2024年 4月 16日 (火)

高リスク金融商品「仕組み債」、トラブル相次ぐ...金融庁が問題視、金融機関は相次ぎ販売停止 問い直される「顧客本位」

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金融機関にはメリット...販売手数料が高い、「回転売買」で稼ぎやすい

   仕組み債が問題になった背景には、超低金利で利ざやを得にくくなった銀行や証券会社が、仕組み債の販売に力を入れたことがあるが、そこには、仕組み債の特徴が反映している。

   まず、手数料が高いといわれる。金融庁は2022年5月、仕組み債に関する調査結果を公表し、商品に含まれる平均コストが年率8~10%程度と推計しており、実質的な手数料が高いと指摘した。

   また、仕組み債はたとえば株価が上がれば早期償還になる場合、株価上昇局面では短期間に現金化され、それで新たに仕組み債を購入させるという形で、金融機関は「回転売買」のような形で手数料を稼げるのだ。

   しかも、こうした手数料は、あくまで仕組み債を組成した会社から販売した金融機関に支払われるもので、株のように顧客が売買する際にかかる手数料と違って、「目に見えない」のも問題だ。

   仕組み債はもともと、主に証券会社で売られていたが、近年は地方銀行の販売への注力ぶりが際立つ。

   金融庁によると、銀行や証券会社の販売額は2016年度の3.8兆円から20年度に4.3兆円に増えた。このうち20年度の地銀が7000億円で、4年で2倍超に増え、金融商品の販売の82%が仕組み債という地銀もあった。全国地方銀行協会によると、21年度には加盟62地銀のうち57地銀が計約9500億円と、さらに販売を伸ばしている。

   地銀は長引く超低金利に加え、地域経済の低迷や人口減もあって、融資で利ざやを稼ぐことが難しく、メガバンク等に比べ経営体力も劣る。そこで、金融商品の販売手数料が重要な収入源になっており、手数料を稼ぎやすい仕組み債のうまみが大きいのだ。

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