企業向けの福利厚生&健康経営プログラム「食育マルシェ」を通じて、働く人たちの食育を推進する、株式会社VACAVO(ヴァカボ)。「食育マルシェ」への女性参加者は多く、働く女性の健康促進、ひいては社会での活躍にも貢献しているようだ。このプログラムの開発者であり、同社の取締役をつとめる藤田久美子さんに、その取り組みについて話を聞いた。健康的な食生活が、社会で活躍する原動力に――企業向けの福利厚生&健康経営サービス「食育マルシェ」を展開しているとのことですが、具体的にはどのようなサービスなのでしょうか。藤田久美子さん「健康経営やウェルビーングに力を入れている企業などに向けて、健康的な食生活の実現を啓発する食育プログラムを提供しています。具体的には、導入企業が月1回・年に数回など計画を立て、1回30分で社員参加型の食育セミナーを行い、その後、参加従業員のご自宅に野菜BOXを福利厚生価格で宅配するというものです。食育セミナーでは、旬の野菜や果物などに関する食育クイズを出題し、旬や食べ方、健康に関して興味や関心をもってもらえるようにしています。セミナーの場だけで終わってしまう取り組みではなく、参加者が家に帰ったあとでも、継続的にきちんとした食事をとることにつながるプログラム作りを目指しています」人気を集める社員参加型の食育セミナー。講師は藤田さん自身――どのような企業がこのサービスを利用しているのでしょうか。藤田さん「企業によって導入の理由は異なりますが、やはり、健康経営・ウェルビーング推進の一環で導入される企業は多いですね。また、SDGsの目標3に『すべての人に健康と福祉を』とありますが、まずは社員の健康から取り組みたい、という企業も多いです。2021年にオンラインで食育マルシェに参加した人は、約7割が女性ですので、女性のリクルートをする時には、このサービスがあることをアピールしているという企業もあります」――女性が社会で活躍することと、こうした食育プログラムはどのようにかかわってくると思いますか。藤田さん「女性に限りませんが、きちんと食事をしていると、元気に働けるし、明るくなれるし、心も豊かになれる。食べ物や食生活は、イキイキと仕事をしていくうえで、すごく大事なことだと思っています。一方で、農林水産省のデータでは、最も健康的な食習慣ができていないのが20代から40代で、まさに働く世代、子育て世代なんです。食に関するセミナーや収穫体験、料理教室などの食育プログラムを継続して受けている人は、バランスの良い食事をする人が多い傾向にあるというデータもあり、働く世代が、食育プログラムに参加できる機会を増やしていくということが、健康的な食生活につながり、社会で活躍する原動力となるのではないかと思っています」家族で参加できるオンライン形式は、子どもの食育にも役立つ――藤田さんが、食育に関わるようになったきっかけ、ヴァカボに参加されたのはどのような経緯だったのでしょうか。藤田さん「さまざまな仕事をしてきた中で、食育に関わる転機となったのは、2013年に野菜ソムリエの資格をとったことでした。ただ、資格には合格したものの、すぐに活躍の場はありませんでした。最初はフリーランスで活動していましたが、『仕事は自分で作らなくてはダメだ』と一念発起して会社を作りました。それから、野菜ソムリエ、調理師、栄養士、コーディネーターなどさまざまな食の資格者(食のオタクと呼んでいます)に登録してもらい、企業からの講演活動や講師、ワークショップ運営など請け負う仕事をはじめたんです。そのころ、社長仲間として知り合ったのが、ヴァカボの現社長、長岡康生さん。やりたい方向性が同じだったので、事業ごと合流するというかたちで2016年にヴァカボに参加しました」新型コロナの影響から、オンライン形式の『食育マルシェ』を開発
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