績などから、女性が輝く先進企業「内閣総理大臣表彰」も受賞している。

   もともと多くの女性が働く職場で、女性活躍が当たり前の企業風土が育まれてきた。女性活躍のこれまでと、さらに一歩進める取り組みがどのようなものなのか――。人事部ダイバーシティ推進室の室長、三田理恵さんに聞いた。

  • 人事部ダイバーシティ推進室 室長の三田恵理さんは「男女雇用機会均等法が施行される以前から、男女ともに総合職として働いています」と話す。
    人事部ダイバーシティ推進室 室長の三田恵理さんは「男女雇用機会均等法が施行される以前から、男女ともに総合職として働いています」と話す。
  • 人事部ダイバーシティ推進室 室長の三田恵理さんは「男女雇用機会均等法が施行される以前から、男女ともに総合職として働いています」と話す。

繁忙期の日曜・祝日は「社内保育」で育児支援

――小売業、特に販売職では女性が多いように思います。御社の場合、どのように女性活躍推進してきたのでしょうか。

三田理恵さん「当社の場合、正社員には販売職という区分はなく、男女ともに総合職として入社し、同じように仕事をしています。1986年に男女雇用機会均等法が施行される以前から同じ状況です。ただ働き方の選択肢という点で2017年に転勤を望まない、地域と職種を限定する雇用区分はできています。これは性差に関係なく働き方の選択肢として設けられたものです。
1986年以前から女性の取締役も選任されており、性別に捉われない男女同一の人事処遇を行ってきました。百貨店業を主とする当社は、お客様の8割が女性ですので、その感性や生活体験を活かせる女性の活躍は当たり前という風土ができあがっていると思っています。女性を活躍させようというより、当然のように男女を等しく処遇してきたのかと思います。1992年、『育児休業法』施行前から育児休職制度を整備しており、育児のための短時間勤務制度も法を上回る制度となっておりますし、女性の多い職場ですから、従業員のニーズに応えながら制度を整備してきた結果です」

――従業員の新規採用の時点の男女比率や社員の男女比率はどのようになっていますか

三田さん「新卒採用は男女ほぼ半々で推移しています(地域と職種を限定しない区分)。正社員数では、2011年に女性が男性の数を上回りました。2019年度末時点では女性が57%です。
この背景は、女性の勤続年数が伸びていることがあります。1991年当時女性の勤続年数は6.2年でした。このころ、女性は結婚や出産を機に退職するケースが多かったと思います。当社は短時間勤務制度を1991年に導入していますので、そこから出産後も働きながら子育するということが浸透していきました。2014年には女性の平均勤続年数が男性を上回り24.9年となりました。今では結婚、出産といったライフイベントを経ても働き続けることがごく普通になっています」

――仕事と育児との両立支援は、どこに特徴があるのでしょうか。

三田さん「当社の育児休職制度は、導入時は1年でした。それが2年に延び、今は3年間となっています。従業員の要望を踏まえ、拡充してきたということです。短時間勤務も同じで5時間なのか6時間なのかなどと、勤務時間を複数のパターンから選択できます。また勤務時間を短縮すると給与減額が発生しますので、休日数を減らすことで給与減額のないパターンも設定しています。こちらも従業員の要望に合わせて拡充してきた結果、現在、育児との両立のための勤務パターンは9種類あります。そのうち、8パターンは小学校3年生終了時まで、1パターンは小学校6年生終了時まで利用が可能です。
他には、保育の支援を行っています。育児をしながら百貨店で勤務する従業員の悩みの一つに日祝日の子供の預け先がない、ということがあります。週末や祝日といった売り場が忙しい日は、自分としても働きたい、職場からも働くことを期待されているけれど、保育園や学童がお休みで預け先がない、というジレンマがありました。これを解決するために、繁忙期の日曜・祝日限定の社内臨時保育を2017年に横浜店で開始、2019年には5店舗で実施しました。残念ながら2020年はコロナ禍で開催できなかったのですが、今後状況を、見ながら再開させていきたいと考えています」
水野 矩美加(みずの・くみか)
水野 矩美加(みずの・くみか)
アパレル、コンサルタント会社を経てキャリアデザインをはじめとする人材教育に携わる。多くの研修を行う中で働き方、外見演出、話し方などの自己表現方法がコミュニケーションに与える影響に関心を持ち探求。2017年から、ライター活動もスタート。個人のキャリア、女性活躍、ダイバーシティに関わる内容をテーマに扱っている。
戸川 明美(とがわ・あけみ)
戸川 明美(とがわ・あけみ)
10数年の金融機関OLの経験を経て、2015年からフリーライター、翻訳業をスタート。企業への取材&ライティングを多く行う中で、女性活躍やダイバーシティの推進、働き方の取り組みに興味をもつ。
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