2024年 4月 20日 (土)

仕事で成功したいなら「感情」を理解し「感情」を使えるようになろう!【尾藤克之のオススメ】

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感情の理解は簡単ではない

   米国デューク大学の行動経済学、ダン・アリエリー教授は、4万人の大学生を対象に、20問の計算問題を5分で解かせた後、自己採点をしてもらって答案を提出し、満点ならば6ドルをもらえるという実験を行ないました。その結果、国別、大学生の成績の優劣にも関係なく、70%の学生が嘘をつくことがわかります。

   もう一つの実験では、同じ実験の前に「私は大学の倫理規定に従います」という文書にサインをさせてから計算を解かせます。UCLA大では、旧約聖書の十戒を書かせました。すると、不正はゼロになりました。この実験は、不正が人間の本質であることと、人間には誰にでも倫理規定が存在しているということを表したものです。

   当時、私はEQ理論(感情、情動)の提唱者と共同研究をしていた世界唯一の研究機関で、ソリューション、戦略部門を統括する立場で活動にまい進していました。

   神谷さんが言う、感情の理解とは、いま流行りの「自己肯定感」に近い考え方です。「自己肯定感」は、EQでいう、私的自己意識と抑鬱性がミックスしたもので、これらを上手くコントロールするには、楽観性やセルフエフィカシーが必要になります。

   「自己肯定感」とはなにか?

   子どものころ、親やまわりの大人たちが注いでくれた愛情や肯定の言葉、承認の態度があります。愛されて育った人は、自己肯定感が強いことが多く、自己肯定感が弱い人が、周囲に肯定承認を求めてもうまくいきません。

   自己肯定感が弱いとネガティブに落ち込んだり、不安になったりすることがあります。さらに自己否定して、自己肯定感を弱める悪循環に陥ります。そんなとき、ポジティブに考え直すことができたら、自己肯定感を強めることができます。

   疲れて仕事に集中できない社員がいたとします。「上司は、今日は疲れているね。会社に来ただけで頑張ったね。無理しないで、家に帰って休んでいても大丈夫ですよ」。このように言われれば、社員は休んでいることに後ろめたさを感じるものです。逆に、「馬鹿もん!お前はたるんでいる、そんなのは自己管理の問題だ」と言われれば、一気にやる気がなくなります。

   人の自信とやる気をはぐくみ、自己肯定感を高めるコツとはなにか。この本には、人の感情を理解するためのいくつかのヒントがかくされています。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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