2024年 4月 29日 (月)

格安スマホ「シェア、満足度、おススメ度」ランキング! 「シェア」1位「楽天モバイル」が、「満足度」「おススメ度」で最下位に...では、「満足度」「おススメ度」で人気なのは?

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   「安さ」と「手軽さ」がウリで人気の「格安スマホ」サービスだが、ユーザーの「満足度」が高いのはどこだろうか。

   モバイル専門の市場調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が、上位6つの格安スマホサービス利用者を対象に行なった「2022年9月MVNOのシェア・満足度調査」を、2022年10月25日に発表した。

   「シェア」1位になったのは「楽天モバイル」だが、「総合満足度」と「おススメ度」では最下位という「謎」の結果に。一方、「総合満足度」と「おススメ度」では「mineo(マイネオ)」が1位に輝いた。

  • 格安スマホはどこのサービスの満足度が高い?(写真はイメージ)
    格安スマホはどこのサービスの満足度が高い?(写真はイメージ)
  • 格安スマホはどこのサービスの満足度が高い?(写真はイメージ)

「シェア」首位をキープし続けている「楽天モバイル」だが

   「MVNO」とは(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)の略。無線通信インフラをNTTドコモやKDDI(au)などの大手から借り受けてサービスを提供する携帯電話事業者。いわゆる、「格安スマートフォンサービス」(格安スマホ)のことをいう。

   自前の回線を持たず、「黄金周波数帯」を大手に握られているため、電波がつながりにくいなどのデメリットがあるが、莫大な通信設備の費用が必要ない分、サービス料金が安いというメリットがある。

   総務省が今年9月16日に発表した「電気通信サービス契約数及びシェアに関する四半期データ」によると、提供している契約数が3万以上のMVNOは、今年6月現在で全国に170事業者もある。

   MMD研究所の調査では、その中でも代表的な格安スマホである「楽天モバイル」「OCNモバイルONE」「mineo(マイネオ)」「IIJmio」「イオンモバイル」「BIGLOBEモバイル」の6サービスを中心にアンケートを行った。

   スマホを所有している18歳~69歳の男女3万6535人に、メインで利用しているスマホの通信サービスを聞くと、格安スマホ(MVNO)を契約している人は9.9%だった。約10人に1人の割合だ。

   格安スマホを利用している人に、メイン利用のサービスを聞くと、「楽天モバイル」(19.7%)が最も多く、次に「OCNモバイルONE」(17.2%)、「mineo」(13.6%)、「IIJmio」(11.6%)、「イオンモバイル」(6.9%)、「BIGLOBEモバイル」(6.0%)と続いた=図表1参照

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(図表1)メイン利用の格安スマホのシェア(MMD研究所の作成)

   MMD研究所では2021年8月から4回、格安スマホの調査を行ってきたが、「楽天モバイル」はずっと首位をキープし続けている。

「総合満足度」と「おススメ度」1、2位は「mineo」と「IIJmio」

   次に、格安スマホ・トップ6の利用者からサービスの「満足度」を聞いた。「料金部門」(安さ、プランの分かりやすさ、お得さ)、「サービス部門」(提供端末やオプションプランなどの豊富さ)、「通信品質部門」(データ通信速度、つながりやすさ)、「顧客サポート部門」(情報の豊富さ、サポート対応の良さ)の4部門でそれぞれ聞き、合計ポイントで「総合満足度」を調べた。その結果は――。

   「料金」「顧客サポート」では「mineo」が1位に、「サービス」では「IIJmio」、「通信品質」では「OCN モバイル ONE」がそれぞれ部門トップとなった。この結果、「総合満足度」は「mineo」(764ポイント)がトップとなり、2位「IIJmio」(761ポイント)、3位「イオンモバイル」(7504ポイント)と続いた=図表2参照

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(図表2)格安スマホ6サービスの部門別満足度(MMD研究所の作成)

   最下位(6位)は「楽天モバイル」(684ポイント)だった。「楽天モバイル」は「通信品質」と「顧客サポート」で6位、「料金」と「サービス」で5位と振るわなかったことが響いた=再び図表2参照

   また、「家族や友人など他人にオススメしたいか?」を知るための「顧客推奨度」(NPS=ネット・プロモーター・スコア)も調査した。携帯電話サービスプランは好き嫌いに個人差が大きく、どちらかと言えば「辛口」の評価が多い。そのため、「推奨者」(9~10点)と「中立者」(7~8点)と「批判者」(0~6点)の採点を出し、「推奨者」の点数から「批判者」の点数を引いた数値でのランキングとした。

   その結果、「mineo」がマイナス8.0で最も高い数値となり、2位は「IIJmio」(マイナス10.7)だった。この2トップが「批判者」が少なく、「中立者」と「推奨者」が多くてバランスがいいいため、「おススメ度」が高いと判断された。この順番は「総合満足度」の順位と同じ。一方、最下位は「楽天モバイル」(マイナス53.3)で、こちらも「総合満足度」の最下位と同じ結果だった=図表3参照

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(図表3)格安スマホ6サービスのおススメ度(MMD研究所の作成)

大手携帯に参入した「楽天モバイル」、格安サービスが手薄に?

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格安スマホの評判は?(写真はイメージ)

   ここで疑問が湧く。「総合満足度」と「おススメ度」で最下位の「楽天モバイル」が、なぜシェアで1位を維持しているのだろうか。MMD研究所の調査担当者に取材すると、こう説明した。

「楽天モバイルは、2020年4月に自前の回線を使ったサービス『Rakuten UN‐LIMIT』を開始して、大手携帯電話業界に参入しました。しかし、格安スマホサービスの『楽天モバイル』はそのまま残し、現在も並行して続けています。楽天ユーザーの中には、『Rakuten UN‐LIMIT』に契約を切り替えないで、『楽天モバイル』を使い続けている人がまだ多くいると思われます」
「ただし、『楽天モバイル』の公式サイトを見ても、もうキャンペーンは行われず、細かなサービスもいくつか終了して、会社としては『Rakuten UN‐LIMIT』のほうに力を注いでいるように見受けられます。一方、ここ2年ほど、携帯電話の値下げ競争が起こり、大手3社の料金が格安スマホに近づいてきました。格安スマホ側も懸命に電波状況の改善やサービス向上を図っています。その差が出た結果だと思われます」

   調査は2022年9月17日~9月22日、スマートフォンを持つ18歳~69歳の男女3万6535人を対象に行なった。また、予備調査として「楽天モバイル」「OCNモバイルONE」「mineo」「IIJmio」「イオンモバイル」「BIGLOBEモバイル」の6つのサービスの利用者それぞれ150人を選び、サービス内容の満足度などを聞いた。予備調査は人口構成比に合わせるウエイトバック集計が用いられた。

(福田和郎)

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