2021年 10月 21日 (木)

聖火リレーに「コロナを広げる気か!」と怒り 五輪最大スポンサーも「ナチスと同じ愚は犯すな」と鶴の一声(1)

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   「何が何でも東京五輪はやる!」という菅義偉政権の強引な決意の表れか――。

   新型コロナウイルスの感染拡大が一向に収まらないなか、2021年3月25日、東京五輪の聖火リレーが始まった。

   「復興五輪」のスローガンのもと、福島県からスタートしたリレーは観客が殺到して「密」になる場面が見られた。

   一方、五輪最大のスポンサーである米テレビ局からは、

「コロナをまき散らす、ナチスのようなイベントはやめろ」

という厳しい「鶴の一声」が発せられた。

   ネット上でも怒りの声が沸騰している。

  • 第1走者の元なでしこジャパンの面々(東京五輪組織委公式サイトより)
    第1走者の元なでしこジャパンの面々(東京五輪組織委公式サイトより)
  • 第1走者の元なでしこジャパンの面々(東京五輪組織委公式サイトより)

福島県民も「うわっ面をつくろった復興五輪なんて」

   朝日新聞(3月26日付)「復興五輪? 地元からは批判も」は、スタート地点の福島県民からの批判と疑問の声を、こう伝えた。反対住民の団体が「五輪中止」を訴える場面があったのだ。

「新型コロナの感染拡大が続く中での聖火リレーには批判も根強い。隣の宮城県では3月24日に過去最多の感染者を記録。この日、郡山市のJR郡山駅前では、五輪に反対する市民10人が『コロナ禍で福島だけでなく、日本も世界も五輪を開くどころではない』と訴えた」

   住民たちも口々に疑問の声をあげた。朝日新聞記者の取材に、福島県浪江町の佐藤治さん(75)はこう話した。

「聖火リレーで東北は元気になるだろうが、感染が広がればせっかくの元気も失われる。ひとり一人が気を付けてほしい」

   浪江町から埼玉県に越していた鵜沼久江さん(67)は、故郷を訪れて聖火リレーを見たが、複雑な心境をこう語った。

「自分の町の記念すべき日だと思って来たが、もやもやして喜べない。心の底から喜べるときにやってほしかった」

   福島県大熊町が整備した災害公営住宅に住む女性(64)は、家の近くを通る聖火リレーを見ようともせず、こう吐き捨てた。

「こんなことにお金を使っている場合なのか。10年たっても多くの人は帰らない。誰も現実を映してくれない。上(うわ)っ面をつくろった復興、オリンピックなんて...」

   毎日新聞(3月26日付)「密を避けどう機運醸成 聖火初日、対応ちぐはぐ」は、あちこちで「密」の状態が起こった実態をこう伝える。まず、聖火リレーのスタート会場のJヴィレッジ周辺に人が集まる懸念があったため、規制したことが裏目に出た。

「(Jヴィレッジ)から200メートル離れた場所には100人ほどの人だかりができていた。『聖火も見えないし、こっちのほうがよっぽど密だよ』。会社員の男性(60)は不満げだった。JRいわき駅前交差点では、聖火の隊列が来る1時間以上前から沿道に人が並び始めた。現場スタッフが『密にならないで』と呼びかけたが、先導者が見えるや、人々が車道沿いに殺到。肩と肩が触れ合い、二重三重の列ができた」

   五輪組織委が公表した聖火リレーの中断基準では、多くの観客の肩が触れ合ったりする状態が発生し、密集が解消されなければ、当該地区のリレーの取りやめを検討する、としている。しかし、いわき市の状況について組織委は、

「大きな問題もなく予定どおりに実施できた」(武藤敏郎事務総長)

と胸を張ったのだった。

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