ソフトバンクは「金の卵を産む」 孫正義社長が胸を張るSVFの成長【馬医金満のマネー通信】

   みなさん、こんにちは。馬医金満です。

   ソフトバンクグループ(SBG)の2021年3月期第3四半期(20年4~12月)決算が、2月8日に発表されました。孫正義会長兼社長が同社の業績やソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)などについて説明しました。

  • ソフトバンクは「金の卵の製造業」と説明する孫正義社長(画像は、2021年2月8日の決算発表会。同社のホームページより)
    ソフトバンクは「金の卵の製造業」と説明する孫正義社長(画像は、2021年2月8日の決算発表会。同社のホームページより)
  • ソフトバンクは「金の卵の製造業」と説明する孫正義社長(画像は、2021年2月8日の決算発表会。同社のホームページより)

純利益は3兆円を突破した!

   ソフトバンクグループの2020年4~12月期決算の純利益は、前年同期比で6.4倍の3兆551億円にのぼり、第3四半期では過去最高の数字となりました。トヨタ自動車の純利益が2兆円台であることを踏まえると、日本企業の中では一つ頭抜けた感じがします。

   その中で、莫大な利益の大半を占めたのが、10兆円以上の資金を世界中のベンチャー企業に投資するソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)です。2017年から運用する1号ファンドと2020年開始した2号ファンドで合わせて、2兆7288億円の投資利益を計上しています。

   その中で最も含み益をもたらしたのが、2020年12月に上場したアメリカのフードデリバリーサービス最大手である「ドアダッシュ」です。

   SVFは2018年から4回にわたって総額約700億円を投資していますが、上場後の12月末時点での時価は約9300億円となっています。このコロナ禍の情勢で、フードデリバリーの需要がかなり増えて、株価の上昇につながっています。

   ちなみに、フードデリバリーでは同様に、「Uber Eats」のウーバー・テクノロジーズの株価も同じように上がっています。

   SVFは、起業家向けにコワーキングスペースを提供する米ウィーワークの経営問題で一時、その投資手法に疑問符がつくこともありましたが、今回の決算でかなり払拭したイメージです。

重視するのはNAV「そこを伸ばしていく」

   3兆円を超す純利益に、孫社長は「事業家として生まれ、自分の会社を起こして、この程度で満足するつもりはない」と、強調しています。NAV(Net Asset Value=資産から負債を差し引いた純資産総額)を重視しており、今後もそこを伸ばしていく姿勢を示しました。

   さらに、孫社長は「ソフトバンクグループは『金の卵』を生み出す製造業だ」とも語ったのです。確かに、ソフトバンクの創業期は通信インフラ事業に集中して投資してきました。それを2017年以降は、「これからはAI革命の時代」としてソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を開始しました。その結果、約15社の投資先が新規上場を果たすなど、「金の卵が加速度的に増えている」と説明しています。

   孫社長が経営の第一線にいる限りは、成長の原動力であるSVFが長期的に伸びていくイメージを抱かせます。

   では、また!(馬医金満)

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