2024年 4月 26日 (金)

【1万円からはじめる暗号資産】荒れるビットコイン相場、北大は動くに動けず 明大も静観【暗号資産バトル 第14節】

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   ビットコイン相場が一時2万ドルを割って大きく崩れた。きっかけは、米ジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言だ。米国はインフレ抑制のため、利上げが継続される。

   明治大学の城正人さんは、これに「今、ビットコインは奈落の底に落ちるか否かの瀬戸際」とみており、トレードには慎重なようす。北海道大学の花野直樹さんも「(ビットコイン相場が)上に行くにも下に行くにも、かなり激しい動きが予想されます」と、動こうにも動けないようすがうかがえる。

   アノマリーどおり、「9月相場は荒れる」のか――。

  • ビットコイン相場の下落で動くに動けず……
    ビットコイン相場の下落で動くに動けず……
  • ビットコイン相場の下落で動くに動けず……

虎視眈々と「買い場」を狙う(北海道大学 花野直樹さん)

   今週(8月29日週)のトレードも、ポジションを持ちませんでした。

   先週の米ジャクソンホール会議で、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の発言をきっかけに、下落した株価につられてビットコインも大きく下落した後、この1週間は1万9500~2万500ドルをレンジにあまり動きの出ない相場でした。

   今週もたくさん重要な経済指標があり、アメリカ経済はまだまだ強いということを証明するような数字が出てきています。この記事は米雇用統計の発表前に書いているので、その後の値動きはまだわからないのですが、9月1日(木)までの段階ではインフレ抑制のため、利上げが継続されるということが経済指標からもわかると思います。

   今後の仮想通貨のトレンドはというと、まだまだ下落していくと考えています。しかし単純に売っておけばいいというわけでもなさそうです。

   今週のニュースでは、レバレッジ比率が過去と比べてもかなり大きいという話題が出ています。これはビットコインなどの仮想通貨を現物で保有している割合に比べて、レバレッジをかけたポジションのほうが大きいということです。レバレッジをかけたポジションは値動きが大きくなるとロスカットなどが発生するため、それらを巻き込んでさらにボラティリティが激しくなるということを意味しています。

   そして、2日(金)には注目の米雇用統計の発表が控えているので、上に行くにも下に行くにもかなり激しい動きが予想されます。自分のプライベートで使っているレバレッジをかけたほうの口座も、ずうっとショート(売り)をもっていたのですが、米雇用統計を控え、ポジションを閉じました。また来週からもCPI(消費者物価指数)やFOMC(連邦公開市場委員会)が控えているため、それらのイベントを通過するまでは無理にリスクをとる必要はないと考えました。

   9月は例年、株価のパフォーマンスが悪いというアノマリー(説明しきれない変な、異質な市場の動き・事象のこと)もあり、今後ポジションをとるなら9月の相場が荒れるイベントをすべて乗りきってからだと考えているので、焦って行動することなく、虎視眈々と買い場を狙っていきたいです。

前週からの損益   プラス・マイナスゼロ
9月2日現在           9754円

◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
ここ数日間で、相場にまた動きが見られましたね。先日の米ジャクソンホール会議以降に仮想通貨は下落し、さらに9月6日には8月のISM非製造業景気指数も発表され、その影響で再び下落しました。ドル円は7日には143円を超えている一方、ビットコインは約1万9800ドルから1万8800ドルへ下落しています。
今後もアメリカの動きで仮想通貨の下落は考えられますが、仮想通貨はすでに底打ち感があるという見方もできるでしょう。
今年中にあと2回の金利上昇が織り込まれている状況で、現在(9月7日)のビットコイン価格が約1万8800ドルです。これから何かマイナス材料が出ても、短期的な影響はあるものの、長期的な大きい影響は少ないとも考えられます。
ただし、前回止まった1万7800ドル付近を割った際には、注意が必要でしょう。
花野 直樹(はなの・なおき)
花野 直樹(はなの・なおき)
北海道大学工学部4年
北大金融研究会の所属。ふだんはテクニカル分析を使った株式の短期トレードをしています。やるからには1位をとれるよう、頑張ります!

