2024年 4月 24日 (水)

下落傾向のビットコイン相場に挑む 先手を打った職業大学校、明大と同志社大は様子見(第1節)【暗号通貨バトル Aグループ】

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   「大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトル」には5大学6人が参戦する。AグループとBグループに分かれた6人の学生トレーダーが6か月間の勝負に挑む。折しも、暗号通貨の代表格、ビットコイン相場は大きな下落を経験。波乱含みのスタートだ。

   コロナ禍の不安定な経済情勢に株式市場や外国為替、商品相場に、投資家たちのさまざまな思惑がからみ、暗号通貨市場は翻弄されそう。そんななか、手元の1万円をどこまで増やしていけるのか――。

   Aグループは、明治大学、職業能力開発総合大学校、同志社大学が競う。動いたのは職業大学校のさっちん。昨年の「カソツー大学対抗戦」を経験している強みからか、確実に利益を得た。

  • 暗号通貨で投資バトル! どこまで増やせるか!!
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イーサリアムに期待!(明治大学 城正人さん)

   みなさん、はじめまして。明治大学の城正人と申します。

   実際に資金を投入して取引したり、マイニングやイールドファーミングにも挑戦しています。短期的な値動きに惑わされることなく、技術、本質を見極め、今後いけるといいなと考えています。どうぞよろしくお願いします。

   ◆ 最近気になったニュースの考察
2021年5月13日、米国の電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロンマスクCEOが、ビットコイン(BTC)は環境に対して悪影響を及ぼすとツイッターで発言し、テスラの自動車を購入する際にBTC決済の利用を停止することを発表しました。

   これを受けてBTC価格は急落。2020年後半から調子良く上昇していた暗号通貨相場でしたが、暗号通貨の普及に積極的であったイーロンマスク氏による手のひら返しということかなり影響が大きかったようです。

   悪いニュースは続くもので18日、21日には中国がビットコインへ対抗する姿勢を表明したことで一気に市場が冷え込みました。

(出典:Crypt proより5月13日の画像)
(出典:Crypt proより5月13日の画像)

   そもそも、環境に悪いことはたびたび指摘され続けていました。ビットコインには中央管理者がいませんから、システムを維持するために、世界中のコンピュータを利用しています。多くのコンピュータを利用するわけですから当然大量の電気を使用します。また、GPUというコンピュータ部品が必要になるため、ただでさえ半導体不足であるにも関わらず、ビットコインをはじめとした暗号資産の影響でGPUの調達に深刻な影響が出ています。

   こうした点が、イーロンマスクが指摘した「環境に対し悪影響を及ぼした」と指摘した点だと思われます。より環境負荷の低い方式へと切り替えることが決まっている暗号通貨としては、イーサリアム(ETH)が代表例として挙げられています。

   ETHの話をしてしまうと長くなってしまうので今回は割愛しますが、私はETHにかなりの期待を寄せています。

   ◆今週の取引
今回の下落の主な要因としては、BTCの環境への影響、さらに中国の暗号通貨規制の懸念であると考えられます。もちろん2020年末以降、暗号通貨市場は急速な上昇を続けてきましたから、一たんの調整局面も必要だと思われます。

   そこで、環境負荷に対して有効な解決策を有しておきながら大きく下落したETHへの投資を検討しました。

   しかし、「落ちるナイフは掴むな」という相場格言もあります。もう少し市場が落ち着き、どのテーマの暗号通貨に資金が流入するのか見極めてからでも遅くはないのではないかと考え、今週は取引なしという結果に終わりました。

   ◆まとめ
2020年以降、機関投資家や企業の暗号通貨への投資が話題になることが一気に増加しました。サスティナブル投資が求められるこの時代、投資先商品が地球環境、社会にどんな影響を及ぼすのかきちんと見極めながら投資をしなければどんなに良い商品でも機関投資家から無視され放置され続けるかもしれません。

   そう言った点も今後の投資をする上で重視していきたいと思います。
取引なし。ポジションなし。プラス・マイナスゼロです。

   ◆児山将のワンポイントアドバイス
ビットコインはエコではないと以前から言われてきていますね。しかし、投資会社ギャラクシーデジタルのレポート(参考:「ビットコインの消費電力は『銀行やゴールド産業より少ない』」)によると、銀行システムに維持よりもビットコインのほうが半分以下の電気代で済むという分析が出ています。なお、地球環境にやさしい暗号通貨ランキング の上位はイーサリアムであり、ビットコインと大きな差があることがわかります。議論の余地がありますが、このことから暗号通貨のなかではビットコインはエコではないと言えそうです。
イーサリアムは7月にアップデートを控えていることもあり、ビットコインよりも注目されるかもしれませんね。

