2024年 4月 24日 (水)

どう防ぐ? 上司と部下の「正義」が対立しがちな職場のハラスメント【第2回】(前川孝雄)

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傾聴の姿勢を欠かさない

   上司がいつも忙しそうにしていたり、不機嫌そうにしていたりすれば、部下は上司に話しかけにくいものです。また、ハラスメントのリスクを恐れて、部下とのコミュニケーションを避けてしまっては逆効果です。

   職場でお互いに気持ちよく仕事ができる環境をつくるためには、上司からコミュニケーションしやすい環境をつくることです。ハラスメントを予防する職場づくりのために、次の二点を提案します。

   第一は、上司が部下に対する傾聴の姿勢と方法を身につけることです。ミーティングや面談で沈黙に耐えられず、自分から発言し指示しがちな上司も多いでしょう。しかし、沈黙を受けいれることもコミュニケーションです。部下の意見や気持ちを丁寧に聴き、ありのままに共感的に受け止めるのです。そして、部下がなぜそうした考えや気持ちを持っているのか、正確に理解するように努めます。そのうえで、相談やアドバイスをすることです。

   第二は、双方向のコミュニケーションを心がけることです。厳しい経営のなか、これまで以上の高い業績目標を掲げる必要があるとします。あるいは、本部など上層部から非常に高い目標を指示されたとします。ありがちなのは、組織命令なのでやむなしとし、そのまま部下に割り振るトップダウンです。しかし、現場の部下の実状に配慮せず目標を強いることは、「過大な仕事の要求」となるリスクがあります。まず、現状の仕事の負担感をよく聴く必要がります。

   また、お客様のニーズに接し、仕事の改善や創意工夫ができるのも現場の部下たちです。そこで、お客様の要望に応えながら、よりよい仕事をするためにはどうすべきか、部下と一緒に知恵を絞るのです。そして、経営上有効な情報に整理して目標を再設定、あるいは上層部に調整を上申しましょう。これは現場と経営を繋ぐ不可欠なコミュニケーションであり、管理者の重要な仕事です。

   傾聴の姿勢と双方向のコミュニケーションを重視する上司の姿勢が、ハラスメントを予防する職場環境をつくり、よりよい仕事の創造にもなるのです。

   次回からは、具体的なケーススタディを交えて、「ハラスメントが起きにくい職場を創る」経営者・上司の心得と対応のポイントを解説していきます。(前川孝雄)

※ 職場のハラスメント予防についてさらに詳しく学びたい方、また職場での研修導入を検討される方は、弊社FeelWorksが開発した「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」をご参照ください。
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