2021年 6月 24日 (木)

多国籍企業の税逃れ防止 GAFA抱え、米国は「デジタル課税」への一歩を踏み出せるのか!?

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米法人税引き上げ コロナ対策で財源確保に動く

   転機になったのが米国のバイデン政権の発足だ。イエレン財務長官が2021年2月、協議に復帰し、国際的な法人税の最低税率を目指すと表明。4月7日の主要20か国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁オンライン会議で、共通の最低税率を導入するルールについて「2021年半ばまでに解決策に至るよう、引き続き取り組む」と明記した共同声明を採択した。

   米国の方針転換の背景には、コロナ禍もある。巨額のコロナ対策に続き、バイデン大統領は3月31日に総額2兆ドル(約220兆円)規模の環境・インフラ投資計画を発表し、その財源として、法人税率を21%から28%に引き上げることを提案しており、税率引き下げ競争を止めることは、そのための絶対条件といえる。

   新型コロナウイルス危機対策の財源確保が課題となっているのは他国も同じ。米国の姿勢転換に、G20では「(国際合意の)機運が高まった」(麻生太郎財務相)、「賢明で興味深い」(ルメール仏経済・財務相)など評価の声が上がった。法人課税が強化されれば、財源確保と相まって、格差是正につながるとも期待もある。

   ただ、これをもって米国が「デジタル課税」に踏み出したとみるのは早計だ。米国はすでに新提案を示しているといい、デジタル関連に限定せず、売上高の大きい世界の100社程度を課税強化の対象にするとしている。

   具体的には、年間売上高200億ドル以上のすべての多国籍企業を対象とする考えとの報道が出ている。そうなれば、大手自動車メーカーなど日本企業にも影響が及ぶことになる。

   今後の交渉には、ほかにも難しい問題がある。G20の合意は総論賛成に過ぎず、実際に何%に最低税率を設定するかは各国の思惑がぶつかり合い、容易には決まらないだろう。どう各国に守らせ、実効性を担保するかという仕組み作りも大きな課題で、交渉の行方は予断を許さない。(ジャーナリスト 済田経夫)

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