2024年 4月 19日 (金)

二極化する企業業績、同じ業界で明暗分ける「K字回復」 傾向が鮮明(1)

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

世界的な供給不足で「半導体」は好調

   こうした家電中心のメーカーに対し、インフラや工場などが中心の各社では、日立製作所が前期の5.7倍の5016億円と過去最高益を記録した。ITや人工知能(AI)を使って設備を効率的に運用・管理するサービスの需要増などが貢献した。富士通やNECも、企業のテレワークや学校の遠隔授業を支援するシステムなどが伸び、それぞれ2027億円、1496億円と、最高益を更新した。

   自動車は海外経済の回復を受けコロナ禍による打撃からいち早く脱した業種の一つだ。SMBC日興証券によると、東証1部に上場する自動車など輸送用機械の21年3月期の最終利益は前期比6割増に達する。

   この代表がトヨタ自動車で、最終利益2兆2452億円(前期比10.3%増)を計上した。感染拡大を早期に収束させた中国をはじめ、経済活動が回復傾向の米国で販売が伸びた。ホンダも中国で過去最大の179万台を売るなどで同44.3%増の6574億円。スズキが同9.1%の1464億円。スバルは前期から半減したものの、米国でシェアを伸ばして765億円の黒字を確保した。

   一方、コロナ禍より前からの課題克服のテンポで差をつけられた3社は赤字に沈んだ。日産自動車が4486億円の赤字と3期連続の赤字を計上、中国での新車投入の遅れ、米国での過剰な値引きの是正による販売低迷などが響いた。三菱自動車が3123億円の赤字、マツダも316億円の赤字だった。

   パソコンや家電、自動車の好調は「すそ野」にも波及している。家電や車向けのコンデンサーが売れた村田製作所、家電向けバッテリーのTDKなどが売り上げを伸ばした。なかでも世界的に供給不足が問題になっている半導体関連では、製造装置の特需で国内最大手の東京エレクトロンなどが好業績に沸いている。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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