Z世代は自動運転車に乗りたがっている?
自動車業界にとってZ世代は業界全体を破壊する「ニューノーマル」の始まりになるかもしれない、と警告している。著者らが全米で行った調査によると、Z世代は自動運転車への乗車意向が非常に高いという結果が出ている。
運転免許を急いで取らないという選択は普通になっている。10代で運転免許を取得する割合は1980年代から2割近く減少している。それでも自動車に乗ると決めたZ世代は、環境に優しい電気自動車を望む傾向があるという。
Z世代の購買行動を決める要因は、個人的なつながり(家族や直接の知人)の紹介、ブランドやプラットフォームへの信頼、SNSからの情報だという。広告も変わらざるをえないようだ。
本書が取り上げているのは、アメリカが中心だが、いずれ日本の若者の消費行動にも影響が出てくるだろう。アマゾンでの購買、古着志向、クルマへの低い関心などは、すでに日本でも見られる傾向だ。だからこそ、日本の企業も今からZ世代への対応を検討すべきだ。
本書では、Z世代の目に世界はどう映っているか考える、自社の従業員または顧客であるZ世代から体験を聞く。Z世代がいるところにリーチする、ことを勧めている。
消費行動ばかりではない。彼らは「働き方」も変えようとしている。本書ではかなりのページを割いて「Z世代への正しい求人活動」を取り上げている。Z世代を無視しては企業の存続も危うくなりそうだ。(渡辺淳悦)
「Z世代マーケティング」
ジェイソン・ドーシー、デニス・ヴィラ著
ハーパーコリンズ・ジャパン
2090円(税込)