2024年 4月 25日 (木)

緊急事態宣言のナゾすぎる要請にあちこちで反乱! 遊園地や寄席に「無観客で開催」って? (1)

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   2021年4月25日から、東京都や大阪府など4都府県に3度目の緊急事態宣言に突入したというのに、政府や自治体からワケのわからない「要請」を発令されてテーマパークや百貨店などの大混乱を引き起こしている。

   たとえば、遊園地や寄席に「無観客での開催」を要請するって、ありえないでしょう?

   要請されたほうは戸惑うばかりか、怒り心頭だ。

  • 遊園地を「無観客開催」ってどういうこと?
    遊園地を「無観客開催」ってどういうこと?
  • 遊園地を「無観客開催」ってどういうこと?

お客なしで遊園地を開けって、ナゾ過ぎる要請でしょ

   いかに意味不明の要請がさまざまな業界を混乱させていることか――。毎日新聞(4月24日付)がズバリ、「遊園地に『無観客開催を?』ナゾ過ぎる『都要請』に施設困惑」という見出しを付けて、こう報じている。

「4月25日に発令される緊急事態宣言を踏まえ、各地の商業施設や娯楽施設が営業休止や縮小に乗り出した。関係者からは『要請の中身が意味不明』『あまりに急』といった戸惑いと不満の声が聞かれた」

   として、こんな例をあげた。

「日本最古の遊園地『浅草花やしき』(東京都台東区)は4月24日朝、緊急事態宣言の期間中の休園を決めた。東京都は遊園地への『無観客開催』を求めており、事実上の休業要請と受け止めた。肥後修施設運営部長は『うちは遊園地。お客さんがいてこそ意味がある』と都の要請に首をかしげ、『あまりに急な決定で、来園者にも迷惑がかかる。もう少し早く決めてほしかった』と漏らした」
「同様に臨時休館を決定したテーマパーク『東京ジョイポリス』(東京都港区)の担当者も、そう〈無観客開催〉言われてもお客さんがいないのでは意味がない。(国や都に)いろいろな思いはあるが、感染防止を第一に考え、『休業要請に従う』と肩を落とした」
(図表1)「無観客開催」を要請する施設一覧表(東京都の公式サイト)
(図表1)「無観客開催」を要請する施設一覧表(東京都の公式サイト)

   今回の緊急事態宣言の要請にあたり、「無観客開催」のケースが増えているのが特徴だ。毎日新聞が続ける。

「日本ホビー協会は、東京ビッグサイト(東京都江東区)で4月27~29日に開催予定だった『日本ホビーショー』を中止とした。手芸用品の購入や手作り体験ができるとあって、例年10万人以上の愛好家が訪れる。だが、23日夜に施設側から『無観客イベントしか開催できない』と突然伝えられた。物品の発送もすべて終わり、これから準備にとりかかるところだった。担当者は『まさか直前に補償もない中で決断することになるとは......。関係者には申し訳ない気持ちでいっぱいです』とうなだれた」

「お笑いは社会に必要」を落語協会が反旗

   こうした突然の「無観客開催」の要請に反旗を翻した気骨のある団体もあった。お客に笑いを提供する「寄席」の人々である。

   毎日新聞(4月24日)「『寄席は必要』対策して営業」が、こう伝える。

「緊急事態宣言を受け、各地の文化施設などが相次いでいるなか、東京寄席組合と落語協会、落語芸術協会は4月24日、『寄席は社会意地に必要なもの』として、都内の『鈴本演芸場』『新宿末広亭』『浅草演芸ホール』『池袋演芸場』の4つの寄席について、感染防止対策をこれまで通り続けた上で営業することを決めた」

   というのだ。

お笑いは「社会に必要」と営業を続ける寄席(写真は、新宿末広亭)
お笑いは「社会に必要」と営業を続ける寄席(写真は、新宿末広亭)

   じつは、「無観客開催」を要請する施設に対して、東京都からの要請文に「社会生活の維持に必要なものは除く」という記載があった。東京寄席組合と落語協会は、

「大衆娯楽である落語や漫才などのお笑いと、それを提供する寄席は社会生活の維持に必要なものに該当する」

   と判断したのだった。

   浪曲定席の浅草・木馬亭も、昨年(2020年)延期した50周年記念公演を5月1日から実施する予定だ。

(福田和郎)

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