1万円からの損益  プラス・マイナスゼロ
5月28日現在            1万円

明治大学 城正人(じょう まさと)
明治大学 城正人(じょう まさと)
経営学部2年。明治大学投資サークルBreakouts!に所属。暗号資産が今後の社会に与える影響に魅力を感じ手当たりしだい勉強中。これまで暗号資産のトレード経験はほぼなくETH(イーサリアム)ガチホを続けてきました。ポテンシャル、技術の面を中心にそれぞれの通貨の特徴を見極めて投資していきたいと思います。

再び参戦! まずはビットコインでプラス確保(職業大学校 さっちん)

   どうも、みなさん。おはようございます。お久しぶりです。さっちんです。
昨年(2020年)は惜しくも勝てませんでしたが、再び参戦いたしました。これから6か月ほどまたよろしくお願いします。今年はより一層、刺激的な取引ができるように精進します!

   おさらいをしていきましょう。ここ半年でビットコインやその他のアルトコインは大きく値上がりしました。昨年の「カソツー大学対抗戦」の最後(11月)では、まだ200万円前後でした。それが今年4月までに600万円以上まで跳ね上がりました。

   そうなったことで興味を持ち勉強しはじめた方も多いでしょう。実際に取引した方やグラフィックボードでマイニングをはじめた方も多いでしょう。

   しかし、注意してほしいのは取引所を介した直接売買以外での高利潤をうたった詐欺が確実にあることです。投資にはある程度の金額が必要で、それが1000万円なのか1億円なのかわかりませんが、月20%の利益とかふつうに考えてあり得ません。とにかく、見ず知らずの人のお金に対する情報を信用してはいけません。

   経済評論家で楽天証券経済研究所の客員研究員、山崎元さんは著書「マンガでわかるシンプルでお金の増やし方」で、「あなたに商品を売ることによって儲けを得る可能性のある人に、お金の相談をしていけません」と語っています。それを読んだ時、そのとおり!と友だちと笑っていたのを思い出します。

   つまり、お金や投資に関しては絶対に他人に頼らず自分で本を読んだりして学び、情報を集め、考える必要があるということです。危うい話にさえ乗らなければ、暗号資産のシステムはとてもいいものだと思いますので、楽しく利用していきたいものです。

   さて今回、暗号資産の取引結果は合計307円の利益となりました。経緯は、5月24日にビットコインが404万7000円の時に9713円分を購入しました。ただ、先の予想が立たず、ビットコインが406万6550円の時にすべて売却。9759円になりました。46円の利益です。

   5月27日、410万円で9840円分を購入。今度はある程度予想を立てて420万9000円で指値しました。5月28日に売却が完了。1万101円になり、そこで261円の利益となりました。

   イーロン・マスク氏がビットコインマイニングの電力消費の多さから、ビットコインでのテスラ車購入を停止して以降、下降の一途を辿っており、暗号資産に対するネガティブな情報が多いなか、デジタルユーロが2026年に発行される可能性や、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長が投資家保護について、DeFi(分散型金融)のプラットフォームの利用はレベルが高いと指摘しました。

   最近、暗号資産についてのニュースがLINEニュースなどでとても見るようになりました。それだけ世間に注目されてきており時代の変化を感じます。しかし、あくまで投機としての役割が現状強いので、数年後にどういう評価がされるようになるかとても楽しみです。

   ◆児山将のワンポイントアドバイス
2020年に引き続いての参加ということで、経験者としてキレのある分析&取引を期待しています。昨年と比較すると、恐らくもっとも何度の高い相場状況からのスタートとなりますが、無理のない取引を行っていただければと思います。
さて、4日にイーロン・マスク氏が保有するビットコインを売却を示唆するツイートを行いました。その1時間後には、トロンのCEOであるジャスティン・サン氏が、マスク氏の売却するビットコインを買うというツイートを行いました。
暗号通貨市場の先行きを知るには、このふたりのツイートが左右するかもしれませんね。

