就活生「冬の時代」か...加速する「新卒一括採用見直し」の動き 求ム「外国人」と「既卒」

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ジョブ型と外国人採用がどんどん増える

   注目されるのは、既卒者や外国人の採用が今後どんどん増えて、通年採用を実施する企業が増加しそうなことだ。また、ジョブ型採用(職務に応じた人材採用)も大企業を中心に増加傾向が見られ、採用方法の多様化が急速に進みつつある。

   具体的には、ジョブ型採用は新卒者でこれまで3.8%だったのが、今後5年間で18.8%に、既卒者でこれまで26.8%だったのが今後5年間で43.7%に、それぞれ増加するとした回答が寄せられている=図表1参照

(図表1)新卒者と既卒者の採用方法の動向。通年採用をする企業が増える(経団連作成)
(図表1)新卒者と既卒者の採用方法の動向。通年採用をする企業が増える(経団連作成)

   また、外国人の大学生を意識的に採用する企業も増えている。外国人の採用は過去3年間で「増加している」と答えた企業が10.1%にとどまったのに対し、今後5年間では21.8%が増加を予測した。理由を聞くと、「優秀な人材を確保するため」と「社内のダイバーシティ(多様性)を促進するため」の2つが群を抜いて多かった=図表2参照

(図表2)外国人の大学卒採用を増やす理由。優秀な人材が欲しいからだ(経団連作成)
(図表2)外国人の大学卒採用を増やす理由。優秀な人材が欲しいからだ(経団連作成)

   一方、「新卒一括採用」も崩れ始めている。新卒者と既卒者の採用割合は過去3年間で9対1だったとする企業が23.7%で最も多かったが、今後5年間では7対3になるだろう、という企業が15.6%で最多だった。詳しくみていくと、9対1の企業が8.4%に減少する一方、6対4、5対5にする企業が増加するようだ=図表3参照。いずれにしても、既卒者の割合がどんどん増やす傾向にあることがわかる。

(図表3)新卒者と既卒者の採用割合の動向。5年先をみると、既卒者の割合が高くなる(経団連作成)
(図表3)新卒者と既卒者の採用割合の動向。5年先をみると、既卒者の割合が高くなる(経団連作成)

   したがって、これまでの「新卒一括採用」を前提にした就職活動も、いずれ通用しなくなりそうだ。では、学生はどんな能力を磨けばよいのだろうか――。採用選考で重視する学生の学修経験を聞くと、80%以上の高さだったのが「研究室・ゼミでの学習履歴」と「課外活動」だった。「海外留学」(4%)や「取得した資格」(7%)、「インターンシップ経験」(11%)は意外に低かった。

   基本に忠実にシッカリ勉強した学生や、課外活動に熱心に取り組んだアツイ志を持つ学生が欲しい、ということのようだ。

   調査は2021年8~10月に経団連の会員など全国の企業に調査票を配布、381社から回答を得た。内訳は会員企業335社、非会員企業46社。従業員1000人以上の大企業が71%、300人以上1000人未満が20%、300人未満が9%だった

(福田和郎)

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