2024年 4月 26日 (金)

タイム誌が予言...「2023年は週休3日の年になる」!? 欧米で広がるこのムーブメント、いよいよ日本にもやってくる?(井津川倫子)

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   コロナ禍ですっかり定着した「work from home」(在宅勤務)。感染状況が変化するにつれて、オフィスへの出社と在宅勤務を組み合わせた「ハイブリッド型」が広がっていますが、ここにきて、がぜん注目が高まっているのが「four day work week」こと「週休3日制」をめぐる動きです。

   これまで欧米諸国を中心に、給料や生産性は現状維持で(100%)、勤務時間のみ80%に削減する「100-80-100」の実験が行われてきました。過去最大規模で実施された英国版の報告がまもなく公表されますが、一足早く、高級誌「タイム」が「2023年は週休3日の年になる」と予言(!)するなど、ムーブメントの兆しが見えてきました。私たちも「週休3日」の恩恵にあずかる日は近いのでしょうか?

  • 「週休3日」の働き方は定着するか?(写真はイメージ)
    「週休3日」の働き方は定着するか?(写真はイメージ)
  • 「週休3日」の働き方は定着するか?(写真はイメージ)

企業側も「こんなにメリットがあるなんて」とびっくり! 売り上げアップも!

   近年、新しい働き方として注目を集めている「four day work week」(週休3日)。文字通り「週に4日しか働かない」、つまり「3日は休む」という勤務形態ですが、コロナ禍で広がった在宅勤務の後継モデルとしての導入が広がっています。

   これまでは、限られた地域や企業に限定された「実験」の色合いが強かったのですが、2022年末に米国とアイルランドでの「実験結果」が公表されたころから、本格導入の動きが見られるようになりました。

   このところ、「four day work week」(週休3日)に関する報道も確実に増えていて、新しいフェーズに入ったことは間違いなさそうです。タイム誌は、「2023年はついに週休3日の年になる」と報じています。

Why 2023 could finally be the year of the 4-day work week
(2023年がついに週休3日の年になる理由:TIME)

   記事では、2023年に「実験」の域を超えて「本格導入」が広がる理由がいくつか挙げられています。なかでも、一番説得力があったのは「It's good for business」(企業にとってメリットがある)というものでした。

   給料がそのままで休日だけ増える「週休3日」を体験した従業員がハッピーなことは想像に難くありません。家族と過ごす時間が増えたり、趣味やボランティアに勤しんだりしたことで「満足度が高まった」「生活にゆとりが生まれた」という声がたくさん紹介されています。

   「どんなに賃金をはずまれても、もう元の週休2日には戻れない」といった生々しい本音も理解できますが、「週休3日」を推奨する団体でさえ「驚いた!」とコメントしているのは、企業側の好意的な反応でした。

   報告によると、「週休3日」を導入することで、企業はあらゆる面において「競争上優位」になったそうです。まず、優秀な人材を獲得できるといった採用面での優位性が頭に浮かびますが、タイム誌は「メリットはそれだけじゃない」と強調しています。

   実験に参加した企業は平均して8.14%も売り上げが伸びていて、なんと、前年同時期と比べて37.55%増だった、という結果が出ています。実際、「週休3日」を導入したあるPR会社は、生産性が「gone through the roof」(天井知らずに上がった!)とのこと。すべての従業員がそれぞれのKPIを達成できただけでなく、「Productivity has increased 25 or 30%」(会社全体の生産性が25~30%も上がった)というのは驚きです。

   ちなみに、同社の生産性が飛躍的に向上した一番の理由は、「ムダな会議をなくしたこと」だそうです。以前はクライアントとのZoom会議にたくさんのスタッフが参加。ただ座って何時間も話を聞くだけ、の会議も多かったとのこと。会議の代わりに「この課題に対する解決策を示して」とメールを送る方法に変えたところ、効率が上がったそうです。

   こうした具体的な成果や取り組みが報じられることで、他企業への影響は広がっていくことでしょう。じわじわと、それでいて確実に、世界的なムーブメントに育っていくことを願います。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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