2024年 4月 27日 (土)

「3分の1に値下げ」で釣るネット通販「偽サイト」にご注意! 本物そっくり、見破る7つのチェック方法、もし騙されても3つの対処法がコレ

   「や、や、安い! 3万円のソファベッドが7000円ってマジ!?」。喜んでインターネット通販に注文しようとしたアナタ。その通販サイト、本物ですか?

   冬場になるとネット通販の「偽サイト」の被害が急増するため、国民生活センターは2023年1月30日、「最近の『偽サイト』の見分け方を知って、危険を回避しましょう!」という警鐘を鳴らすリポートを発表した。

   本物そっくりのサイトの甘いエサで釣る「フィッシング詐欺」から身を守る方法はこれだ。

  • フィッシング詐欺師があなたを狙っている(写真はイメージ)
    フィッシング詐欺師があなたを狙っている(写真はイメージ)
  • フィッシング詐欺師があなたを狙っている(写真はイメージ)

大手メーカーのロゴマークや名称が表示されても偽物

   国民生活センターによると、近年、偽サイトの被害相談はほぼ倍々ゲームのように急増している。2022年度の12月末現在で1万1019件に達し、2021年度の同じ時期(5941件)の約2倍になった。また、暖房関係の商品の需要が多くなる冬場になると増加する傾向があり、2021年度でも1月(2603件)がダントツに多かった【図表1】。

(図表1)冬になると増加するネット通販の「偽サイト」被害(国民生活センターの作成)
(図表1)冬になると増加するネット通販の「偽サイト」被害(国民生活センターの作成)

   こんな事例が代表的だ。

【事例1】3万円のソファベッドが7500円...通販サイトからクレジットカード決済で注文したが、商品が届かない

   検索サイトで「ソファベッド」と入力して検索し、検索結果ページに表示された大手生活用品メーカーの通販サイトにソファベッドを注文したが届かない。注文した通販サイトには、大手生活用品メーカーのロゴマークや名称も表示されていたので公式通販サイトだと思った。ソファベッドは定価約3万円が約7500円に値下げされていた。

   クレジットカードで決済したが、会員登録も必要だったので、個人情報を入力し、カード情報(カード番号、有効期限、セキュリティコード)を登録した。会員登録完了メールと購入完了メールが届いた。

   だが、その後、商品は届かず、しばらくして通販サイトは閉鎖されてしまった。偽サイトと気付き、カード会社に連絡し、クレジットカード番号の変更手続きをした。カードの利用明細には、通販サイトの名称とは異なる名称で、海外での決済約7500円の請求が上がっていたので、取り消しを求めた。カード会社は「補償等はできない」という。カード会社の対応に不満だ。(2022年11月・30歳代女性)

【事例2】クレジットカード決済したが、商品が届かないうえクレジットカードを不正利用された

   インターネット通販で、通常価格の半額以下になっていた約7000円のソファを注文した。支払いはクレジットカード決済しかできなかった。注文から1週間後、カード会社から連絡があり、海外の航空会社で18万円決済されているが心当たりがあるかたずねられ、心当たりはないと答えると、18万円に関しては不正利用で処理すると言われ、カード番号も変更した。

   その後、商品は届かず、履歴から注文した通販サイトにアクセスしたが閲覧できなかった。改めて公式通販サイトを確認すると、偽サイトの注意喚起情報があり、偽サイトとして記載されていたURLと自分が注文した通販サイトのURLとが一致した。関係は不明だが、昨日ポストに心当たりのない荷物が中国から届いた。開封はしていないが、どのように対処したらよいか。(2022年10月・30歳代女性)

「あと数個」に慌てて註文...改めて調べると、偽サイトだった

「安い」と喜んで注文する前にチェック!(写真はイメージ)
「安い」と喜んで注文する前にチェック!(写真はイメージ)

【事例3】名義人が外国人の銀行口座に代金を振り込んだが、商品が届かない

   インターネットで電気ストーブを探していたところ、他より安い価格で販売している通販サイトを見つけたので注文した。商品代金は約1万9000円で、通販サイトから指定された銀行口座に振り込んだ。口座名義人は個人で外国人の名前だった。

   通販サイトには「入金後24時間以内に商品を発送する」と記載されていたが、しばらくたっても商品は届かない。販売業者にメールを3回送って催促しても返信がない。インターネットで調べると、実在する通販サイトの販売業者名をかたっているケースがあることを知った。(2022年11月・60歳代男性)

【事例4】海外ブランドとコラボの腕時計、「あと数個で販売終了」に慌てて申しこんだら...

