2021年 10月 22日 (金)

「お菓子型業界を助けてください」 かっぱ橋の菓子道具店がSOS コロナ特需じゃなかった? 投稿者に聞いた

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   「お菓子型業界を助けてください」......。東京・浅草のかっぱ橋道具街(台東区)にある「馬嶋屋菓子道具店」が公式ツイッターで、こんな投稿を寄せた。

「コロナの影響で町工場さんの閉鎖が相次いでいます。そんな町工場さんの高い技術を『お菓子型作り』に注いでくれませんか? お菓子型は需要があるのに、工場は高齢化で年々閉鎖に追い込まれています」

   創業70年の菓子道具店によるSOS。投稿は反響を呼び、4000件以上リツイートされている。

   投稿した馬嶋屋でWEB統括責任者を務める櫻井裕さん(38)。2020年10月15日のことだ。櫻井さんによれば、お菓子型もそうだが、特に危機に瀕しているのが、食パンを作るための「食パン型」だという。

   会社ウォッチ編集部は21年3月22日、お菓子型・食パン型の業界の「リアル」を櫻井さんに聞いた。

  • 馬嶋屋菓子道具店の櫻井裕さん(編集部撮影)
    馬嶋屋菓子道具店の櫻井裕さん(編集部撮影)
  • 馬嶋屋菓子道具店の櫻井裕さん(編集部撮影)

コロナ禍で供給が追い付かなくなり...

   馬嶋屋は製菓・製パン道具と型を、主に販売。櫻井さんは、なぜ今回のような投稿をしたのだろうか――。

「お菓子型・食パン型づくりの職人は高年齢化し、工場は年々廃業しています。現在、当店で仕入れている工場は、お菓子型が2社、食パン型が1社しかありません。
工場によっては『子どもには継がせない』と考えているところもあり、今後工場がなくなっていくことを重く受け止めた結果、今回の投稿に至りました」

   かねてより課題であった職人の高齢化による工場の廃業に加え、コロナ禍の影響で、自宅でお菓子やパン作りをする人が急増。特に食パン型の供給がまったく追いつかない状況になったという。

小さいサイズの食パン型(編集部撮影)
小さいサイズの食パン型(編集部撮影)

   お菓子型・食パン型は、工場だけでなくメーカーでも販売している。ただ、工場製品はプロ、メーカー製品は一般の人が使うことが多いそうで、工場が廃業することでプロに製品が行き渡らなくなることを、櫻井さんは懸念している。

「馬嶋屋がある『かっぱ橋道具街』は、プロの方を相手にしている商店街なので、その方たちに道具が行き渡らないのはとても大きな課題です。なかには『特注の食パン型を作りたい』という依頼も来ますが、今は通常扱ってる商品でさえ入荷されないので対応できません」

   日本の工場製品の供給がなくなれば、自動的にメーカー製品に頼らざるを得ない。しかし櫻井さんによれば、メーカー製品の中には中国製もあり、モノによってはパーツのサイズミスなどの不具合が見られるという。

「食パン型はフタをスライドさせる形状ですが、フタがフィットしないんですよね。図面に表せない『職人の技』というのができないようです。クオリティは日本の工場で作ったモノのほうが全然いいですね。価格も、たとえば100個のうち20個が不良品だったら、その20個分を残りの80個で調整しなければならないので、当然影響してきます」
今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中