1万円からの損益    プラス307円
5月28日現在       1万307円

職業能力開発総合大学校 さっちん
職業能力開発総合大学校 さっちん
職業能力開発総合大学校 電気専攻4年。どうも、おはようございます。2020年度も参加させていただきました。今年度は、みなさんが朝からフフッて笑える取引を目指していきたいと思います。応援のほどよろしくお願いします。

今、買うのは「正気の沙汰でない」(同志社大学 しがないトレーダー)

   「これから半年間、暗号通貨取引がんばるぞー!」と言った矢先に、暗号通貨は大暴落。個人的に所有している暗号通貨も暴落により、大きなダメージを受けた。

   正直、今は暴落の真最中だと考えているので、暗号通貨を買うつもりはまったくない。そんなワケで、なぜこのような暴落が起きているのか。自分なりにまとめたいと思う。

   4月15日、ビットコイン(BTC)は最高値の6万3410ドルを付ける。これは、Coinbaseの上場によるものだと考えられている。その後、中国のマイニング業者の電力供給が止まりビットコインは30%下落。この時はまだ上昇トレンドは続いていると考えられていた。

   それから少し時は経ち5月13日、テスラ社がビットコインのマイニングは環境に悪いという理由から、BTC決済を停止した。それに追い打ちをかけるように、中国のマイニングや取引の取り締まり強化の表明や、香港の個人投資家の取引を禁止する法案の検討ニュースなどにより、暗号通貨は滝のように暴落して一時、ビットコインは最高水準だった約6万ドルの半分ほどになった。まだまだ下降トレンドは続いており、現在(5月29日0時30分)3万7000ドルほどである。

   このビットコインや暗号通貨の下落は、これらのニュースを含め、大きく3つの要因で下落していると考えられている。

   まず、一つ目はアメリカの金融の引き締めである。暗号通貨のバブルのような上昇は、アメリカの金融緩和によるものが大きいと考えられていた。そのようなこともあり、暗号通貨が金融の引き締めを警戒し、下落しているのではないかと考えられている。

   次は、アメリカの上場企業での、ビットコインを使った決済の流れが途絶えたことである。テスラ社が環境問題を取り上げ、ビットコインの決済を禁止したことにより、アメリカの上場企業に波及するのではないかという考えである。

   最後に、中国のマイニングや取引の取り締まり強化表明である。このような表明は過去に幾度もあったが、今回は中国の副総理である劉鶴の表明であるため警戒されている。会議で劉鶴は「取り締まりを強化する」ではなく、「打撃を与える」という言葉を使ったことから、マーケットは警戒状態に入ったと考える。

   このようなニュースが蔓延する5月25日、米テスラのイーロンマスクCEOが、北米のマイナーたちと会議を行い、エネルギー消費の透明性を推進することに合意をしたというツイートから、ビットコインが4万ドルまで戻った。しかし、上昇は続かず、それからまた下落が続いている。

   これらのことから、今週は暗号通貨の取引をしていない。プラス材料も少しあったが、それ以上にマイナス材料が圧倒的に多い。今の相場で現物を買うことは、正気の沙汰ではないと考える。今週は買わない言い訳を述べるだけになってしまったが、来週は相場が落ち着き、取引をできることを祈る。

   ◆児山将のワンポイントアドバイス>
丁寧なファンダメンタルズの分析が素晴らしいですね。暗号通貨の上昇は、金融緩和からくるカネ余りが株高に繋がった影響が大きいでしょう。年初から、アメリカ人株式投資家も仮想通貨の取引を始めるようになりました。
さて、目先の株式市場は金融緩和の縮小に敏感です。本格的な経済回復の見通しが立たなければ、株価は上昇に転じづらく、暗号通貨にはもっと厳しい状況となりそうです。 それらを考えると、やはり米国の経済指標とテスラなどの暗号通貨に影響を与える人物の発言、そして中国動向が相場を左右するといえそうですね。

1万円からの損益  プラス・マイナスゼロ
5月28日現在           1万円

同志社大学 しがないトレーダー
同志社大学 しがないトレーダー
同志社大学法学部2年。茶道部に入っており、趣味は読書と映画鑑賞。父親の影響もあり、幼いころから投資への関心が強く、2017年から暗号通貨市場に興味を持つ。夢は、積立投資で早期リタイヤし、やりたいことをして幸せに生きること。トレード自体は始めたばかりなので、初心者。半年間で暗号通貨を知り尽くすのが目標。
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
学生投資連合USIC

「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

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