2024年 4月 18日 (木)

欧米メディアが心配する中国GDP急減速! 習近平は「第2の文化大革命」で大混乱を起こす?

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   新型コロナウイルスを抑え込み、景気を回復軌道に乗せて世界経済をけん引してきた中国経済に異変が起こっている。

   直近の2021年7月~9月のGDP(国内総生産)が中国としては異例に低い、前年同期比4.9%増に落ち込んだのだ。

   考えられる原因は1つや2つではない。背景には、習近平指導部肝いりの政策が、ことごとく裏目に出たことがある。強権的な政治手法で知られる習近平主席の出方によっては世界経済の危機も免れないが......。

  • 中国の習近平国家主席は「第2の文化大革命」を目指すのか?
    中国の習近平国家主席は「第2の文化大革命」を目指すのか?
  • 中国の習近平国家主席は「第2の文化大革命」を目指すのか?

習近平氏の温室効果ガス対策が裏目に

   中国経済の減速が始まったことについて、ここでざっとおさらいをしておこう。主要メディアの報道をまとめるとこうだ。

   中国国家統計局が2021年10月18日に発表した今年7月~9月までのGDP(国内総生産)の伸び率は、物価の変動を除いた実質で前年同期比4.9%増となった。プラス成長は6期連続だが、伸び率は7.9%増だった4~6月期より大きく減速した。前期比でも0.2%増(4~6月期は1.2%増)と低調だった。

   要因として考えられる第1点は、不動産開発大手「恒大集団」グループが巨額の負債を抱えて経営危機に陥ったこと。政府の規制強化を背景に不動産投資が減少、不動産市場の動揺は続いている。

   第2の問題は、石炭価格が急騰して電力の不足が深刻になったことだ。全土で停電が相次ぎ、生産をストップする企業が相次いでいる。これは、習近平国家主席が、2020年に温室効果ガス対策として、国連で「2030年までに二酸化酸素排出量を減少に転じさせる」と演説。石炭の生産を大幅に減らす結果になったことが大きい。

   そして第3の要因は、中国ならではの厳格なコロナ禍の抑制対策だ。来年2月に北京冬季オリンピックを控えていることもあり、「ゼロコロナ」を目指している中国の感染対策は、十数人程度の小規模な感染者を出しただけで、全都市をロックダウンするほど厳格を極める。都市封鎖の期間中は、住民の移動も企業の生産活動もストップしてしまう。

   こうしたことが重なり、消費も落ち込んでしまった。

   今回の中国経済の減速問題、海外メディアの中では「長期化してかなり深刻な事態になる恐れが強い」と見る向きが多い。それは、習近平国家主席が、かつてない強権的な政治姿勢を貫くだろうとみられるからだ。

   ロイター通信(10月17日付)「焦点:中国指導部、景気減速でも不動産規制堅持 実行面で微調整も」では、北京駐在のKevin Yao記者が、こう報告する。

「中国の政治指導部は、長引く不動産バブルが長期的な経済成長基盤を損なう事態を懸念しており、たとえ景気が減速していても、不動産セクターを厳しく規制する基本方針を維持する公算が大きい。ただ、実行面で手綱が多少緩められる可能性はある――。これが政策関係者や専門家の見方だ。彼らの話を聞くと、習近平国家主席は短期的な痛みが増すことをいとわず、直近に導入した一連の不動産規制を断固推進する構えに見える。この姿勢は、経済成長がおぼつかなくなった段階で規制が骨抜き状態になりがちだった過去の対応とは、まるで違っている。
習氏の決意は、中国経済の不動産セクターに対する依存を減らし、各種資源をハイテクなど新しく台頭してきた分野に振り向け、成長をけん引させようという長期的な構造改革に政府が取り組んでいることに根ざすものだ」

   これは、不動産開発大手の恒大集団が3000億ドル余りの債務を抱えて経営危機に陥った問題に、救済に動かず、これを機会に不動産バブルの膿を一気に取り除こうという決意を固めたというのだ。そのためには、海外で高まっている、中国の不動産セクター発の信用収縮の影響もいとわないということらしい。

   不動産バブルに大胆にメスを入れば、中国の国民生活すべての根幹にかかわるというわけだ。

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