未来を担う若者へ、「心のエンジン」駆動させて! 三菱みらい育成財団、10年100億円助成プロジェクト

   世の中が大きく変化しているいま、複雑で多様な社会課題に対して、自ら未来を切り開いていける人になってほしい――。

   そんな思いのもと、三菱みらい育成財団では、高校生を中心とする15歳~20歳の若い世代を対象として、高校・大学や教育事業者への助成プログラムを展開。2022年度の新規案件は4月4日まで募集している。

  • 2022年度の新規案件を5カテゴリーで募集
    2022年度の新規案件を5カテゴリーで募集
  • 2022年度の新規案件を5カテゴリーで募集

5つのカテゴリーの教育プログラム

   具体的には現在、5つのカテゴリーの教育プログラムに対して助成している=下記参照。2020年度から続く高校、教育事業者、大学等への助成事業は今回が3回目となる。

   カテゴリー1と2は、高校生向けの探究型学習を軸とする「心のエンジンを駆動させるプログラム」。「心のエンジンを駆動させるプログラム」と名付けられている(カテゴリー1は高校が対象、カテゴリー2はNPOや株式会社などが対象)。

   高校では総合的な学習の一環として、自らが主体となって立てた課題に対して情報収集、整理して、その分析結果を提案する「探究型学習」が取り入れられている。

   そのため、社会に出てからも役立つ課題解決に必要な思考力、判断力、表現力を養うこの授業の意義は大きいが、本格的に取り組もうとすると、場合によっては外部講師の招聘、外部視察、成果発表を行なうには、それなりの「予算」が必要となる。そこで、同財団が助成して、こうした学習をより充実させたものにしてもらおう、という試みだ。

   カテゴリー3は、突出した人材を発掘し育てる「先端・異能発掘・育成プログラム」。2021年度から加わったカテゴリー4では大学1・2年生向けの「21世紀型教養教育プログラム」、先生向けの「主体的・協働的な学習を実践できる教員養成・指導者育成プログラム」がある。

   ユニークなのは、大学1・2年生の授業を対象とするカテゴリー4。これは、変化の激しい環境下で、課題解決に必要な基礎的素養、解決策を導き出すための価値軸などを身に着けてほしいという趣旨の「21世紀型教養教育」に対して助成する。

   具体的には、リベラルアーツ関連知識をもとに、人と「対話する」ことで、モノの見方や考え方を養う教養教育(授業)が対象。そのための少人数対話型などの授業を取り入れる場合、講師だけでは見きれないものだ。そこで、必要となってくるテーチングアシスタント、外部講師の費用などを、同財団が助成する取り組みとなる。

「助成事業に止まることなく、実施される各プログラムから生まれる好事例(グッドプラクティス)を横展開し、成果発表・オンライン交流会などを開催して、情報をお互いに自由に交換できるようなプラットフォームを構築しています。財団の活動を通して全国での優れたさまざまな取り組みを発掘し、助成し、育て、さらにグッドプラクティスとして横展開することで広く根付かせる。その先に日本の教育の在り方やシステムをより良いものへ、明るい未来につなげていけるよう取り組みを進めています」

   三菱みらい育成財団は、そうコメントを寄せている。

   なお、同財団は三菱グループ創業150周年の記念事業として、2019年10月の設立。未来を切り開く次世代人材の育成を掲げ、この助成プログラムでは10年間で100億円を拠出している。実績は、前回(2021年度)は5カテゴリーで80件のプログラムが採択され、約5万4000人が参加。また、これまでの2年間では合計146件が採択され、約8万人の高校生・大学生を助成した。

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