2022年 5月 29日 (日)

「戦争犯罪」ロシアへの追加制裁に「抜け道」あり エコノミストはどう見たか?...「米国が完勝に進む経済戦争」の行方

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   ロシアによるウクライナ民間人への虐殺行為が明るみになるなか、激怒した欧米諸国はロシアに対する追加の経済制裁を発表した。

   しかし、ロシア経済の命綱である「石油と天然ガス」にはトドメを刺さない抜け道を残した。これでプーチン大統領に思い知らせることができるのか。

   エコノミストの中には、「今回の戦争は米国の独り勝ちだ」といわんばかりの指摘まで出ている。いったい、どういうことか。

  • 経済制裁に粘り腰を見せている(?)プーチン大統領(ロシア大統領府公式サイトより)
    経済制裁に粘り腰を見せている(?)プーチン大統領(ロシア大統領府公式サイトより)
  • 経済制裁に粘り腰を見せている(?)プーチン大統領(ロシア大統領府公式サイトより)

EU、石油と天然ガスの輸入停止は見送り

   民間人を多数殺害するロシア軍の残虐な行為に激怒した欧米諸国は、相次いでロシアに対する追加経済制裁を発表した。

   報道によると、バイデン米政権は4月6日、ロシア最大手銀行のズベルバンクと4位のアルファバンクの資産を凍結、米国の企業や銀行との取引を禁じる。しかし、エネルギー関連の取引は例外として認めるという抜け道を残した。サキ大統領報道官は「(制裁の副作用を懸念する)欧州と相談して決めた」と説明したという。また、プーチン大統領の娘2人や、ラブロフ外相の妻子、メドベージェフ前大統領らの資産も凍結する。

   一方、欧州連合(EU)も同日、ロシア産の石炭の輸入停止を発表したが、石油・天然ガスの輸入停止は見送った。ロシアからの輸入に依存する国が多く、制裁に必要な27加盟国による全会一致が難しかったためだ。

   ただ、EUのフォン・デア・ライエン委員長は「(石炭の輸入停止が)最後の制裁にはならないだろう」「石油にも目を向けねばならない」などと述べた。ロシアの残虐行為がエスカレートすれば、さらなる制裁を科すとけん制したかっこうだ。

ロシアの経済制裁強化で世界経済はどうなる(写真はイメージ)
ロシアの経済制裁強化で世界経済はどうなる(写真はイメージ)

   こうした欧米諸国の追加制裁の「甘さ」について、日本経済新聞(4月6日付)「米、対ロシア追加制裁 最大手銀やプーチン氏の娘2人も」という記事につくミニ解説コーナー「Think欄」の分析・考察で、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野奏也氏は、

「民間人虐殺を戦争犯罪として厳しく糾弾する米国やEUは、対ロシア経済制裁の追加に動いている。だが、米国の今回の措置も、EU経済のロシア産エネルギーへの依存度の高さゆえに、厳格さを欠く内容と言わざるを得ない」「『金融機関への制裁ではエネルギー関連の取引は例外として認める』ことになった。(中略)米外国資産管理局(OFAC)によると特定のエネルギー関連取引は6月24日まで許可するという。イエレン財務長官は4月6日の議会証言で欧州の経済への配慮が必要と説明した。経済制裁の限界が引き続き露呈している」

と、米国と欧州の足並みがそろわないことを問題視する。

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