2021年 9月 22日 (水)

コロナ禍で中間層も限界に 困ったらこの本が頼りになる!【新型コロナウイルスを知る一冊】

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   東京オリンピックの閉幕とともに、新型コロナウイルスの感染拡大がまたクローズアップされてきた。国内の新規感染者は連日1万人を超え、軽症者や一部の中等症の人は、入院できず、自宅療養を余儀なくされている。

   あらためて新型コロナウイルスがもたらした影響や対策について、関連本とともに考えてみたい。

   2020年度の生活保護申請件数は22万8081件と、前年度から2.3%増えた。また、自殺者数は前年より4.5%多い2万1081人。男性は1万4055人で11年連続の減少となったのに対し、女性は7026人(前年比935人増)と2年ぶりに増加した。

   この背景には新型コロナウイルスの感染拡大による失業、収入減などが指摘されている。本書「コロナ貧困」は、ごく普通の人があっけなく最下層に転落する、コロナ禍の貧困の惨状を明らかにするともに、解決策や相談窓口などを提示する「駆け込み寺」のような本だ。

   「コロナ貧困」(藤田孝典著)毎日新聞出版

  • コロナ禍で女性が崖っぷちに追い込まれている……(写真はイメージ)
    コロナ禍で女性が崖っぷちに追い込まれている……(写真はイメージ)
  • コロナ禍で女性が崖っぷちに追い込まれている……(写真はイメージ)

崖っぷちに追い込まれた女性たち

   著者の藤田孝典さんはソーシャルワーカー。聖学院大学客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表として、生活保護や生活困窮者への支援活動を行っている。「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」(朝日新書)、「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」(講談社現代新書)など、貧困問題について多くの著書がある。

   長引くコロナ禍によって苦しんでいるのは生活困窮世帯だけではなく、住宅ローンや教育費が捻出できなくなった中間層も限界にきているという。多くの事例を紹介している。

   運送業の夫(50代)はコロナ禍で仕事がなくなり、飲食店のパートをしていた妻(40代)は雇止めになった。合わせて1000万円あった年収は約3分の1に。月17万円の住宅ローンが払えなくなり、子どもたちはまだ高校進学や大学進学を控えている。

   相談を受け、子どもの進学費用だけは確保しようと、政府が特例を設けている社会福祉協議会からの緊急小口資金と総合支援資金の貸付で、合わせて200万円まで無利子で貸し付けてもらった。

   崖っぷちに追い込まれた女性の例も数多く取り上げている。首をつるロープを買ってきた、とメールを寄こした22歳の女性がいた。カフェで働いていたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請の影響で雇い止めになったという。所持金は4000円しかなかった。翌日、生活保護の申請に付き添った。仕事も貯金もなく、家賃も払えないのだから、待ったなしの措置だった。まずは必要なだけの生活費が支給された。

   自殺未遂で救急搬送された24歳のセックスワーカーの女性の悲惨な例を紹介している。キャバクラで働いていたが、コロナ禍で店が休業。収入は抗うつ剤などの医療費や、不安からくる大量買いなどで使い果たし、貯金はない。無店舗型性風俗店(デリヘル)に移り、月30万~50万円の収入を得ていたが、そこでも仕事がなくなり、路上やSNSで男性に声をかける個人売春に移っていく。性病になり、売春もできなくなった。

   福祉事務所ではまったく相手にされなかった。人生に絶望し、友人宅で大量服薬をして自殺を図った。救急車で搬送され、入院。駆け付けた友人が、藤田さんのTwitterを見つけ、連絡してきた。退院後、一緒に生活保護の申請窓口に行くと、要保護性ありということで即日受理された。

   このように、女性一人で生活保護を受けようと福祉事務所の相談窓口に行くと、体よく追い返されたり、貸付を紹介されたり、劣悪な遠方の施設への入居を勧められたりすることもあるそうだ。支援団体に付き添ってもらうことを勧めている。

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