2024年 5月 21日 (火)

「プーチンの奥深い正しい判断」信じるロシア国民...命とりになる? 国債のデフォルト【ロシアへの経済制裁はなぜ効かない?】(下)

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ロシアを襲う! 国債のデフォルトと原油価格下落

どうなる世界経済?(写真はイメージ)
どうなる世界経済?(写真はイメージ)

   さて結局、経済制裁は効いてくるのだろうか。「戦争継続の障害になるほど強力なダメージとして効いてくる」と主張するのは、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。

   木内氏はリポート「ウクライナ侵攻半年の世界経済:景気を犠牲にした物価安定の回復とロシア経済・戦争継続への逆風が視野に」(8月22日付)の中で、こう述べている。

「先進国の対ロシア制裁が段階的に強化されていくなか、国防費の急増によりロシアの財政収支はマイナス2600億ルーブル超と、月次ベースで初めて赤字に転じている。もはや、エネルギー輸出で戦費は賄われない状況になってきているだろう。
外貨建て国債が事実上のデフォルト(債務不履行)に陥るなか、ロシアは海外からの資金調達の道が閉ざされている。さらに外貨準備のほとんどは海外で凍結されてしまった。そのもとでは、対外収支はバランスする必要がある。そうした中で、輸出が制裁措置によって縮小を強いられれば、それに合わせて輸入も縮小することを強いられる。そうなれば、生活に必要な輸入品は減少し、物不足がインフレ圧力を高めるだろう。さらに、輸入部品、原材料が減少する中、ロシア国内での生産活動にも悪影響が及んでいく。それは軍需産業についても同様である」

   ロシアの戦争資金を調達してきた原油価格が下落していることもマイナス材料だ。

「世界経済の減速懸念を背景に、すでに原油価格は下落傾向を見せ始めている。これは、ロシア経済、財政に一段と打撃となっているはずだ。さらに、欧州でロシア産天然ガスからの脱却が進められているなか、冬場の需要期を過ぎれば、天然ガスの価格も下落に転じるだろう。そうなれば、ロシア経済の苦境は一段と強まり、いよいよ戦争の継続にも大きな障害となってくるのではないか」

(福田和郎)

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