2024年 4月 26日 (金)

円安が加速させる物価上昇が怖い! エコノミストが試算...低所得世帯は「消費増税3%」匹敵の打撃

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   物価の上昇が止まらない。ウクライナ情勢悪化によるエネルギー価格の高騰に加え、円安が加速して輸入品価格の上昇が拍車をかけているからだ。

   2022年4月からは生めん、味噌、ケチャップ、パスタ類、ウイスキーなどの食料品に加え、トイレットペーパー、水道料金、高速道路料金、JRの特急料金......と値上げラッシュが控えている。

   私たちの生活はどうなるのか。低所得世帯の場合、消費増税3%分の負担増になるという試算がエコノミストから出ているが......。

  • どんどん物価が上がっていく(写真はイメージ)
    どんどん物価が上がっていく(写真はイメージ)
  • どんどん物価が上がっていく(写真はイメージ)

「朝食価格指数」の上昇率は前年比3.8%増!

   円安の加速から、食料品関連の輸入物価が上昇の兆しを見せる中(図表1参照)、「朝ご飯」のお値段を上昇させていることに注目したのが、第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏だ。

   熊野氏のリポート「朝食価格指数の上昇 ~パン、マーガリン、シリアル、コーヒーの値上がり~」(3月18日付)の中で、「食料品の価格が上がっているが、よく観察すると、『朝食』に馴染みの深いものほど大きく値上がりしていることを発見した」として、10品目を挙げて消費者物価指数の上昇率を調べた。

(図表1)輸入物価の食料品関連の上昇率(第一生命経済研究所の作成)
(図表1)輸入物価の食料品関連の上昇率(第一生命経済研究所の作成)

   熊野氏が独自に選んだその10品目(図表2参照)を見ると、小麦を使っているパンは、2022年2月の前年比7.2%増と上昇が大きい。パンに塗るジャム2.0%増、マーガリン9.5%増。つづいて、シリアル5.7%増、コーヒー・ココア5.6%増、コーヒーに入れる砂糖5.0%増、加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコン)も0.5%増と、軒並み上昇している。

   値上がりしていないと見ていいのは、国内畜産業者の「過剰生産」が話題になった乳製品関連の「牛乳」(0.6%減)と「バター」(0.0%)だけだ。

(図表2)「朝食物価指数」を構成する10品目の値上げ率(第一生命経済研究所の作成)
(図表2)「朝食物価指数」を構成する10品目の値上げ率(第一生命経済研究所の作成)

   熊野氏はこれら10品目の価格増減を「朝食価格指数」と名付けたが、その上昇率は2月で前年比3.8%増と大きく増加した。これは、2月の消費者物価(総合)が前年比0.56%増なのに比べると、6.8倍近い増加率だ。いかに「朝ご飯」のコストが突出して高くなっているかがわかる。ただし、まだロシアのウクライナ侵攻(2月24日~)の影響を受けていない段階の数字だから、これは序の口かもしれない。

   熊野氏はこう指摘する。

「ウクライナ侵攻を受けて、小麦・大豆・とうもろこしなどの国際商品市況が上がってきている」「ウクライナとロシアは、こうした農産物の主要な生産国である。現在はまだ3月であるが、ウクライナへの軍事侵攻が長期化すれば、作付けが始まる春から、収穫期の秋にかけて農業生産が滞る」「穀物の世界的な需給がアンバランスになって市況を上昇させるだろう。また、ロシアへの経済制裁も、ロシアからの穀物輸出を制約するだろう」

   そこに日本の円安加速が拍車をかけるわけだ。

「日本にとっては、円安の進行も輸入物価を押し上げて、それが消費者物価に早晩跳ね返っていくだろう」「3月以降の輸入物価は、ウクライナ侵攻の影響を織り込んで、一段と高騰することになるだろう」

と警告する。

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