   SNS上の広告を見て、海外ブランドがコラボしている腕時計が約3万4000円で販売されていた通販サイトで、氏名、住所、携帯電話番号、メールアドレスを入力して、代金引換サービスで注文した。店舗販売限定で、自分が住んでいる地域の店舗では購入できない商品だった。通販サイトには、「あと数個で販売終了」と記載されていたので、慌てて申し込んでしまった。

   改めて通販サイトを確認したところ、販売業者の名称、所在地、連絡先などは見当たらなかった。インターネットで調べると、当該サイトは偽サイトであるとの情報が出てきたのでキャンセルしたいと思った。受注確認メールに返信する形で、通販サイトにキャンセルしたい旨のメールを送ったが返信はない。商品が届いた場合はどうしたらよいか。(2022年7月・60歳代男性)

偽サイトと気づいたら...まだ間に合う方法がある

不審なURLにはアクセスしない(写真はイメージ)
不審なURLにはアクセスしない(写真はイメージ)

   国民生活センターでは、「通販サイトで商品を注文する前に、偽サイトの特徴を知って、少しでも怪しいと感じたら取引をやめよう」として、偽サイトがどうかのチェックポイントをこう紹介している。

(1)サイトのURLの表記が、ブランドの正式な英語表記と少しだけ異なる。
(2)日本語の字体、文章表現がおかしい。
(3)販売価格が大幅に割引されている。
(4)事業者の住所の記載がない。住所が記載されていても、調べてみると虚偽だったり、無関係の住所だったりする。
(5)事業者への連絡方法が、問い合わせフォームやフリーメールだけ。
(6)支払い方法が、クレジットカード決済のみ、銀行口座等への前払いのみ、代金引換サービスのみなど、限定されている。
(7)通販サイト内のリンクが適切に機能しない。

   もし偽サイトに注文したことに気が付いたら、どうしたらよいだろうか。対応は支払い方法によって異なり、素早く対処することが大切だ【図表2】。

(図表2)「偽サイト」の特徴とトラブル対処法(国民生活センターの作成)
(図表2)「偽サイト」の特徴とトラブル対処法(国民生活センターの作成)
【クレジットカードの場合】
(1)すぐにクレジットカード会社に連絡する。
(2)日ごろからクレジットカードの利用明細を定期的に確認し、不正利用の被害を早期に把握する。
(3)万が一不正使用に遭った場合の被害額を最小限にとどめる対策として、クレジットカードの利用限度額を見直すことも一法だ。
【銀行口座等への前払いの場合】
(1)すぐに振込先金融機関に連絡し、振り込め詐欺救済法による救済を求める。
(2)併せて最寄りの警察に被害を届け出る。
【代金引換サービスの場合】
(1)注文直後に偽サイトであると気が付いた場合、電子メール等でキャンセルの連絡をする。連絡をすることで商品が届かずに済んだケースがある。
(2)荷物が届いた場合、代金を支払う前に送り状の「依頼人」の情報を確認し、注文した販売業者とは違う場合は、代金を支払わずに受け取りを拒否する。
(3)代金を支払い、中身を確認して「偽物」とわかった場合は、宅配業者等に返金を求めても、原則返金には応じてもらえない。販売業者や送り状の「依頼人」(発送代行業者などの場合もある)に連絡し、返品、返金を求めることになる。

   何よりも、通販サイトで商品を注文する場合は、偽サイトかどうかのチェックポイントをしっかり確認することが大切だ。(福田和郎)

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