2022年 7月 2日 (土)

緊張に悩む営業マンに成功を...自分に「意識のベクトル」向けないテクニック【尾藤克之のオススメ】

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「その件は考えておきます」「社内で検討しておきます」

   これほど営業マンにとって手ごわいセリフはないでしょう。多くのお客様にとって、これは断り文句の常套句です。たいていの場合、本当に考えて、検討していることはないからです。もし、この「考えておきます」「検討しておきます」を言われなければ、すぐに契約してもらえるかもしれませんし、仮に断れられたとしても気持ちを切り替えて次に行けるでしょう。

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商談中、自分のことばかり考えていませんか?

   結婚式のスピーチや挨拶で緊張している人がいます。声が震えてのどが詰まり、顔が赤くなり、息も絶え絶えになっています。一方、何百、何千人もの聴衆を前にしても、いきいきと自然体で話せる一般の方もたくさんいます。この違いはどこからくるのでしょうか。

「もちろん慣れもありますが、根本的な原因は『意識のベクトル』の向きです。つまり、緊張しすぎる人は意識が自分に向いていて、緊張しにくい人は意識が目的や相手に向いているのです。これは営業においても同様で、お客様と話すときに過剰に緊張する営業マンは、自分のことばかり考えています」(堀口さん)
「『今日こそ契約を取らないと叱られるな』『間違わずにトークできるかな?』『お客様に嫌われないようにしよう』。意識のベクトルが全部、自分に向いていますよね。こんな気持ちでお客様に会うのは、ただの自己中営業マンです。人見知りだから仕方ないとか、慎重で控え目な性格だから長所でもあるとか言い訳をしても何も変わりません」(同)

   堀口さんは、緊張しやすくて悩んでいる営業マンは、まずベクトルの向きを変える努力が必要だと言います。では、どこにベクトルを向けるべきなのでしょうか?

「わかりやすいお手本は、医者や歯医者です。患者と会うのに緊張する医者なんて、見たことありませんよね。医者が考えているのは患者のことです。私も定期的に歯医者に通っていますが、先生はどんなにハードな施術でも涼しい顔でやってくれます。ビクビクしながら歯を削ったり、麻酔注射の位置を迷ったり、患者にこびたりなど微塵もありません」(堀口さん)
「先生は治療だけに集中しています。だから、私は先生を信頼し、安心して任せることができるのです。このように医者は、意識のベクトルを患者と治療に向けています。なぜなら、それが『役割』だからです。役割に徹している人は、必要以上に緊張することがありません」(同)

トップセールスは顧客の問題に集中している

   トップセールスは、自分のことよりお客様の問題に集中します。そして、「このお客様の問題は何か?」「どうすれば問題解決できるか?」と考えます。緊張している暇はありません。

「中には、『ガツガツした自己中営業マンのほうが成功するんじゃないの?』と思う方もいるかもしれません。そんなときは、二宮金次郎の『たらいの法則』をイメージしてください。目の前に、水を張ったたらいがあります。たらいに手を入れ、水を自分のほうにかき集めようとすると、多くの水がたらいのフチを伝って、向こう側にこぼれおちていきます」(堀口さん)
「でも、水を相手のほうに押しやろうとすると、多くの水がたらいのフチを伝って自分のほうに戻ってくるのです。パナソニックを一代で築きあげた松下幸之助さんも理念のひとつにされていた『たらいの法則』です。自分の損得だけを考える『自己中』営業マンは、一時的に売上が上がることはあっても、長い目で見ると大きな成功はめぐってこないのです」(同)

   意識のベクトルの向きは、習慣によるところが大きいのです。そして、営業マンの役割の本質とは、お客様の問題解決です。もし、過剰に緊張している自分に気づいたら、ベクトルの向きを修正し、自分ではなくお客様の「問題」を見るようにすると、緊張することもなくなるはずです。

(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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