2024年 4月 26日 (金)

楽天の送料無料化問題 公取委「お咎めなし」の決着で零細出店者にくすぶる「不満」

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楽天が公取委と交わした「約束」

   調査結果を受け、楽天は公取委に改善措置と再発防止策を提示。「制度への参加、不参加について出店者の意思を尊重し独禁法に違反する行為を行わない」「参加しない店舗を不利にするような取り扱いを行わない」などと約束。楽天社員がこれらに違反した場合の処分規定を設け、苦情を受け付ける専用窓口も置くとした。

   楽天は「公取委からの指摘を真摯に受け止め、本施策の改善に努める」とコメントを出した。公取委と対立し、「排除措置命令」を出され、紛争が長期化し、イメージもダウンするリスクを避けたものとみられる。

   公取委は、楽天の改善措置で違反容疑は解消されるとして、調査を終えることにした。優越的地位の乱用の認定は難しいといい、たとえば営業担当者の発言が抵触しても、組織ぐるみと認定するには、指揮命令系統を含むち密な立証が必要で、訴訟で長期間争うことになりかねない。そうした負担を回避したいとの判断から、楽天の対応を是としたとみられる。

   ちなみに、これまでも2020年9月に、アマゾンジャパンが通販サイトでの値引き分の一部を納入元の業者に求めるなどした問題で、アマゾンジャパンが約1400社に計約20億円を返金することで行政処分を見送った例などがある。

   楽天が「送料無料」に突き進んだのには、三木谷浩史会長兼社長の強い思いがある。2020年春の導入に向け、新聞のインタビューなどで「(無料化しないと)どんどんビジネスが縮小して、最後は全部(アマゾンやアップルなどの)GAFAに食われちゃいますよ」(毎日新聞20年1月23日朝刊)という危機感を露わにしていた。

   特にアマゾンジャパンが「プライム会員」の送料を無料化し、非会員も2000円以上買えば無料にしており、こうした海外の強力なプラットフォーマー(ネット上の情報やサービスの基盤を提供する事業者)に対抗したいという三木谷氏の強い思いがあった。

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