ビットコインは奈落の底へ?(明治大学 城正人さん)

   今週(8月29日週)も引き続き、投資の観点からは渋い週となりました。しかし、技術的な観点で知識を得ておくことで、長期的なゆったりした視点で取引できます。

   今週は取引を爆速で処理するライトニングネットワークについて取り上げます。

◆ ライトニングネットワークについて


   ライトニングネットワークとは少額決済を目的に確立された技術。高いセキュリティを保ちながらオフチェーンで高速かつ少額の手数料による取引を実行できます。

   まず素早くオフチェーンで取引できる原理を解説します。オフチェーンとはブロックチェーンを介さずに取引する方法。ブロックチェーンに取引履歴を残しませんから素早く、かつ少ない手数料での取引が可能。複数の秘密鍵によってビットコインを管理する仕組みを活用し最初にオンチェーン取引である程度の額をデポジット。この二者間での取引はお互いの了解のもとブロックチェーンを介さずに取引を行い、もう二者間で取引をしないという段階になったら、ブロックチェーンを介して最終的な二者間の取引結果で引き出します。

   例えるなら、友人間でのお金の貸し借りといったところでしょうか。通常はお互いに「つけ」で支払いを行い、給料が入ったら精算する。こうした仕組みにより、安く高速に取引ができますが、この仕組みでは見知った同じ二者間でしか取引できません。

   そこでライトニングネットワークではこの複数の二者間をうまくマッチングさせることで目的の人までオフチェーンで高速にビットコインをやり取りします。まったく関係のない二者間でも「知り合いの知り合いの知り合い」なんてことはよくありますからね。

   このような技術を利用して、ほんのわずかな手数料、かつ一瞬で送金することができます。しかし、二者間での取引を何十回も繰り返して目的の人まで送金するわけですから、ムダが多いですよね。そういった側面から、現在ではさらに発展することは厳しいのではないかとも言われています。

   ライトニングの素早さを体験してみたい人、wallet of satoshiなどのライトニング対応のウォレットをぜひ利用してみてください。これまでオンチェーンでしか取引したことがない人は目からウロコの体験だと思います。

◆ 今週の相場

   今、ビットコインは2万ドルを割って奈落の底に落ちるか否かの瀬戸際といったところ。チャートを見れば、イーサリアムのほうが圧倒的に有意な位置にいます。

   しかし、市場全体としてもかなり参加者が減少しており、なかなかに厳しい展開。とりあえず、現状維持を貫こうと思います。

   ただし、イーサリアムのチャートは比較的強く、ビットコインの2万ドル割れについて注視しようと思います。

◆ 今週の取引

   取引はなし。ビットコインを継続保有。

保有資産
・ビットコイン 0.00001枚 評価額2778円
・現金 4710円

前週からの損益    プラス43円
9月2日現在       9788 円

◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
イーサリアムは依然として強い様子が見られますね。8月26日のFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の発言と、9月6日のISM非製造業景気指数の発表で仮想通貨市場は大きく下落していますが、イーサリアムには大きな影響は及ぼさなかったように思われます。やはりMerge(イーサリアムの大規模アップデート)の期待が大きいと考えられますが、アップデート当日は気を付けてトレードすることをオススメします。
昨年のイーサリアムのアップデート時も、予想以上にバーンされる量が多かったために値上がりしていましたので、アップデートで何が起きるのかを正確に把握するのは困難でしょう。アップデートで何かが予定どおりに進まなかったり、エラーが生じたりすることで、イーサリアムの価格に影響することも推測されます。
城 正人(じょう・まさと)
城 正人(じょう・まさと)
明治大学経営学部
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo

◆ 取引はお休みしました(東京大学 迫嵩明さん)

前週からの損益    プラス・マイナスゼロ
9月2日現在              1万円

迫 嵩明(さこ・たかあき)
迫 嵩明(さこ・たかあき)
東京大学文科二類2年
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/

◆ ◆ アドバイザーのプロフィール

池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。

学生投資連合USIC 「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

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