2024年 3月 4日 (月)

太陽光発電を利用、車検なし、駐車場証明なし...浜松の看板業者がつくったSDGsな超小型EVに注目!【SDGs実践編】

   太陽光発電を利用して、最高時速60キロメートルで走るSDGs(持続可能な開発目標)な1人乗り超小型電気自動車(EV)が、「中小企業 新ものづくり・新サービス」(2022年12月13~15日開催)にお目見えした。

   その名は「NINA(ニーナ)」。

   開発したのは、看板や常夜灯、防犯灯の施工、販売を手がける「サインクリエイト」(静岡県浜松市)。2022年6月から、販売を始めている。

   高齢者が日常の買い物や病院への行き帰りに使えるのはもちろん、災害時は非常用電源として活用できるというスグレモノ。伊藤千明社長の「1キロメートルで1円の電気代で走る、次世代の、本当にエコで財布にやさしいクルマをつくりたい」という思いを具現化した。

  • サンクリエイトが「常夜灯」の開発で磨いてきた特許技術を活かした超小型電気自動車「MINA」
    サンクリエイトが「常夜灯」の開発で磨いてきた特許技術を活かした超小型電気自動車「MINA」
  • サンクリエイトが「常夜灯」の開発で磨いてきた特許技術を活かした超小型電気自動車「MINA」

スピードは出ない 日常の生活圏をゆっくり走る!

   超小型EVの「NINA」は、全長2.17メートル、幅1.16メートル、高さ1.56メートルで、海外製の車両をベースに、天井部に折り畳み式の太陽光発電の設備を搭載した原付「ミニカー」だ。

   いわゆる原付バイクと同じ区分なので、車検や車庫証明は不要。万が一の事故への備えである損害保険は、ファミリーバイク特約を利用でき、税金の負担も軽いなど、維持費が軽くて済む。

   一人しか乗れない(助手席側に荷物を置くスペースあり)が、電気でしか動かないので、最高時速60キロメートルと走るスピードは遅い。しかし、それはメリットでもあり、狭い道で小回りが効くうえ停めやすく、しかも省スペースだ。

   また、高速道路は走れないから、遠くへは行かず、日常生活に必要な移動で使うためのクルマとして、安全性が高くて便利に使える。

   充電もカンタン。家庭用コンセントから充電できて、満充電で約60~80キロメートル走行できるから、給油に行く必要もない。もちろん、雨に濡れることもない。

   NINAは、現状クルマに代わる足がなくて乗り続けている高齢者や、年金でまかなえる範囲で、安く生活の足を持ち続けたい高齢者にはオススメといえそう。

   さらにサインクリエイトでは、EV向けの太陽光パネルによる充電機器や、災害時の停電を想定した給電機能を用意している。災害時にNINAから室内への給電を可能にする、もしものときの「お助け電源」の機能を搭載した。

   たとえば、NINAに搭載した電池電力量(5.76kW/h)の場合で、家庭内の照明や冷蔵庫、テレビ、電子レンジなどが2日程度、使用可能になる。さらに、搭載した太陽光パネルを活用すれば、利用時間が延ばせるという。

常夜灯から生まれた鉛のバッテリーを長寿命にする特許技術

「NINA」は家庭用コンセントから充電できる
「NINA」は家庭用コンセントから充電できる

   NINAの開発は、もともと常夜灯のバッテリーの長寿命化に取り組んでいたサンクリエイトが、鉛電池を長持ちさせる仕組みを生かした技術をクルマに応用しようと考えたことがきっかけだった。

   伊藤千明社長は、

「大手メーカーのEVはリチウムイオン電池が主流ですが、それだと価格が高くなったり、取り扱いが難しかったりして、これではEVが『エコにも財布にもやさしい』とは必ずしも言えないと思っていました。
一方で鉛のバッテリーは、価格は安いのですが、寿命が短いのが難点でした。原因は、鉛蓄電池の電極部分に不純物が溜まって、電気が流れにくくなってしまうサルフェーション現象にあります。その除去装置を搭載することで、鉛のバッテリーの耐久性を高めることに成功したたわけです」

と説明する。

   この特許技術により、通常の鉛蓄電池が約800回の充放電で半分に性能が低下するところを約2500回まで伸ばせるようになり、約10年間は蓄電池の交換が必要なくなった。

   同社では、すでに耐久性の高い太陽光発電の常夜灯を施工しており、この技術を生かした車両の開発では、電気自動車普及協会理事で愛媛大学客員教授の佐藤員暢氏の協力を得た。

   価格はフル装備で税別220万円(車両のみは、税別120万円)。伊藤社長は、

「『NINA』とは、New Innovation Next Automobileの略称。これはクルマの乗り方改革なんです。SDGsに配慮するとともに、高齢者の移動や災害時の給電に貢献したいですね」

と、胸を張る。(J-CAST 会社ウォッチ編集部)

清水一守(しみず・かずもり)
清水一守(しみず・かずもり)
一般社団法人SDGs大学 代表理事/公益財団法人日本ユネスコ協会連盟・ユネスコクラブ日本ライン 事務局長/英国CMIサスティナビリティ(CSR)プラクティショナー資格/相続診断士
日本大学文理学部を卒業。大学では体育を専攻。卒業後、家業である食品販売店を継ぐも新聞販売店に経営転換。地域のまちづくりとして中山道赤坂宿のブランド化を推進した。その後CSR(企業の社会的責任)の重要性を学び、2018年7月から名城大学で「東海SDGsプラットフォーム」として月2回の勉強会を開催中。SDGsを広めるための学びの場として2019年9月に一般社団法人SDGs大学を開校。現在、SDGs認定資格講座やSDGsイベントなどを開催中。
岐阜県出身、1960年生まれ。
一般社団法人SDGs大学
SDGsを広めるために、誰もが伝道師となるような認定資格講座を3段階で設定。SDGsを学ぶきっかけの資格としてSDGsカタリストから始まり、その上位資格としてのアドバイザー資格、さらにカタリストを育成するカタリストトレーナー資格を設け、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsを他人事ではなく、『ジブンゴト』としてとらえ、実践していけるようにSDGsの研究・周知・教育を行っています。校訓として学び・実践・達成・及人を掲げ、物心両面の幸せを追求し、真の『自分ごと』を探求できる学びの『場』として、誰もが参加ができるインラインによる「SDGs大学プラットフォーム」、「SDGsキャンプ」などのセミナー、イベントを提供しています。
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